Meta初の独自開発AIチップ「MITA」とは
今回は「Meta初の独自開発AIチップ「MITA」とは」についてご紹介します。
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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
「Facebook」「WhatsApp」「Instagram」を運営するMeta Platformsは米国時間5月18日、人工知能(AI)の処理に特化した同社初のチップ「Meta Training and Inference Accelerator(MTIA)」を発表した。
このチップは、並列に動作する回路ブロックをメッシュ状に構成したもので、同社のオープンソース開発フレームワークである「PyTorch」を使用してプログラムを最適化するソフトウェアを実行するものだ。
Metaによれば、このチップは深層学習を用いたレコメンデーションモデルを念頭に置いてチューニングされているという。レコメンデーションモデルとは、ソーシャルネットワークでどの記事をクリックするかといった活動のパターンから、そのユーザーが気に入る可能性が高い情報を予測するモデルのことだ。
このチップは同社が計画しているチップファミリーの最初の1つであり、開発は2020年から始まっていたという。このチップファミリーのほかのチップがいつ発表されるかは明らかにされていない。
ほかの大手IT企業も、この分野で主導権を握っているNVIDIAの標準的なGPUチップを使うだけでは終わらず、独自のAIチップを開発している。MicrosoftやGoogle、Amazonは、いずれもこの数年の間に、AIのさまざまな側面に特化したカスタムチップを発表している。
Metaの発表は、同日に行われた広範な話題を扱ったプレゼンテーションの一部として行われたもので、このプレゼンテーションでは、経営陣数人が、同社のAIに関するコンピューティング能力をどう強化していくかについて語った。
同社は、MTIAチップに加えて、水冷式のAIハードウェアと、数千基のAIチップによる高性能AIネットワークを支えるデータセンター規模のAIトレーニングクラスターに対応した、AIに特化した次世代データセンターを構築中であるとも説明した。
同社はまた、動画エンコーディング用のカスタムチップ「Meta Scalable Video Processor(MSVP)」も発表した。このチップは、動画のファイルをFacebookユーザーがアップロードしたり、視聴したりするのに適したフォーマットに効率的に圧縮、解凍、変換するために設計されたものだ。MSVPチップは「4K映像のトランスコーディング(動画フォーマットの変換)の処理を、入力1、出力5のストリーミングで、最高品質の設定なら最大15fps、標準的な品質であれば最大60fpsで出力できる」と同社は説明した。
Metaは、将来のユースケースを見据えた場合、コンピューティング能力や効率の観点からは、NVIDIAのGPUやIntelのCPUに頼り切るのではなく、専用ハードウェアを持つことが最善のソリューションだと考えている。Facebookの利用者は利用時間の半分の時間を動画の視聴に費やしており、動画が1日あたり40億回再生されていると同社は指摘した。