IT部門が顧客体験にも口を出すべき時が来た
今回は「IT部門が顧客体験にも口を出すべき時が来た」についてご紹介します。
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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
今や、アプリやウェブサイトを介してサービスや商品を提供していない企業や、デジタルツールを使っていない企業はほとんど存在しない。そのようなデジタル化が進んだ市場で本当に差別化するには、やって当然のこと以上のことをやり、顧客を満足させる以外の方法はない。それには、モノやサービスの価格や品質だけでなく、それに付随する体験も重要になってくる。そのため最近では、優れた顧客体験の提供が非常に重視されるようになった。これは、ITのプロフェッショナルやマネージャーがこの問題の最前線に立ち、直接エンドユーザーと向き合うべきときがやってきたことを意味している。今こそ、技術者が顧客体験について知見を生かすべきときだ。
RackSpaceが2021年に1400人のビジネスリーダーを対象として実施した調査では、ITセキュリティ/コンプライアンス、IT戦略、デジタルトランスフォーメーションなどの項目を押さえて、顧客体験が戦略的優先事項のトップに挙がった。また、テクノロジーが企業の戦略に多くの間接的な影響を与えていることも明らかになった。例えば、マネージャーの10人に6人(63%)は、効率向上のために自動化技術を利用しており、半数以上(51%)はIoTやクラウドネイティブアプリケーションなどの先進的な技術を活用している。直接的な影響もあり、リアルタイムデータ分析(44%)や顧客エンゲージメント(30%)などの技術的な取り組みは、顧客とのコミュニケーションの構築や改善により直接的に影響を及ぼしている。
では、ITのプロフェッショナルは、顧客体験に関する取り組みにどのように関与すべきなのだろうか。筆者は、この問題についてIT分野のリーダーに意見を聞いてきたが、その多くが、ITチームは顧客の前に出るべきだという意見に賛同している。OvalEdgeの最高経営責任者(CEO)Sharad Varshney氏は、ITプロフェッショナルが「データをマーケティング部門や、営業部門や、その他の顧客に接する機会がある部門と共有できれば、顧客体験を改善するために変えるべき点や開発内容を特定することが容易になる」と述べている。
またNewStoreのエンジニアリング担当ディレクターであるKia Khosrojerdi氏は、「あらゆるものを顧客体験の改善に投入すべきであり、私たちのチームは、さまざまなタイプの人材で構成することにしている」と述べている。「これによって、誰もが顧客ファーストの意識で働くことができるようになる。例えば私たちは、製品に関する意思決定のユーザー体験を折り込むために、UXデザイナーにエンジニアと緊密に連携を取らせている。さらに、エンジニアや、エンジニアリング部門のリーダーシップチームを、顧客との会議や現場訪問に参加させることを重視している。これによって、エンジニアが顧客の問題を直接把握できるだけでなく、製品マネージャーやデザイナーと連携してソリューションを生み出せるようになる」