AWS、コードレビュー自動化の「CodeGuru Reviewer」に新機能–Log4Shellに類似した脆弱性検出

今回は「AWS、コードレビュー自動化の「CodeGuru Reviewer」に新機能–Log4Shellに類似した脆弱性検出」についてご紹介します。

関連ワード (ソフトウェア等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 Amazon Web Services(AWS)は米国時間2月15日、コードレビューツール「Amazon CodeGuru Reviewer」の「ディテクター」(検出機能)をアップデートし、「Log4Shell」のようなログインジェクション脆弱性を発見できるようにしたと発表した。Log4Shellは、広く普及しているJavaのログ出力ライブラリー「Apache Log4j」の脆弱性で、12月に明らかにされた。

 AWSはCodeGuru Reviewerに2つの新機能を追加した。CodeGuru Reviewは、機械学習(ML)を活用してコードレビューを自動化し、脆弱性の有無を精査したり、セキュリティ脆弱性に対処するための改善策を提示したりするツールだ。開発者がコード開発で採用しているCI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)プロセスというコンテキストで、コードレビューの質を向上できる。例えば、開発者はGitHubやBitbucketにコードをコミットした後、コードレビュアーとしてCodeGuru Reviewerを追加できる。

 新機能で、このツールのセキュリティチェック機能が強化される。同社は2021年に「Amazon CodeGuru Reviewer Secrets Detector」を追加した。JavaやPythonのアプリケーションのソースコードや設定ファイルに、パスワードや、APIのアクセス鍵といった慎重な扱いを要する機密データがハードコーディングされているかどうかをチェックするものだ。

 今回導入された新機能は、CodeGuru Reviewerが問題の可能性を見つける際に利用するディテクターの詳細を説明する新しい「Detector Library」と、Apache Log4jの脆弱性で起こったことと同じような、ログインジェクションの脆弱性をJavaとPythonのコードで検出するための新しいディテクターだ。

 Detector Libraryには、JavaやPythonでよく見られるさまざまな脆弱性を検出するためのディテクター群が含まれている。Javaのディテクターには、Javaコード中の「認証されていないLDAPリクエスト」などがある。また、このライブラリーで、CodeGuru Reviewerのセキュリティおよびコード品質のディテクターに関する詳細な情報を把握できる。例えば、セキュリティのそれぞれの懸念に関する詳細や、アプリケーションへの影響や深刻度、リスクを緩和するための追加情報などだ。非準拠コードと準拠コードの例もある。

 CodeGuru Reviewerは問題となりそうなものを識別する上で「MLと自動推論を使用している」ため、それぞれのディテクターはその解説ページの例で示されている例のほか、さまざまな問題を検出できるとAWSは説明している。

 また、AWSはLog4Shellの問題を受け、「サニタイズされておらず、実行できる可能性のある」データを開発者がログ出力していないかどうかを調査する新たなディテクターをCodeGuru Reviewerに導入した。

 AWSは、このディテクターがそういったコードを発見した場合、「ユーザーが提供する入力は、ログ出力に先立ってサニタイズする必要がある」とし、「攻撃者はサニタイズされない入力を用いて、ログの整合性を破綻させたり、ログのエントリーをねつ造したり、ログの監視をバイパスしたりできるようになる」と説明している。

 「これらのディテクターはJavaとPythonのコードで動く。JavaではLog4jライブラリーに限られない。これらは使用しているライブラリーのバージョンを読み込んで動作するのではなく、実際にログを出力している部分をチェックして動作する。このようにして、将来的に類似の脆弱性が発生した際に保護できる」(AWS)

 新機能は、CodeGuru Reviewerが提供されている米国、欧州、アジア太平洋などの一部のAWSリージョンで利用可能になっている。Detector Libraryはドキュメンテーションの一部として無料で閲覧できる。ログインジェクションを見つける新しいディテクターには、標準的な価格が適用される。CodeGuruの価格に関するページで詳細を確認できる。

COMMENTS


Recommended

TITLE
CATEGORY
DATE
チーム内とチーム間での作業を自動化して進めるAsanaの新ワークフローツール群「Asana Flow」
IT関連
2022-02-17 17:05
オンライン完結型ファクタリングを提供するOLTAが愛媛銀行・北日本銀行とそれぞれ共同事業を開始
フィンテック
2021-08-19 00:01
パナソニックAS、自動車向けサイバーセキュリティソリューション強化–開発者不足解消にも
IT関連
2024-10-26 06:04
Apple、WindowsユーザーのためのChrome拡張機能「iCloudパスワード」公開
アプリ・Web
2021-02-02 03:50
IoTスタートアップobnizの通信ゲートウェイが東京都のコロナ自宅療養者向けパルスオキシメーター監視システムに採用
IT関連
2022-02-08 03:07
MozillaがAIでWebサイトを自動制作してくれる「Solo」を公開。基本的な情報を基に、説明文からレイアウト、適切なフリー画像の選択までおまかせ
HTML/CSS
2023-12-20 06:15
Discord、6周年でマネタイズ機能や新ロゴを発表
アプリ・Web
2021-05-15 10:58
「NativePHP」、PHPでデスクトップアプリを開発できるフレームワークが登場
HTML/CSS
2023-08-07 16:02
日本株に今「強気」の理由–プロが実践、売り買いの3原則
IT関連
2021-04-07 19:33
NYダウ最高値! 弱い雇用統計を「好感」–日経平均も押し目買いで上昇
IT関連
2021-05-10 15:31
オフィス縮小の流れで国内WANサービスの成長率鈍化か–IDC Japan
IT関連
2021-04-27 03:04
生成AIアプリの利用トレンドと上位ランキング–首位は「ChatGPT」
IT関連
2024-08-27 14:29
開発者会議「Google I/O」、米国時間5月14日に開催へ
IT関連
2024-03-16 11:46
主要なSaaSをまとめて抽象化し、SQLでデータを取得可能にするクラウドサービス「CData Connect」[PR]
CData
2022-05-23 03:31