奮闘するウクライナのIT産業、戦禍でも事業を継続
今回は「奮闘するウクライナのIT産業、戦禍でも事業を継続」についてご紹介します。
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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
ウクライナ経済はロシアの侵攻によって深刻な打撃を受けており、2022年の経済規模は最大35%縮小するという試算もある。そうした中、同国の多くのITスタートアップは、事業を継続するために奮闘している。
これは簡単なことではない。ウクライナ国内で特に激しい砲撃を受けたハルキウ出身で、30歳のOleksandar Shubin氏は、戦争が始まってから9カ月間、自身が経営するスタートアップの運営を続けてきた。
ソフトウェア開発会社SDAの創業者であり最高経営責任者(CEO)の同氏は、米ZDNetに対し、「戦争の初期は、従業員とその家族の安全を最大限に確保する必要があったため、業務のペースがかなり落ちた」と語った。
「一部の従業員は避難を余儀なくされたが、危険な地域に残った従業員もいる。いずれにせよ私たちは、業務を止めることはなかった。仲間の中には、地下室や避難所で仕事を続けている人さえいる」と同氏は言う。
ロシアはこの数週間、ウクライナの重要インフラを攻撃しており、同国のIT企業にとっては新たな課題となっている。
「当社の従業員が今抱えている最大の問題は、大規模停電が起きたときにどうやって業務を続けるかだ」と同氏は言う。従業員が12都市以上に分散しているため、すべての従業員にインターネット接続と発電機を提供することは難しいという。
「私たちは現在、オフィスやコワーキングスペースを共有しようと、さまざまなIT企業と連絡を取り合い、調整しようとしている」と同氏は説明する。
同国のほとんどのスタートアップにとってロシアの侵攻は不意打ちだったが、事業継続計画を用意していた企業もあった。
AIを使った画像処理プラットフォームを手掛けるウクライナのスタートアップLet’s Enhanceもその1社だ。
現在は米国に居住している同社の共同創業者でCEOのSofiia Shvets氏は、「私たちは特別緊急支援グループを作り、そこであらゆる選択肢を議論して、戦争が起きた場合に備えて計画を立てていた。2月21日にプーチン大統領が演説を行うと、ウクライナでは警戒を呼びかける声が聞こえ始めた。一部の従業員には避難するだけの時間があったが、その時間がない従業員もいた。中には、休暇でスノーボードやスキージャケットを携えて国外に滞在していた者もいた」と語った。