自治体での「学習eポータル」導入率、前年比50%増–NEC調査
今回は「自治体での「学習eポータル」導入率、前年比50%増–NEC調査」についてご紹介します。
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NECは、文部科学省が毎年度実施する「全国学力・学習状況調査」に向けて、「全国の教育委員会におけるデジタルツール導入状況に関する実態調査」を実施し、結果を発表した。これによると、前年比50%増となる約85%の教育委員会で「学習eポータル」を導入済みであると分かった。
この結果は、2023年度全国学力・学習状況調査において、中学校3年生英語の「話すこと」調査がオンライン方式で実施されたことが影響していると見られる。「話すこと」調査は、文部科学省が提供するCBT(コンピュータを用いた試験方式)システムに対応した学習eポータルの導入が必要だったため、多くの小中学校で同ポータルの導入が進められたと推測される。
今回NECが実施した調査は、2022年9月〜2023年3月、電話による聞き取りで4回行われた。対象はランダムに抽出された児童・生徒5000人以上の自治体で、有効回答数は799自治体。
学習eポータルは、日本における初等中等教育向けデジタル学習環境のコンセプトで、「GIGAスクール構想」で整備された一人一台環境と高速ネットワークを活用し、ソフトウェア間の相互運用性を確立している。構想の全体像や技術仕様は「学習eポータル標準モデル」と呼ばれるドキュメントにまとめて公開されている。この標準モデルに記載された仕様のもと開発されたソフトウェアが軸となり、デジタル教科書/教材や学習ツールなどをブロックのように積み上げている構成だ。
学習eポータルの導入状況については、全国768自治体のうち、導入していると回答したのは604自治体(79%)、実証用を導入していると答えたのは46自治体(6%)、導入していないとしたのは116自治体(15%)だった。デジタル教科書を除く学習コンテンツの導入状況については、全国799自治体のうち、導入していると回答したのは683自治体(85%)、導入していないと答えたのは116自治体(15%)だった。
オンライン授業支援ツールの導入状況に関しては、学習eポータルを導入している全国451自治体のうち、導入していると回答したのは319自治体(76%)、導入していないと答えたのは98自治体(24%)だった。
オンライン授業支援ツールは、ライブ配信、録画、双方向のコミュニケーション、共同作業、ファイル共有、学習履歴管理などの基本機能を搭載しており、コロナ禍で利用が急拡大した。PCやタブレット、スマートフォンといった端末とインターネット環境を整えれば、時間と場所の制約をほとんど受けずに授業の受講が可能になるという。