KDDI、位置情報や決済データ活用で小売企業の店舗開発など支援する新サービス
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KDDIは8月20日、同社と顧客がそれぞれ保有するデータを統合・分析・可視化し、店舗開発や売上予測を支援するサービス「KDDI Retail Data Consulting」の提供を開始すると発表した。
KDDIは2024年5月から、AI時代のビジネスプラットフォームブランド「WAKONX」(ワコンクロス)を展開している。小売業界向けには「WAKONX Retail」として、消費者ニーズの多様化や労働人口の不足、商圏環境の変化などの解消に取り組んでいる。
商圏環境の変化について、ビジネス事業本部 プロダクト本部 次世代ビジネス開発部長の中島康人氏は「駅前の再開発などで、人流が変化することはよくある。小売業界では、人流の変化に伴い店舗戦略を改めて検討する必要がある」と説明した。
小売企業のバリューチェーンは「商圏分析」「店舗開発」「売上予測」「販売促進」で構成され、KDDI Retail Data Consultingは店舗開発と売上予測の領域で活用される。商圏分析と販売促進の領域では、既に複数のサービスを提供している(図1)。
KDDI Retail Data Consultingに活用するKDDI保有のデータには、「au」契約者が保有する通信端末の位置情報、「au PAY」をはじめとした同社が展開する各種サービス利用情報がある。顧客保有のデータには、店舗売り上げや会員情報などが想定される(図2)。
位置情報は最大2000万ユーザー分を取得可能。位置情報に加え、決済データやECサイト、エンタメコンテンツなどのサービス利用データを活用することで、ターゲットとする消費者の特性と行動傾向を可視化する。そのほか、消費者のニーズを分析できるよう、「旅行」「服」など興味関心のカテゴリーを全99項目整備している。
位置情報を基に人流を把握して店舗の効率化を図る従来のサービスでは、「ある店舗周辺では午前中に人が多い」など、得られる示唆は限定的だったという。KDDI Retail Data Consultingでは、近隣の競合店舗の場所なども一元的に把握できるため、例えば「ある店舗周辺では旅行に関心の高い人が午前中に多く、近隣に旅行代理店は出店していない」など、高度なデータ分析を効率的に実施できるとしている。
KDDIは、顧客の課題解決を支援する5種類のデータコンサルティングパックを提供し、複数のパックを組み合わせて提供することも想定している。各パックを導入する企業の目標数は公表していない。
KDDIは同社グループのイーオンに、KDDI Retail Data Consultingの店舗開発支援パックを先行提供した。導入の結果、データに基づく分析を素早く行い、適切な判断に寄与しているとの声が挙がっているという。通常は企業の担当者が出店を検討している地域に何度も赴き、学校や競合店の場所を調査していたが、店舗開発支援パックにより担当者自身がサービス画面を操作し、各候補地を複数の指標で簡単に比較することが可能になるとしている(図3)。