AWS、5年間で日本のクラウドインフラに2.26兆円の投資–クラウドサービスの顧客需要に対応

今回は「AWS、5年間で日本のクラウドインフラに2.26兆円の投資–クラウドサービスの顧客需要に対応」についてご紹介します。

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 アマゾン ウェブ サービス ジャパン(AWSジャパン)は1月19日、日本への投資計画と今後の方針に関する説明会を開催した。代表執行役員社長の長崎忠雄氏は、「Amazon Web Services(AWS)は、2027年までに東京と大阪のクラウドインフラに2兆2600億円を投資する予定だ」と発表した。これに併せて「AWSが日本にもたらす経済効果に関するレポート」も公開している。

 AWSは2011年から2022年にかけて、東京/大阪リージョンに対して1兆5100億円投資し、これにより1兆4600億円の国内総生産(GDP)効果をもたらしている。また、この投資によって年間平均7100人以上の雇用創出をしたとしている。

 レポートによると、2023年から2027年までの投資としては東京/大阪リージョンに2兆2600億円の計画投資を行い、これによって5兆5700億円のGDP効果をもたらすという。また、年間平均3万500人以上の雇用の創出が期待できるとしている。

 同氏は「各地域に継続的に投資をしていくことで、その地域別に測定、実証可能な経済成長をもたらしたい」といい、次いでAWSの日本への投資拡大による日本経済への影響を説明した。

 「顧客はデータを国外に持ち出さず、日本で利用できる。それだけでなく、国内での利用により非常に低遅延でクラウドサービスを利用できる。さらに、日本における雇用の確保、あるいはクラウドに関する教育、AIなどの先端技術の活用。そして地域コミュニティーの支援、再生可能エネルギーの開発・導入といった形で、われわれは日本に対する大きな役割を担っている」

 東京/大阪リージョンへの2兆2600億円の投資の詳細については、データセンター自体の建設サーバー類やデータセンター間をつなぐネットワーク機器との接続関連といった設備投資、また長期的に発生するデータセンターの運用費用や機器メンテナンスの保守費用などが含まれるという。

 AWSのインフラ投資がどのような経済効果を及ぼすのかを示すGDP効果では、例えば、データセンターなどの建設に必要なコンクリートの製造や運搬、あるいは原料となるセメント、モルタルの製造・運搬、ほかにもサプライチェーン上でもプラスの影響を及ぼすとしている。これによって、2011年から2027年の通算16年間で7兆3000億円の推定経済効果を想定しているという。

 これ以外では、スタートアップや中小企業を含む企業のDX支援や地域社会の発展、再生可能エネルギープロジェクトの加速といった経済効果を創出できるのではないかと期待を明らかにした。

 AWSジャパンは、「データを活用した経営革新」「機械学習(ML)、生成AIの活用」「デジタル人材育成」の3つを軸に日本における取り組みを進めていく。生成AIについて同氏は「これらのテクノロジーの進化やAIの広がり、利用拡大によってデジタル人材の育成を必要としている国が多くある」と話す。

 日本市場では、2017年から2023年までの7年間で60万人を超える人材に対してクラウドスキルトレーニングを提供し、日本の人材育成の底上げという観点でも支援している。同氏は説明会の中で「AWSとして、私自身の思いとしても、毎年申し上げてきた人材への投資。デジタル人材の投資の必要性を改めて強調したい」と意気込む。

 官民全てにおいてクラウドや生成AIを活用して成長を実現するためには、人への投資を加速させる必要があるという。特にクラウドファーストという国の方針が追い風となり、全てのセグメントでクラウドの活用が急速に進み、クラウドに関するスキルが非常に重要になる。

 説明会には、初代デジタル大臣で自民党デジタル社会推進本部長の平井卓也氏が登壇。同氏は、日本政府が掲げる「クラウド・バイ・デフォルト」の方針を決めた一人だ。同氏は「この方針が正しかったと思ったのは、ロシアのウクライナ侵攻だった」と話す。

 ウクライナでは、ロシア軍が侵攻する1週間前に政府と民間企業のデータをクラウドに移行。その際、AWSがAWSクラウドにウクライナが保持するデータを確保、保存し、クラウドへの移行を行った。クラウド移行は戦争に限らず、災害時の事業継続計画(BCP)にも当てはまることだと説明した。

 同氏は「今、日本では道路や水源地、鉄道などのほかにネットワークとデータセンターが最重要インフラになっている」という。能登半島の地震においてAWSは、被災地での安全な生活環境の確保と復興に向けた支援を進めている。

 Amazonでは、日本国内にある災害支援物資の保管拠点「Disaster Relief Hub」を地震発生から数時間以内に稼働。国際的な支援団体や地元支援団体と調整しながら活動に必要な毛布や飲料、食料、衛生用品など3万点以上を被災地に届けた。

 一方、AWSは1月2日に災害対策チームを立ち上げ、必要な技術支援やAWSのクレジットを提供する体制を整えた。これに対して平井氏は「AWSには物資輸送などで貢献いただき心から感謝をしている」と述べた。

 しかし、「能登半島地震ではネットワークを使ったリカバリーができているとは言えない」と指摘。通信の分断が起きてしまい、災害時のサービス提供や情報共有を進めていくためにはさらなる見直しが必要だとした。

 この状況を鑑みて、平井氏は「クラウドサービスは、バックアップは当然のこと、対サイバー攻撃に対しても強靱(きょうじん)でなければいけない。クラウド事業者には常に投資をしていただき、最先端のセキュリティを備えてほしい」と強調した。

 また、社会実装されつつあるAIに対しても「安全なクラウド環境やネットワークがなければAIは動かない。そういう意味で、AWSの長期的な投資を大歓迎する。ドイツにGDPが抜かれてしまうかもしれないと言われる中で、明らかなのはデジタル分野での伸びしろは日本にはまだあるということ。これに合わせて日本の政策が進めば、このデフレ感覚から脱却して日本がもう一度成長軌道に乗るのではないかと考えている」と、AWSの日本への投資に対して期待をあらわにした。

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