日本オラクル社長が「AIエージェントは先頭を走っている」と語る根拠とは

今回は「日本オラクル社長が「AIエージェントは先頭を走っている」と語る根拠とは」についてご紹介します。

関連ワード (CIO/経営、松岡功の「今週の明言」等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉を幾つか取り上げ、その意味や背景などを解説している。

 今回は、日本オラクル 取締役 執行役 社長の三澤智光氏と、Google日本法人 代表の奥山真司氏の「明言」を紹介する。

 日本オラクルの三澤氏は、同社が先頃開いた新年のメディア・アナリスト懇親会の挨拶で、このところ話題沸騰のAIエージェントについて上記のように述べ、業務アプリケーションへの適用については同社がリードしていることを強調した。その自信に満ちた“三澤節”が印象的だったので、明言として取り上げた。

 三澤氏はあいさつの中で、業務アプリケーションでのAIエージェントの活用について、次のように話し始めた。

 「オラクルはグローバルで幅広い業務アプリケーションを展開していることから、業務ごとのデータおよびプロセスの内容を大量に保持している。従って、どこにAIエージェントを適用して、どことどこをつなげばステークホルダー同士が有効に会話できるのかといったことを、当社の方であらかじめ最適な形に仕立てて提供することができる」

 また、こんな話も。

 「先日、米国本社のERPの開発責任者から聞いた話によると、ERPの機能を評価する際、これまでは機械言語(ML)を使ってきたが、製品の完成度を高めていく作業に2~3年を要した。しかし、MLとともに生成AIを使えば、同様の作業を1~2週間で終えることができた。これはまさしく、ERPに組み込まれたAIエージェントのインパクトだ。その開発者は業務アプリケーションでのAIエージェントの活用によって、『これからもっとすごいことが起こるだろう』と予見していたが、私もそう実感している」

 その上で、こう続けた。

 「さまざまな業務アプリケーションのそれぞれに適用するAIエージェントをお客さまが自ら作ろうとすると、相当の費用がかかる。そうしたお客さまをご支援できるように、ベンダーの方でそれぞれの業務アプリケーションにAIエージェントを入れ込んで、それをそのまま使っていただく形にすれば、AIエージェントもスムーズに使われていくだろう。オラクルは業務アプリケーションベンダーとしてそうした取り組みで先頭を走っていると自負している。2025年は、多くのお客さまに業務アプリケーションの進化を実感していただける年になると確信している」

 冒頭の発言はこのコメントから抜粋したものだ。なぜ、業務アプリケーションでのAIエージェントの活用において、「オラクルが先頭を走っている」と言えるのか。それは、米国本社(Oracle)が2024年9月に業務アプリケーション群「Oracle Fusion Cloud Applications Suite」内で利用できる50以上の用途別のAIエージェントをいち早く発表したからだ。

 ただ、競合他社も2024年後半からAIエージェントの適用には注力しており、顧客争奪戦が激しくなるのは必至だ。とはいえ、業務アプリケーションをクラウドで使うSaaSの観点で言うと、日本企業での普及率はまだ3割程度とも見られており、オンプレミスからクラウドへ移行する新規顧客を獲得できるチャンスは大いにありそうだ。取り組みとして「先頭を走っている」オラクルの今後の動きに注目していきたい。

COMMENTS


Recommended

TITLE
CATEGORY
DATE
Zoomが考えるAI機能の活用–ZVC JAPAN、「働き方改革サミット」開催
IT関連
2024-01-27 11:44
「Fedora Linux」から「Ultramarine」に移行して使いやすさを高めるには
IT関連
2024-06-14 01:50
月額2万4800円で都内300部屋が使い放題、テレスペが多拠点セカンドハウスサービスを先着1000名に提供
シェアリングエコノミー
2021-06-10 19:17
AIスタートアップSnorkelが目指す、エキスパート主導のAI開発
IT関連
2022-12-31 17:56
嵐とサイバー攻撃で露呈した米エネルギー供給網の脆弱さ
IT関連
2021-05-11 18:04
日立、2022年度通期業績見通しを上方修正–第3四半期は増収
IT関連
2023-02-03 17:21
SpaceXが開発中の新型宇宙船「Starship」初軌道投入試験の7月実施を目指す
宇宙
2021-06-30 22:33
GitLabで学んだ最高の働き方。気持ちよく働くための組織と個人のテクニック(前編)。デブサミ2022
GitLab
2022-03-14 17:24
電子契約サービス「freeeサイン」、クラウドERP「NetSuite」とAPI連携
IT関連
2022-08-02 00:14
NEC、生徒の学びを可視化し教員の学習指導を支援するクラウドサービスを提供
IT関連
2022-09-17 13:25
「TeamViewer Frontline」、「SAP EWM」と統合–倉庫・物流業務の効率や生産性を向上
IT関連
2022-05-17 05:28
初代ゲームボーイでビットコインを採掘する勇者現る、1コインあたり数兆年のマイニング速度
ハードウェア
2021-03-31 08:38
宿泊施設運営のレアル、オペレーション効率化サービスを導入–業務状況を素早く把握
IT関連
2024-06-15 10:37
2021年のクラウドインフラ市場は前年比36%増の約20.5兆円に急拡大
IT関連
2022-02-06 16:49