茨大附属小、「tomoLinks」のAI機能で児童が主体的に学べる学習環境を構築
今回は「茨大附属小、「tomoLinks」のAI機能で児童が主体的に学べる学習環境を構築」についてご紹介します。
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茨城大学教育学部附属小学校(茨大附属小)では、学校教育向けソリューション「tomoLinks」の「先生×AIアシスト」サービスを活用し、教育データを基にした個別最適学習を展開している。同サービスを提供するコニカミノルタジャパンが1月30日に発表した。
tomoLinksは、教育データの活用を軸とした「教育データ分析AIサービス」「画像分析AIサービス」「学習支援サービス」で、教員の指導支援と児童・生徒の個別最適かつ主体的な学びをサポートするクラウド型学習支援サービス。
先生×AIアシストは、教育データ分析AIサービスに含まれており、児童・生徒の教育データから一人一人の学力定着度合いをAIが分析し、教員の指導サポートや、個別最適化された学習方法を提案する。「AIドリル機能」と「ダッシュボード機能」を搭載している。
AIドリル機能では、教材メーカー複数社のデジタルドリル約5万問と学習動画など約1万本の動画教材が利用できる。教育データを基に一人一人の学力定着度合いをAIが分析し、個別最適化した問題が「おすすめドリル」として提示され、「かくにんテスト」を受けるとAIが結果を分析し、個々に不足している学習内容を判定する。
ダッシュボード機能は「子ども用」と「先生用」に分かれており、子ども用ダッシュボードでは児童が自身の「学びのきろく」を振り返り、自分の強み/弱みを把握して学習を進める。先生用ダッシュボードでは、クラス全体や個人の学習進捗(しんちょく)、定着度を詳細に把握できる。
茨大附属小では2023年から全学年で先生×AIアシストを活用し、児童が主体的に学びに取り組む環境づくりを行っている。同校は、問題解決能力や批判的思考、創造性、コミュニケーション能力などのスキルを身に付けることを重視している一方で、従来の教師主導の一方通行型授業ではこれらの能力を十分に育成できないことから、「子ども自ら学びをデザインする」授業を追求してきたという。
同校では、先生×AIアシストを児童の「やってみたい」「きっかけづくり」を引き出すツールとして活用し、児童が主体的に学べる環境をつくっている。コメントを寄せた直井裕紀教諭は、「特におすすめドリルを積極的に活用している」という。豊富な教材の中から学年の内容に関係なく一人一人に合った問題が提示されるため、児童は自分の分からない部分に気付いたり、忘れていたことを思い出したりする機会になっているという。また、自分に合った問題を解くことで、学習に追いついてきた感覚を持つことができるとしている。
自主学習を促す仕組みとしては、同サービスに搭載されている「学びの宝箱」機能を活用しているという。同機能は、問題を解くと宝石が付与され、宝石がたまると王冠に変わり、その王冠の数をクラス全体で可視化できるというもの。「クラス全体で王冠がたまったらレクリエーションをする」といった目標を立てることで、自主学習に進んで取り組む児童が大幅に増加したという。
加えて、おすすめドリルの活用は教員の負担軽減にもつながっているという。以前は自主学習用のプリントを準備し、回収してスタンプを押す程度で精いっぱいだったが、おすすめドリルでは自動採点で即座に結果が分かるようになり、不正解の問題には解説動画を提示する。このような個別学習をAIが補うことで教員の負担軽減につながり、一人一人の様子をより丁寧に把握できるようになったとしている。