会話型AIからプライバシー重視のフェデレーテッドラーニングに拡大するスペインのSherpaが約9.3億円調達

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本記事は、TechCrunch様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。

スペインのビルバオに本社を置くSherpaは、スペイン語話者向けの音声デジタルアシスタントと予測検索を早くから開発していたスタートアップだ。そのSherpaが新たな取り組みのために資金を調達した。新たな取り組みとは、企業を対象とするプライバシーファーストのAIサービスだ。

同社は850万ドル（約9億2800万円）を調達し、創業者でCEOのXabi Uribe-Etxebarria（シャビ・ウリベ – エトシェバリア）氏はこの資金で既存の会話型AIと検索サービスに加え、フェデレーテッドラーニング（連合学習）モデルに基づくプライバシー重視の機械学習プラットフォームを引き続き開発していくと述べた。スペインの保健行政が初期ユーザーとしてSherpaのサービスを利用し、新型コロナウイルス感染症（COVID-19）に関する情報を分析して国内の救急医療機関の需要とキャパシティを予測していた。

今回の資金はApax DigitalマネージングパートナーのMarcelo Gigliani（マルセロ・ギリアーニ）氏、British Airways会長のAlex Cruz（アレックス・クルーズ）氏、スペインの投資会社であるMundi VenturesとEkarpenから調達した。今回はすでに完了していたシリーズAの1500万ドル（約16億3800万円）の追加だ。ということは、Sherpaは現在、さらに大規模なシリーズBも調達中であると考えられる。

会話型AI事業に失速が見えてきた中で、フェデレーテッドラーニングサービスの構築と商用化に方針転換することになった。

Sherpaはスペイン語の音声アシスタントで早い時期に注目を集めた。同社のアシスタントが初めて登場したのは、AppleのSiriやAmazonのAlexaなどが英語圏以外の市場への取り組みをそれほど強力に進めていない時期だった。

同社サービスのユーザー数は2019年時点で500万人を超えた。同社の会話型AIと予測検索サービスを利用している顧客には、スペインのメディア企業のPrisa、Volkswagen、Porsche、Samsungなどがある。

しかしウリベ – エトシェバリア氏は、アシスタント事業は現在も着実に成長してはいるものの難しい事実に直面したと語る。それは英語の音声アシスタント大手は結局スペイン語を追加し、大手が会話型AIへの投資を継続していけばSherpaがこの市場に長くとどまるのは不可能だろうということだ。

同氏は「どこかの企業と大きな取引をするのでない限り、我々がAmazonやAppleなどと闘っていくことはできないでしょう」という。

こうしてSherpaは、自社のAIエンジンを活用する新たな方法を探り始めた。

ウリベ – エトシェバリア氏は、同社の予測検索サービスを生産性向上アプリケーションに拡張するにはどうすればいいかと検討を始めたときにフェデレーテッドプライバシーが浮上したという。

同氏は「完璧なアシスタントはメールを読み、取るべき行動を理解できるでしょう。しかしこの動作に関してはプライバシーの問題があります」と説明する。同氏はある人から、アシスタントにメールの扱い方を「教える」手段の1つとしてフェデレーテッドラーニングを検討するよう助言を受けた。「我々が20人のスタッフを投入すれば、メールを読んで返信するようなものが作れるのではないかと思ったのです」という。

ウリベ – エトシェバリア氏によれば、Sherpaが開発したプラットフォームは予想より出来が良く、メールに優先順位をつけるだけでなくもっと利用できそうだと1年後に判断したという。つまりプライバシーに配慮して機密データから機械学習モデルをトレーニングするエンジンとして製品化し、販売するということだ。

このようなアプローチをしているのはSherpaだけではない。GoogleのTensorFlowもフェデレーテッドラーニングを活用しているし、Fate（Tencentのクラウドコンピューティングセキュリティ専門家が貢献している）や、フェデレーテッドラーニングのオープンソースライブラリであるPySyftも同様だ。

Sherpaは機密保持契約を交わした上でヘルスケアなどの分野でいくつかの企業と連携している。ウリベ – エトシェバリア氏は、近い将来に通信、小売、保険などの分野の顧客を公表する予定だと述べた。

画像クレジット：Jose A. Bernat Bacete / Getty Images

【原文】

Sherpa, a startup from Bilbao, Spain that was an early mover in building a voice-based digital assistant and predictive search for Spanish-speaking audiences, has raised some more funding to double down on a newer focus for the startup: building out privacy-first AI services for enterprise customers.

The company has closed $8.5 million, funding that Xabi Uribe-Etxebarria, Sherpa’s founder and CEO, said it will be using to continue building out a privacy-focused machine learning platform based on a federated learning model alongside its existing conversational AI and search services. Early users of the service have included the Spanish public health services, which were using the platform to analyse information about COVID-19 cases to predict demand and capacity in emergency rooms around the country.

The funding is coming from Marcelo Gigliani, a managing partner at Apax Digital; Alex Cruz, the chairman of British Airways; and Spanish investment firms Mundi Ventures and Ekarpen. The funding is an extension to the $15 million Sherpa has already raised in a Series A. From what I understand, Sherpa is currently also raising a larger Series B.

The turn to building and commercializing federated learning services comes at a time when the conversational AI business found itself stalling.

Sherpa saw some early traction for its Spanish voice assistant, which first emerged at a time when efforts from Apple in the form of Siri, Amazon in the form of Alexa, and others hadn’t really made strong advances to address markets outside of those where English is spoken.

The service passed 5 million users as of 2019 — customers using its conversational AI and predictive search services include the Spanish media company Prisa, Volkswagen, Porsche and Samsung.

But as Uribe-Etxebarria describes it, while that assistant business is still chugging along, he came up against a difficult truth: the biggest players in English voice assistants eventually did add Spanish, and the conversational AI investments they would make over time would make it impossible for Sherpa to keep up in that market longer-term on its own.

“Unless we did a big deal with a company, we wouldn’t be able to compete against Amazon, Apple and others,” he said.

That led the company to start exploring other ways of applying its AI engine.

It came on to federated privacy, Uribe-Etxebarria said, when it started to look at how it might expand its predictive search services into productivity applications.

“A perfect assistant would be able to read emails and know which actions to take, but there are privacy issues around how to make that work,” Uribe-Etxebarria said. Someone suggested to him to look at federated learning as one way to “teach” its assistant to work with email. “We thought, if we put 20 people to work, we could build something to read and respond to emails.”

The platform that Sherpa built, Uribe-Etxebarria said, worked better than they had anticipated, and so a year later, the team decided that it could use it for more than just triaging email: it could be productized and sold to others as an engine for training machine learning models with more sensitive data in a more privacy-compliant way.

It’s not the only company pursuing this approach: TensorFlow from Google also uses federated learning, as does Fate (which includes cloud computing security experts from Tencent contributing to it), and PySyft, a federated learning open-source library.

Sherpa is working with several companies under NDAs in areas like healthcare, and Uribe-Etxebarria said it plans to announce customers in other areas like telecoms, retail and insurance in the near future.

（文：Ingrid Lunden、翻訳：Kaori Koyama）

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