小売業者と購買客で満足度に差–ECサイトとの融合進むも実店舗の運営が複雑化
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ゼブラ・テクノロジーズ・ジャパンは2月24日、第14回「小売業界のテクノロジー改革に関するグローバル調査」結果を発表した。小売業界幹部や従業員、消費者5110人を対象に聞き取りで調査した。
ECサイトの注文処理に対して、55%の小売業者は信頼を置いているが、小売業者を信頼する消費者は38%にとどまった。
同社社長 古川正知氏は「8割の経営陣は(自社サービスに)自信を持っているが、消費者側は5~6割。2割程度のギャップが存在する。テクノロジーを活用して認識のギャップを埋めることが急務だ」と、小売業者と消費者の間にある溝はゼブラ製品で埋められると述べた。
調査は2021年6~7月の1カ月間、北米、中南米、日本を含むアジア太平洋、欧州、中東の計5110人を対象に聞き取りを行い、小売業と消費者の意識を調べた。
品切れを起こした払底商品の注文機能は経営陣が81%、従業員は71%、消費者は51%が満足と回答。返品・交換過程については84%(経営陣)、79%(従業員)、65%(消費者)、実店舗など物理的な場所での返品・交換対応は82%(経営陣)、76%(従業員)、58%(消費者)、購買商品の受け取り(受け渡し)も82%(経営陣)、79%(従業員)、62%(消費者)という結果からも分かる通り、提供側と消費者の満足度に大きな開きが生じている。
配送タイミングは80%(経営陣)、74%(従業員)、69%(消費者)と11ポイントもしくは5ポイント差に収まっているが、オンラインショッピングのラストワンマイルとなる配送業者の対応や品質が重要だと認識していない経営陣が多い。なお、従業員が商品検索時にモバイルデバイスの活用を重視する割合は83%(経営陣)、74%(従業員)、59%(消費者)だった。
ゼブラ・テクノロジーズ・ジャパンによれば消費者の3分の2は、数カ月中に実店舗での購買意向を示しているが、店舗滞在時間を短縮したいと回答した割合は73%、65%が他者との接触を避けたいと回答した。店舗のコロナ対策に対する信頼度も低下し、コロナ禍が小売業に大きな影を落としていることが明らかになっている。
他方でEC需要は大きく高まり、昨今は国内製品を海外に出荷する「越境EC」も大きな注目を集めてきた。69%の消費者は実店舗とECサイトの融合を希望し、購買時も店舗従業員ではなく自身のスマートフォンで情報収集する割合は58%に上った。
69%の消費者は実店舗を構えるオンライン小売業者での購買を望み、オンラインで購入して実店舗で受け取る「Buy Online Pick-up In Store(BOPIS)」、ドライブスルー形式で注文商品を店舗から受け取る「カーブサイドピックアップ」、他店舗からの配送や店舗からの当日配送など「店舗オペレーションの複雑さに拍車をかけている」(古川氏)