コンサルティングとエンジニアリングの“二刀流”が強み–ウルシステムズの横山新社長
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ウルシステムズは、5月25日に開催の定時株主総会と取締役会で同日付の新役員人事を正式決定した。経営の強化を目的に代表取締役を2人体制とし、代表取締役社長には取締役の横山芳成氏が就任した。創業者で代表取締役社長の漆原茂氏は、代表取締会長として経営と先端技術開発、新規事業開発、対外関係を担当する。
漆原氏は、同社について「現場のDNAが強い組織」といい、横山氏はそのDNAを「最も色濃く持っている」と評する。同社は2000年の創業時から“戦略的ITコンサルティング”を掲げ、テクノロジーを活用したビジネスの強化を支援している。2022年5月末時点での従業員は365人。2021年3月期の売上高は連結で71億9133万円、経常利益は14億1966万円と好調だ。
デジタル技術を活用したビジネス変革、いわゆるデジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組む企業が増加している昨今、テクノロジーの知見を備えつつ、企画から実行まで支援する専門家のニーズが顕在化しており、主要顧客企業に加えて、新規顧客からの引き合いも拡大しているという。
「ビジネス面で真に価値のあるものを提供しないといけない。エンタープライズでの効率化やビジネスを伸ばす“攻め”のIT活用を20年来やってきた」と横山氏は強調する。
ウルシステムズの強みは、完全中立の立場で特定の製品や技術に依存せず、技術動向に俊敏に対応できる足腰の強さにあるという。従業員はエンジニア経験者が大半を占め、システム開発会社でリーダーやマネージャーとして活躍した経歴を持つ者も多い。同社では、一人の人間がコンサルティングとエンジニアリングを提供する“二刀流”体制を採っている。そうした人材が、クライアント企業の立場でプロジェクトに参加し、企画から実行までDXを一貫して支援する。
今回の体制変更について、漆原氏は「次の経営体制に踏み出す準備が整った。若い経営陣に自信を持って任せられるし、しっかりやれるチームだと確信している」と打ち明ける。また、「横山は技術が分かって、経営もできる人間。そういう人はなかなかいない。ウルシステムズは技術者が経営していかないといけない。横山はそのモデルケース」と信頼を寄せる。
「例えば、プロジェクトが行き詰まったり、困った問題が発生したりした時に、(横山氏は)判断がぶれない。究極の決断を迫られた際に、ウルシステムズとしてこうあるべきという価値基準が自分と一致している」(漆原氏)
横山氏は、2005年10月にウルシステムズに入社し、ITグランドデザインやプログラムマネジメント、プロセスデザイン、先端テクノロジー活用などのプロジェクトを歴任。直近はテクノロジーサービス部門を統括する傍ら、DX関連サービスの立ち上げを支援しているという。同氏は「入社17年の現場のたたき上げ」と自らを振り返る。
横山氏は新社長としての意気込みについて、「漆原は社内での影響力が絶大で、正しいことを正しくやる、顧客に迎合しない強さを持っている。そうした経営者の後任として、きっちりやっていかないといけないという覚悟を持っている。まずは、社長が変わったという意識を浸透させないといけない。草の根的に社内コミュニケーションを密にしていき、代替わりしたことの意味や効果、“横山体制”を認識してもらえればと思う」と語る。
一方、漆原氏は今後もULSグループの代表取締役社長として、グループ全体のかじ取りを担うほか、技術者として最先端のテクノロジーを世間に広めたり、IT業界に対して直接貢献したりしたいとの考えを示した。