マセラティが同社初の電気自動車「グレカーレ」を発表、発売は2023年
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イタリアの高級車ブランドであるMaserati（マセラティ）は、同社初となるオール電動車のプロトタイプを、現地時間3月22日に発表した。この「Grecale（グレカーレ）」と呼ばれる中型クロスオーバー車は、2030年までに完全に電気自動車へ移行するという同社の計画の第一歩となる。
グレカーレは、ガソリンエンジン車と電気自動車の両方が発売される。エンジン車は2022年後半に発売、そしてマセラティの新しい電気自動車ラインナップであることを表す「Folgore（フォルゴーレ、イタリア語で『雷光』という意味）」の名称が与えられたバッテリー駆動EVの方は、2023年に市場に投入される予定だ。
この二本立ての戦略により、マセラティは強力な内燃機関に対するこれまでの高い評価を維持し続けることが可能になる。グレカーレの最上級仕様「Trofeo（トロフェオ）」は、マセラティのスーパースポーツカー「MC20」用エンジンをベースにした最高出力530馬力のV6ツインターボ・ガソリンエンジンを搭載する。なお、そのMC20にも近々バッテリー駆動の電気自動車バージョンが追加されることになっている。
グレカーレ・フォルゴーレは、マセラティが全電気自動車ブランドとなることを目指すロードマップの中間地点として、2025年までに発売を計画している6車種のEVの中で最初のモデルである。
マセラティのフォルゴーレ・ラインナップは、2023年にまずグレカーレのEVバージョンがデビューし、続いて2ドアクーペ「Granturismo（グラントゥーリズモ）」とコンバーティブル「Grancabrio（グランカブリオ）」の電気自動車が登場する。そして2025年までにMC20のEVバージョンが加わり（コンバーティブルも追加される予定）、さらに次世代型にモデルチェンジする4ドアセダン「Quattroporte（クアトロポルテ）」とSUV「Levante（レヴァンテ）」も電気自動車となる予定だ。
地中海の風にちなんで名づけられたグレカーレは、この自動車メーカーにとって2台目のユーティリティビークルとなる。2017年にデビューした大型SUVのレヴァンテは、同ブランドの売上の60％を占めている。グレカーレは、高級SUVと電気自動車の両方に対する消費者の需要の高まりに応えられるため、同ブランドのトップセラーになることが期待されている。
マセラティは、グレカーレ・フォルゴーレの価格や推定航続距離の数値を公表していない。だが、この新型車に関するいくつかの特徴を明らかにした。車内には12.3インチのタッチスクリーンと8.8インチのディスプレイを装備し、14または21スピーカーのSonus faber（ソナス・ファベール）製サウンド・システムが（グレードによって）搭載されるとのこと。また、同社によれば「セグメントトップレベル」のキャビンスペースとカーゴスペースを備えているという。
先に、マセラティのDavide Grasso（ダビデ・グラッソ）CEOは、電気モーターの音のチューニングに1年半以上を費やしていると語った。
「マセラティ・サウンドは、常にブランドと製品を定義する非常に重要な要素です」と、グラッソ氏は語り「要求されるものが多いプロセスですが、実際に私はその成果にとても興奮しています」と続けた。
マセラティの親会社で、Fiat-Chrysler（フィアット・クライスラー）とPSA Group（PSAグループ）の合弁会社であるStellantis（ステランティス）は、2030年までに世界で500万台のEVを販売するという目標を掲げている。このイタリアの自動車メーカーがバッテリー技術に注力するのはそのためだ。ステランティスは、米国で販売する車両の半分をEVに移行させ、欧州では完全な電気自動車メーカーになるという目標を達成するために、75車種を超えるバッテリー電気自動車の販売を計画している。
画像クレジット：Stellantis
【原文】
Maserati unveiled Tuesday a prototype of its first all-electric vehicle, a midsized crossover called the Grecale that marks the next step in its plan to go fully electric by 2030.
The Grecale is slated to debut in two flavors: gas and electric. Gas-engine versions will arrive later this year, while the battery-electric model from Maserati’s new electrified Folgore (“Thunderbolt”) lineup will arrive in 2023.
The dual-pronged strategy allows Maserati to continue delivering on its reputation for beefy internal combustion engines – the Grecale’s top trim carries the same 523-horsepower twin-turbo V6 engine from the Maserati MC20 sports car – while transitioning to battery technology.
The Grecale Folgore will be the first of six EVs Maserati plans to deliver by 2025, a waypoint on the automaker’s road map to becoming an all-electric brand.
Maserati’s Folgore portfolio will launch with the debut of the all-electric Grecale and Granturismo and Grancabrio GTs in 2023. Battery-electric versions of its MC20 Spyder, Levante SUV and Quattroporte sedan will follow by 2025.
Named after a Greek wind, Grecale will become the second utility vehicle in the automaker’s portfolio. The larger Levante SUV, which first debuted in 2017, accounts for 60% of the brand’s sales. The Grecale is expected to be a top seller for the brand because it taps into growing consumer demand for both luxury SUVs and electric vehicles.
Maserati didn’t provide pricing or estimated range for the Grecale EV. However, the company did reveal details on some of the upcoming vehicle’s features, including that it will come with a Sonus faber sound system along with a 21-speaker option, a 12.3-inch touchscreen, an 8.8-inch display for additional controls, and what the automaker describes as “segment-leading” cabin and cargo space.
Last week, Maserati CEO Davide Grasso said the automaker has spent more than 18 months tuning the sound of its electric motors.
“The Maserati sound has always been a very critical element defining the brand and the product,” Grasso said. “It’s been a demanding process, and I’m actually really excited about the results.”
The Italian automaker’s focus on battery technology comes as its Stellantis parent company, a joint venture between Fiat-Chrysler and PSA Group, targets sales of 5 million EVs globally by 2030. The company plans to sell more than 75 battery-electric models to meet its goal of deriving half of its U.S. sales from EVs and becoming a fully electric brand in Europe.
（文：Jaclyn Trop、翻訳：Hirokazu Kusakabe）