専門家に聞く、企業がAIを使いこなすための4つのヒント

今回は「専門家に聞く、企業がAIを使いこなすための4つのヒント」についてご紹介します。

関連ワード (CIO/経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 人工知能(AI)やその関連技術に対する需要は高く、ビジネスリーダーたちは、躍起になってそれらの技術を試し、自社の可視性、分析、予測の改善にどうすれば役立てられるかを検討している。生成AIは大衆化され、今や誰もが簡単にアクセスできるようになった。しかし、アプリケーション組み込み型のAI、つまりシステムに組み込まれ、ビジネスにすぐにも具体的な価値をもたらすと考えられているタイプのAIは、生成AIほどは身近ではなく、ビジネス側の人々にとってはその技術を把握することも難しい。

 元Meta/FacebookのリサーチデータサイエンティストであるRachel Woods氏による最近のX(旧Twitter)への投稿は、まさにそういう論調で書かれている。同氏は、AIを使ったしっかりとしたビジネスケースが形成されつつある一方で、使い勝手はまだまだだと指摘している。

 「AIにはまだ、使い勝手に大きな問題がある」とWoods氏は述べている。「ほとんどの人はまだ、『ChatGPT』や大規模言語モデル、生成AIなどのツールをどう使うかで格闘している段階だ。誰もが、今まで知られていなかったキラーユースケースを誰かが教えてくれるのを待っている。まだ、多くの人が実用性に疑問を抱いている。読者の興味を引くだけの中身のない記事は多いが、多くの場合、根本的な問題を具体的に指摘しているわけではない。実のところ、これらのツールは『役に立たない』わけではない。ただ、使い勝手に大きな問題があるというだけだ」

 他の専門家も、少なくとも大筋では同様の意見を持っている。Constellation ResearchのプリンシパルアナリストAndy Thurai氏は、「ChatGPTやAI全般が流行した理由は、使いやすく、ビジネスユーザーが非常に簡単な言葉で技術の可能性を探求できるためだ」と指摘している。「特に、生成AIが持つテキストや、コンテンツや、動画や音声を生成する能力は、技術に詳しくないユーザーにAIの可能性を知らしめた」

 その一方で、これまでバイアスや、技術的な制約や、責任問題などのさまざまな理由から非技術者によるAIの利用を制限してきた技術者は、圧倒的な反響とあっと言う間の普及に驚愕することになったとThurai氏は述べている。「このことは、AIの作り手に自信を与えると同時に、AIについて詳しく説明する必要性も薄れさせた」と同氏は言う。

 とはいえ、Vianaiの創業者で最高経営責任者(CEO)のVishal Sikka博士は、AIを深く理解しているのは「比較的少数の人々」だけだと話す。同氏は、その数は世界中で2万人から3万人くらいだと考えている。世界には約100万人のデータサイエンティストがいるが、「そうした人々の多くは、システムがなぜそのような動作をしているのか、なぜそのようなレコメンデーションをするのか、何がうまくいかない可能性があるのか、基礎となる技術がどのように機能しているのかを説明することができない」とSikka氏は言う。

 企業におけるAIのユースケースと生成AIのユースケースには隔たりがあり、ユースケースやアプローチは変える必要がある。「コンテンツを生成するだけでは十分ではない」とThurai氏は指摘した。「企業で利用するAIはビジネス課題を解決する必要がある。責任あるAIでなければならず、倫理的で、説明可能で、監査可能で、オリジナリティーと意思決定の内容に関して法的に正当化できなければならない。これらは単なる使い勝手以上の問題であり、こうした問題が起これば、どのような企業であっても深刻な影響を受ける可能性がある」

COMMENTS


Recommended

TITLE
CATEGORY
DATE
[速報]マイクロソフト「Windows 365 Cloud PC」正式発表。Windowsをクラウドサービスとして月額定額料金で提供、デスクトップ仮想化をベースに
Microsoft
2021-07-15 19:04
「Raspberry Pi 4」を使った「Mastodon」サーバー–立ち上げに必要なものと手順
IT関連
2023-01-19 00:43
グーグル、「Android 12」を発表–UIデザインの大幅刷新など
IT関連
2021-05-19 08:41
日本IBM、医薬品の流通経路や在庫状況を可視化–ブロックチェーン活用したプラットフォームを検証開始
IT関連
2023-03-30 05:10
アシスト、ウェブ分離ソフトのクラウド版「Ericom Shield Cloud」を提供–オンライン会議の保護機能も実装へ
IT関連
2021-06-07 23:33
サイバー犯罪者が生成型AIのコード生成機能を悪用–クラウドストライクが警鐘
IT関連
2024-02-28 01:10
QRコードで成功した杭州市の取り組みあれこれ
IT関連
2021-03-16 17:42
【コラム】都市のモビリティを改革する可能性を秘めたコンピュータービジョンソフトウェア
ソフトウェア
2021-04-06 14:20
シスコ、Acaciaの買収提示額引き上げで合意–約45億ドル
IT関連
2021-01-15 05:46
情報システム部門の人員方針や役割に変化–IIJ調査
IT関連
2023-11-11 12:55
ServiceNow、「Now Platform」最新版「Washington, D.C.」リリース
IT関連
2024-03-26 11:50
NTTSportictがアマチュアスポーツの自動撮影・自動配信が可能な「Stadium Tube Lite」を発表
人工知能・AI
2021-06-19 05:14
500円・約15分間の収録で自分の声によるAI音声合成を可能にする「CoeFont CLOUD」が先行公開を開始
ネットサービス
2021-07-20 06:44
「シドニアの騎士」「賭ケグルイ」「100日間生きたワニ」も 緊急事態宣言延長で映画の公開延期相次ぐ
くらテク
2021-05-11 08:10