「Excelのバケツリレー」から脱却する計画業務のDX
今回は「「Excelのバケツリレー」から脱却する計画業務のDX」についてご紹介します。
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Anaplanジャパンは7月22日、インフレ環境における企業の計画業務・経営管理のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進について、報道機関向けに説明会を開催した。
Anaplanは、企業が作成する予算計画や営業計画、需要計画、人員計画など、さまざまな計画の立案と立案後の実行段階での実績管理や分析を支援するSaaS企業。米国サンフランシスコに本社を置き、日本法人は2016年に設立。Anaplanジャパン 社長執行役員の中田淳氏は「計画業務のPDCA(計画、実行、確認、行動)サイクルを迅速に回すためのプラットフォーム」と説明する。
同社は、世界57カ国に2000社超の顧客を抱え、2022年度通期の売り上げは5億9200万ドル。パートナー数は200社超、売上高成長率は前年度対比で32%という。日本の導入顧客数は約200社で、直近では日産自動車やセブン&アイ・ホールディングス、三菱地所の導入が発表されている。
中田氏は、昨今の急速なインフレは多くの企業の業績に影響を及ぼしていると指摘する。例えば、国内素材メーカーでは燃料高騰により数百億円レベルで収益に影響が出ている。また、国内半導体メーカーでは調達部材の価格上昇によってサプライチェーンや調達計画の変更を余儀なくされ、国内金融機関では海外拠点の人件費上昇と円安の影響で人件費予算を圧迫しているという。
消費者も同様で、インフレによって購買行動に変化が生じている。例えば、セールや特売日を狙って物を買う、安価なブランド品に切り替える、購入する量を減らすといった具合だ。「消費者の買い控え傾向が強まっているという報道も目立つようになった」と中田氏は話す。
そうした中で重要なのが「需要と供給側の変化をつなぐこと」であり、「需要と供給の間にある計画業務をうまく仲立ちさせることで、為替変動や物価高騰によりうまく立ち回るためのお手伝いができないかと考えている」(同氏)
中田氏は、そもそも計画業務の目的について、「将来のある特定の時期における見通しを立てること」だといい、言い換えれば「将来を予測すること」だと説明する。企業でどんな計画業務があるかといえば、年度末の売上見込みや新年度の採用予定数、月末の経費見込み、今週の在庫見通しなどがそれに当たる。
一方で、計画業務はDXが難しい領域である。「社内のシステムのどこを探しても将来の見通しに関するデータはなく、また、どこまで行っても人の経験や読み、気持ちなどの意思が介在する。そうした情報を手探りで収集・集計して、「調整」を繰り返すのが計画業務であり、属人化やサイロ化、ブラックボックス化が課題となっている。単純作業ではないのでRPA(ロボティクスプロセスオートメーション)化も難しく、生産性の低い業務を代表するDXの劣等生である」(中田氏)
実際、多くの企業の計画業務では、Excelに代表される表計算ツールを使って手作業で収集・集計しているという。「手間や時間がかかり、しかも不正確な状態であり、これを“Excelのバケツリレー”と呼んでいる」(同氏)