「LibreOffice」で文書のアクセシビリティーを確認するには

今回は「「LibreOffice」で文書のアクセシビリティーを確認するには」についてご紹介します。

関連ワード (「LibreOffice」を快適に、特集・解説等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 私たちは、さまざまなものを当然のこととして享受している。いろいろな種類のコンテンツを簡単に消費したり、それらを使って他者と共同作業したりする機能も、その一例だ。しかし、あなたが作成するすべてのコンテンツを、誰もが支援なしで閲覧できるわけではない。ワードプロセッサーで何かを書くとき、その文書が、スクリーンリーダーや拡大鏡などのアシスティブテクノロジーを使用する人にとって読みやすく、アクセスしやすいものであるかどうかを確認するには、どうすればいいのだろうか。

 あなたが作成する文書は、そうしたコンテンツへのアクセスを可能にするテクノロジーに依存している人々を妨げるのではなく、助けるものでなければならない。幸い、「LibreOffice」オフィススイートには、「Writer」文書にアクセシビリティーの問題がないかどうかをチェックする「Accessibility Check」(アクセシビリティチェック)というツールが標準で搭載されている。このツールは以下のことをチェックする。

 上記の問題は、些細なことに思えるかもしれないが、一部の人にとっては閲覧の妨げになる可能性がある。

 「LibreOffice 7.0」以降、Writerには、非常に簡単に使用できるアクセシビリティチェックが搭載されており、上記の問題のいずれかが放置されている場合、そのことを知らせてくれる。

 本記事では、LibreOfficeのアクセシビリティチェック機能の使い方を解説する。

 必要なもの:必要なのは、LibreOffice 7.0以降がインストールされていることだけだ。ここでは、「Ubuntu Budgie」にインストールされた「LibreOffice 7.6.2.1」を使用して、アクセシビリティチェックの使い方を説明するが、別のOSでも手順は同じである。空の文書を使って、このアクセシビリティチェックの仕組みを解説していくが、この機能は、完成済みの文書でも使用可能だ。

 最初に、LibreOffice Writerを開く。「Linux」を使用している場合は、デスクトップメニューから直接Writerを開くことができる。「macOS」や「Windows」を使っている人は、LibreOfficeアプリを開いた後、そこから新しいWriter文書を作成する(または、既存の文書を開く)必要がある。

 ここでは、完成した文書をすぐに開くのではなく、空の文書を使用して説明する。その方がアクセシビリティチェックの仕組みを理解しやすいからだ。空の文書を開いた状態で、「Tools」(ツール)>「Accessibility Check」(アクセシビリティチェック)の順にクリックする。これにより、ポップアップまたはサイドバーが開く。新しい(空の)文書を使用しているため、チェックでは、文書のタイトルが設定されていないことを指摘される。「Fix」(修正)をクリックすると、文書のタイトルを設定できるポップアップが表示される。

 文書に画像を追加してみよう。アクセシビリティチェックのサイドバー(またはポップアップ)が開いたままになっている場合、画像を追加すると、その画像が自動的にチェックされ、必要な代替テキストが追加されていないことを指摘される(代替テキストがあると、スクリーンリーダーは画像の説明文を読み上げることができる)。「Fix」(修正)をクリックすると、新しいポップアップが表示されるので、必要な説明文を追加してほしい。

 このように、アクセシビリティチェックのサイドバー(またはポップアップ)を開いたまま、文書の作成を続けてほしい。新しい要素を追加するたびに、アクセシビリティチェックは問題がないかどうかを報告してくれる。あるいは、完成済みの文書を開いて、チェックを実行し、必要に応じてすべての問題を修正することも可能だ。長大な文書(書籍の原稿など)では、アクセシビリティチェックによる問題の修正が少し大変な作業になることもあるので、注意してほしい。それでも、このツールはLibreOfficeの歓迎すべき新機能であり、文書を使用する際にアクセシビリティー機能を利用するユーザーの負担を大幅に軽減してくれる。

COMMENTS


Recommended

TITLE
CATEGORY
DATE
位置情報関連ソリューション提供のGeoloniaがMedical DOCの「新型コロナワクチンマップ」開発に貢献
パブリック / ダイバーシティ
2021-06-03 16:58
神奈川県警が日立グループと連携、生成AI活用で警察活動のDX推進へ
IT関連
2024-10-23 07:40
消費財メーカーの最重要課題はデジタルエンゲージメント
IT関連
2023-06-09 11:47
大日本印刷と三菱UFJ銀行、豪州企業と連携し分散型IDの国際間接続を実証
IT関連
2024-06-06 18:25
デジタルトランスフォーメーション実現の原動力となる7つの鍵
IT関連
2022-03-11 14:14
アドビ、デジタルのコンテンツと顧客体験の未来を提言する新プロジェクト–SNSも活用
IT関連
2022-12-03 19:06
理研と富士通、量子コンピュータの研究拠点を埼玉に開設 実用化に向け試作機など開発
企業・業界動向
2021-04-03 05:05
ディープフェイク動画のiOSアプリ「Avatarify」が電子透かし提供へ
人工知能・AI
2021-04-16 12:53
JAバンク新潟県信連、統合型コラボレーションツールを導入–申請業務の改善へ
IT関連
2022-03-17 21:41
WasmバイナリをWin/Mac/Linuxで実行可能なバイナリファイルへ変換可能に「Wasmer 3.0」正式リリース
WebAssembly
2022-12-06 14:03
「うんこ漢字ドリル」がWeb教材に クイズ形式で“偉人のうんこ”をコレクション
企業・業界動向
2021-07-16 02:15
三井住友信託銀行、クアルトリクスのCX管理製品を採用–サーベイ実施・集計が数日に
IT関連
2022-02-26 09:37
MetaMoJiと大林組、建設現場の安全管理を高度化する「安全AIソリューション」を開発
IT関連
2022-07-07 05:28
会計自動化スタートアップのGeorgesが44億円調達、ブランドも「Indy」に変更
ネットサービス
2021-01-24 02:27