OpenAI、EUの新AI規制に難色–順守できなければ事業停止も
今回は「OpenAI、EUの新AI規制に難色–順守できなければ事業停止も」についてご紹介します。
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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
OpenAIの最高経営責任者(CEO)を務めるSam Altman氏は、欧州連合(EU)でまもなく導入される人工知能(AI)の規制を順守できない場合、EUでの事業を停止する可能性があると述べた。
同氏は「OpenAIワールドツアー」と称するものの一環として、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンで同社の進歩について講演し、EUで提案されているAI規制について質問を受けた。同氏は、OpenAIは現時点で規制の記述について問題を抱えていると説明した。
TIMEによると、まだ修正が加えられている最中のこの規制では、同社の「ChatGPT」と「GPT-4」が「ハイリスク」のシステムに該当する可能性があり、その場合はさらなる安全性の要件が求められるという。
「われわれがそれらの要件を解決できるかどうかだ」「順守できる場合は順守するが、できない場合は事業を停止する。(中略)努力はする。しかし、何が可能かという点については、技術的な限界がある」と、Altman氏は述べた。
同氏は、この法律に根本的な欠陥があるとは思わないが、細部が極めて重要だと強調した。また、規制に対するバランスのとれたアプローチを支持する姿勢を示しつつ、特にAIが生成した偽情報が世論を左右する可能性について、AIのリスクを認めた。
一方、同氏はAI言語モデルについて、ソーシャルメディアプラットフォームと比べれば、偽情報の拡散に対する影響は低いと主張した。「GPT-4であらゆる偽情報を自由に生成することが可能だが、拡散されなければ、それが大きな影響を及ぼすことはない」(同氏)
ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンを訪問したAltman氏を待ち受けていたのは、屋外に集まった抗議者集団だった。抗議者らは、AGIの今後の開発におけるOpenAIの役割に対する懸念を示した。
TwitterユーザーのJames Vincentさんが投稿したように、抗議者らは「AGIを構築するな」や「OpenAI、AGI構築を停止しろ」と書かれたプラカードを掲げていた。OpenAIはこれに先立ち、AGIの開発、AI規制に対する同社の見解、規制を設けないことが人類に与え得る影響に関する声明を発表していた。
「一般市民が前に出て声を上げるときが来た。これはわれわれの未来であり、われわれに選択の権利があるはずだ」と、抗議者の1人であるGideon FuttermanさんはTIMEに対して語り、「メサイアコンプレックスを抱くシリコンバレーの大金持ちに、われわれが望むものを決めさせるべきではない」とした。
AGIの開発は、専門家や倫理学者の間の注目の話題になっているが、実現は遠いとみなされている。