CDOを活用して組織変革を推進するための戦略
今回は「CDOを活用して組織変革を推進するための戦略」についてご紹介します。
関連ワード (CIO/経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
ハイドリック&ストラグルズは、2023年に欧州および欧米諸国を対象に、「データ、アナリティクス、生成AI担当役員の組織と報酬に関する調査」を実施しました。それによると、調査対象者の65%が「自分の役職が入社5年以内に新たに自社で設置された」と回答し、前年の75%以上と比較して、1年で10%以上減少したことを表しています。こうした変化は、データやテクノロジーに関連する新たなリーダーシップの役割が、さまざまな業界で成熟し、定着しつつあることを示しています。また、急速に進化する技術革新に対して、組織の戦略や実行における重要性が高まっていることを表しています。
このような変化は、最高データ責任者(以下、CDO)の採用が増加し、組織構造に定着していることとも一致しています。前回の記事では、CDOが自身の価値を最大化するために取り組むべき課題について述べましたが、本稿では、組織がCDOを成功に導くための方法について、さらに深く掘り下げて紹介します。
取締役会の強化は、CDOを成功に導くための第一歩です。例えば、生成AIの台頭のような業界の急速な変化に対して、取締役会がさまざまな提案を聞き入れることで、CDOは迅速に対応することが可能になります。
さらに、CDOに対する取締役会の支援は次のような形で具体化されます。
・ビジネス中心のアプローチを促進する:CDOが潜在的なデータや生成AIのユースケースを特定するために、組織全体の幹部と関わることができるオープンな環境を作る。
・迅速な優先順位付けを可能にする:ビジネスへの影響とデータの可用性に基づいたユースケースに対して、CDOが優先順位を付けられるよう柔軟性を与える。
・組織横断型ビジネスへの移行:データと生成AIがビジネス運営の中心的な要素になりつつある中で、データとビジネス機能が個別に働くことはできないため、CDOは部門横断的な協力と統合を推進できるようにする。
一方で、チームの統合が進むにつれて、組織内の明確なレポートラインも重要になっていきます。CDOにとって、明確に定義された役割と責任や、直接的なコミュニケーションラインを持つことは、データ戦略が全体的なビジネス目標と整合性を保ち、新しい環境において相互連携を促進するために不可欠です。
特に日本企業では、データや生成AI関連の事業を担う外国人人材を歓迎する企業が増えています。一方、日本は独自の企業文化や企業理念を重視する市場のため、日本企業に必要とされる暗黙のビジネスマナーに慣れ親しんでいない外国人人材が新しいイニシアチブを発揮する場合は、業務の進行に時間がかかることがあります。そのため、社歴が長く、それぞれのポジションで経験豊富な日本人とペアを組んで業務を進めるケースが多く見られます。