リモートワークと出社勤務の融合–異なる場所で働く従業員の連携を図る3社の取り組み
今回は「リモートワークと出社勤務の融合–異なる場所で働く従業員の連携を図る3社の取り組み」についてご紹介します。
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オフィス勤務に戻る者もいれば、在宅勤務を続ける者もいるため、経営者はハイブリッド型の職場を作り出し、対面での共同作業とリモートワークをうまく融合させ、全員の満足度と生産性を維持する必要がある。
先頃開催された「DTX Tech Predictions Mini Summit」では、3人の経営幹部が、自社でさまざまなツールと手法を使用して未来の職場を構築していることを説明した。
Lloyds Bankで「Work:Reimagined」イニシアチブの仕事の未来戦略のリードを務めるTom Kegode氏によると、同銀行の行員の78%(約6万5000人)は在宅勤務とオフィス勤務を組み合わせて働くハイブリッドワーカーであるという。現在の優先事項は、長期にわたるハイブリッドワークによって行員にどのような影響があるかを検討することだ。
「バランスがとれるようになってくると、働き方がどのように変わっていくかについて、必ずしも想定していなかったことが明らかになるだろう。そのため、反復的なプロセスにすることが重要だ」とKegode氏は語る。
Lloydsは、オフィスや支店、行員の自宅で行われている仕事を調べるとともに、こうした勤務場所の行員をつなげるにあたり、Kegode氏がいうところの「気配りができた方法」を取るにはどうすればよいかを検討している。それについて理解を深めるためには、継続的な対話に加えて、ビジネスの要求、個人のニーズ、チームの要件の関係の分析が必要になる。
「人間をより人間らしくする手段としてテクノロジーを利用する方法を検討することが、一貫した目的だ」とKegode氏。「テクノロジーを使用して、人間の特性や、機械にはできない人間独自のものを強化するには、どうすればいいだろうか」
Lloydsがパンデミックの直前に導入を開始した「Microsoft Teams」は、ロックダウンが始まったときに大きな助けとなった。ビデオ会議テクノロジーは、過去2年間にわたって労働者の生産性を維持してきたが、未来の職場では、ツールの採用と応用の方法に関して、慎重に議論を重ねる必要があるだろう。
レガシーツールを再現するという目的のためだけに新しいツールを使用すべきではない、とKegode氏は語る。企業とその従業員は、Microsoft Teamsを電話の代わりに使うだけでなく、これらのプラットフォームによって、オフィス勤務と在宅勤務の従業員の交流や共同作業をより豊かなものにする方法を探求しなければならない。
Lloydsは、複数の場所で「試行錯誤」を重ねて、最新のビデオ会議ソフトウェアにより、支店、オフィス、在宅勤務の従業員のつながりをサポートする方法を調べている。テクノロジーをどのように活用して、緩やかにつながった未来のオフィスを定義していくか、それらのテストの結果を基に議論する予定だ。
むしろ、こうした新たな職場コミュニティーを形作る可能性があるテクノロジーは、仕事の未来についての討論の場として、すでに使用されている。Kegode氏によると、Lloydsは「Yammer」をコミュニティー構築ツールとして使用しており、行員たちが参加して新しいアイデアを議論しているという。
「仕事の未来の次の段階に関するこの進行中の議論に参加するよう、行員に促している。誰もが他の人と共有したい意見を持っているはずだからだ。重要なのは、意見交換のためのスペースをどのように作り出すかということだと思う」
英国心臓財団(BHF)のテクノロジーエンゲージメント担当ディレクターであるMary O’Callaghan氏も、同様の考えを持つ専門家であり、生産的なハイブリッドワーク環境の構築はまだ進行中の取り組みだが、成功の鍵を握るのはおそらくテクノロジーではなく人間だろう、と述べている。
「多くの時間を費やしてガイドラインを考案し、ハイブリッド会議に参加する人がつながりを持てるようにした。また、皆が同じように全員の顔を見られるようにするため、カメラをオンにすることを全員に義務づけた」とO’Callaghan氏は語る。