「常に解約自由」という勘違い–「モノのサブスク」とは?

今回は「「常に解約自由」という勘違い–「モノのサブスク」とは?」についてご紹介します。

関連ワード (モバイル、新潮流Device as a Serviceの世界等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 本連載は、これまでIT部門やDaaS(Device as a Service)の提供事業者に向け、「DaaSとは何か」「DaaSとはどうあるべきか」について解説してきましたが、今回はユーザーも勘違いしがちな「モノのサブスク(サブスクリプション)」について解説します。

 DaaSの基本的な価値は、「常に解約自由」ではありません。むしろ、継続的に利用するからこそ、価値が上がっていくことにあります。しかし、この「常に解約自由」がサブスクリプションだとか、アズ・ア・サービスだとかという誤解をしている人がかなりいます。

 本連載の第3回「サブスクリプションのよくある誤解–レンタルやリースとの違いとは?」で、このように申し上げました。サブスクリプションというビジネスにおいて、重要なのは「継続性」です。リカーリング(Recurring、直訳すると「循環する」の意)と言い換えてもいいでしょう。

 サブスクリプションとは、継続的に顧客との関係の中で儲けるビジネスモデルということに他なりません。中心は継続的な課金となり、その他スポットでお金を頂くこともあります。従量課金ということもあるでしょう。サブスクリプションとリカーリングの違いを、定額がサブスクリプションで、従量課金がリカーリングというような記事を見かけますが、私個人としてはあまりしっくりときません(むしろ、そのような説明の記事が多いことにびっくりしています)。

 サブスクリプションという月額で少しずつお金をいただいていくビジネスは、将来的にはいわゆる「チリツモ」で大きな金額になっていきますが、それは逆にサービス提供開始当初の売り上げはごく小さいものになるということに他なりません。

 よくサブスクリプションをストックビジネスだから、毎月・毎年の受注売り上げに追われることなく、チャリンチャリンと毎月・毎年決まった金額が勝手に入ってくる優雅なビジネスと思い込んでいる方がたまにいますが、とんでもありません。契約を得ても、いつ解約されるか分かりません。

 むしろ、常にアップデートして価値を上げ続け、顧客の満足を得続けて、一定量の契約を獲得して、初めて利益が出るというビジネスモデルがサブスクリプションです。多くのシリコンバレーの成功者を見て、サブスクリプションビジネスというものはとても優雅なのだろうと想像するのかもしれませんが、優雅な白鳥が水面下の見えないところでは必死に水を掻いているようにサブスクリプションビジネスも顧客の声に真剣に声を傾け、常に必死にアップデートし続けて成功するビジネスモデルなのです。

 さて、そのサブスクリプションビジネスですが、本連載のメインテーマであるDaaSもその1つです。同じサブスクリプションビジネスであり、既に世の中で一般的になっているSaaS(Software as a Service)と同じように、常にアップデートし続けていくことで価値を上げ続けることが何よりも重要だということは、本連載で折に触れてまいりました。しかし、クラウドサービスであるSaaSとは違い、モノ(物)があるDaaSでは、デバイスそのもののアップデート(リプレース)はそう頻繁に行えるものではありません。そのため、DaaSにはクラウドサービスや各種サポートサービスがバンドルされ、統合的に価値がアップデートされていくようなサービスとなる必要があります。

 モノを伴うサブスクリプションビジネス(モノのサブスク)は、何もDaaSの専売特許ではありません。そして、DaaSと同じ悩みを抱えています。

サービスとして提供する仕組み--「as a Service」とは ...

昨今注目される「as a Service」とは何でしょうか。SaaSなら「サービスとしてのソフトウェア」、DaaSなら「サービスとしてのデバイス」です。今回は、この「as a Service」をひも解きます。

ヴイエムウェアが新社長会見--日本法人としての ...

ヴイエムウェアの山中直氏が1月18日、同社の代表取締役社長に就任した。同時に、2015年3月から同職に就いていたJon Robertson氏は退任することになる。両者は同日オンライン会見を開催し、これまでの思いと今後について語った。

中文書 - 金石堂

中文書,含括各類書籍網路書局,介紹熱門書籍,暢銷書心得分享,中文書下單快速到貨,更多中文書都在金石堂網路書店。

COMMENTS


Recommended

TITLE
CATEGORY
DATE
異分野のデータ基盤を連携し検索可能にする技術、東大など産学官で開発
IT関連
2022-03-01 19:08
「やりたいビジネスをデジタルでどれだけできるか」が見極められるDX人材を育てよ
IT関連
2021-04-01 00:55
HashiCorp、「HCP Waypoint」でテンプレートとアドオンを発表–新たなビジョンを明らかに
IT関連
2023-10-13 02:58
日本IBM、南都銀行の最新バンキングアプリで開発支援
IT関連
2024-04-04 10:58
パスワードのない世界を目指すTransmit Securityがサイバーセキュリティ史上最大のシリーズAで約601億円調達
セキュリティ
2021-06-24 04:18
ログラス、「Loglass 人員計画」提供–個人名レベルでの精緻な人件費予算策定・予実管理
IT関連
2024-02-08 16:14
「ドラクエ」のゲーム実況、個人の収益化OKに スクエニがガイドライン更新 「変化を前向きにとらえた」
企業・業界動向
2021-01-16 07:36
AI inside、AIモデル開発サービスを強化–少ない画像でも精度の高い学習
IT関連
2022-03-02 01:04
大分県と富士通、移住・ワーケーションの協定締結–従業員の遠隔勤務が可能に
IT関連
2021-03-26 23:09
アマゾン傘下Ringの近隣住民監視アプリ「Neighbors」にバグ、投稿者の位置情報や住所に流出の可能性
セキュリティ
2021-01-18 07:01
生成AIでの開発、イメージ以上に大きい実態とのギャップ
IT関連
2024-08-27 19:53
イチゴを傷つけずに収穫するロボットのTrapticが商業展開を開始
ロボティクス
2021-07-03 12:15
今もなお残るリモートワークに対する勘違い
IT関連
2022-12-16 14:07
日清食品HD、対話型チャットアプリ「NISSIN AI-chat」を開発–アバナードが支援
IT関連
2023-11-17 16:27