カキの養殖・技術DXなどを手がけるリブルが総額1億円調達、養殖技術の強化拡大を目指す
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牡蠣(カキ)の人工種苗生産・販売から養殖・販売・スマート漁業化まで牡蠣関連事業に取り組むリブルは2月1日、第三者割当増資により総額1億円の資金調達を実施したことを発表した。引受先は食の未来1号投資事業有限責任組合、SBプレイヤーズ、地域とトモニ1号投資事業有限責任組合、Less is design、瀬戸内Startups 1号投資事業有限責任組合、オプティマ・ベンチャーズ。
調達した資金は、水産業界においてニーズが高まっているという三倍体種苗の生産・供給能力の拡大と、養殖技術の見える化や生産作業の省力化・効率化(水産DX、スマート漁業、スマート養殖)、他地域漁場への技術展開にあてる。三倍体種苗とは、生き物が通常2組持つ染色体を3組持つ「産卵しない」牡蠣という。卵を作らないため身痩せすることがなく、通年で出荷することが可能。種なしブドウや種なしスイカが代表例とされる。
2019年よりリブルは、自社漁場においてシングルシード生産方式の実装可能性を模索し、新たな養殖技術の見える化に取り組んできた。シングルシード方式とは、ホタテの貝殻に密集した状態で付着した牡蠣を筏から吊り下げる従来型の養殖手法ではなく、牡蠣をかごに入れて1粒1粒バラバラの状態で養殖をする手法という。付着物が付きにくく、殻が綺麗に形成される。
従来の牡蠣養殖の手法では、天然採苗と養殖育成の過程で資材として使われるプラスチック部材の大量消費・流出が課題となっており、同社では、シングルシード生産方式への切り替えを通じて、経済性向上に加え、環境負荷を軽減した手法を全国に広める取り組みを展開している。これにより、SDGs(持続可能な開発目標)の実現に向けて、「海の豊かさを守る」取り組みを続けていくとしている。
また、牡蠣養殖の要となる「種苗」において、天然種苗からのマーケットシフトに備え、研究開発を繰り返し、国内トップ水準を自負できる人工種苗の技術力を築いてきたという。今後、シングルシード生産方式におけるスマート養殖技術の他地域展開、高品質な三倍体種苗の供給の強化・拡大を展開していくため、資金調達を実施した。
2018年5月設立のリブルは、牡蠣養殖から日本の水産業の改革に取り組む水産領域スタートアップ。自社漁場を所有し養殖に取り組み養殖事業者目線でのニーズを熟知しているほか、種苗生産から成品生産販売・スマート漁業化まで一気通貫で取り組んでいる。日本の水産業に今一度誇りを取り戻すとともに、「世界一おもしろい水産業へ」をコンセプトにチャレンジを続けている。