「サーバーは変わる、運用も変わる」–HPE、新CPU搭載のサーバーを提供
今回は「「サーバーは変わる、運用も変わる」–HPE、新CPU搭載のサーバーを提供」についてご紹介します。
関連ワード (サーバ等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
日本ヒューレット・パッカード(HPE)は11月25日に開催した年次イベント「HPE Discover More 東京 2022」で、新プロセッサーを搭載した新たなサーバー「HPE ProLiant Gen11サーバー」の提供開始を発表した。
イベントに登壇したHPE コアプラットフォーム事業統括 サーバー製品本部 ビジネス開発部 部長の阿部敬則氏によると、HPE ProLiant Gen11サーバーには3つの特徴とメリットがあるという。最初に挙げたのは、「直感的なクラウド運用管理」だ。
同サーバーでは、クラウド型の管理サービス「HPE GreenLake for Compute Ops Management」をサブスクリプション形態で利用できる。データセンターだけでなく、オフィスやエッジ環境のサーバーでも、従来は必要だった管理サーバーを構築することなく、クラウドベースの直感的でシンプルな管理コンソールを通した操作が可能だという。これにより、システム管理者を「管理のための管理」から解放。先行導入していた米国の企業は、ファームウェアのアップデートを5倍迅速化できたという。
加えて、サステナビリティー経営を支援するため「カーボンフットプリントレポート機能」を新たに搭載。個々のサーバーと環境全体のサーバー電力使用量を監視し、二酸化炭素(CO2)排出量に換算した指標を提示する。
2つ目の特徴は「安心のセキュリティ・バイ・デザイン」。同社は、ハードウェアがサーバーシステム全体の基盤の強さを決めているとし、プラットフォームベンダーの責務として、ハードウェアベースのゼロトラストセキュリティに投資していると説明した。
サーバー固有のIDアクセスの改ざんを防止するプラットフォーム証明書と「Secure Device Identity」、そして「Trusted Platform Module」を標準実装することで、セキュリティ・バイ・デザインをさらに強化しているという。また、製造プロセスにおけるデータ保護を強化し、エンドツーエンドのセキュリティを提供するHPE Trusted Supply Chainの対象をグローバルに拡大する。
最後の特徴として紹介したのは「最適化されたワークロード性能」。HPE ProLiant Gen11サーバーは、第4世代AMD EPYCプロセッサー(通称、Genoa)を搭載している。これにより、前世代と比較してI/O(入出力)帯域幅が2倍、メモリ帯域は125%、コア数は50%アップ、そして最大99%の性能向上を実現する。さらに、消費電力の効率に優れており、最大43%の電力効率の向上が見込めるという。
第4世代AMD EPYCプロセッサーは、第1世代のEPYCから全コアの強化と小型化を行い、マイクロアーキテクチャー「Zen4」コアを搭載している。Zen4コアでは、フロントエンド、ロードストア、分岐予測、実行エンジン、L2キャッシュ容量の増加など、数多くの強化を行った結果、Zen3コアと比較して1クロック当たりの処理性能を約14 %向上させることに成功したと、日本AMD コマーシャル営業本部 セールスエンジニアリング担当 マネージャーの関根正人氏は言う。また、小型化を実現したことで、エネルギー効率を向上させ、最大で48%の高効率化を実現したという。
AMDが2000台のバーチャルマシンの構築に必要なコストとサーバーのダイスを試算したところ、現在稼働しているレガシーサーバーの場合は、15サーバーが必要である一方、第4世代AMD EPYCプロセッサーでは5サーバーで置き換えられるとしている。これにより、年間のエネルギーコストの削減やCO2の削減に寄与するという。
HPEは、第4世代AMD EPYCプロセッサーの提供開始に伴い、日本初の長期間サポートを提供する。これは、顧客の投資を保護するサポートサービスメニューで、組込装置や産業機械に使われるサーバーを長期的に使いたいという顧客の要望に応えたものになる。メニューの一つである「HPE Pointnext Complete Care」では、顧客の効率的なインフラ管理に最適なIT環境を包括的に支援する。ほかにも、サポート専用のクラウドポータル「HPE Support Center」を無償で提供する。
第4世代AMD EPYCプロセッサーを搭載したHPE ProLiant Gen11サーバーの4機種「HPE ProLiant DL325 Gen11」「HPE ProLiant DL345 Gen11」「HPE ProLiant DL365 Gen11」「HPE ProLiant DL385 Gen11」および、Ampereプロセッサーを採用した「HPE ProLiant RL300 Gen11サーバー」は、「HPE GreenLake クラウドプラットフォーム」を通して利用できる。
阿部氏は新サーバーの提供開始を踏まえ、「環境が変化する中で、サーバーも新世代に生まれ変わった。一方、運用だけがこれまで通り手間をかけるのは良くないことだと当社は考えている。HPE ProLiant Gen11サーバーの特徴、従来からの違いは『サーバーは変わる、運用も変わる』ということだ」と結んだ。