第1回:ソーシャルエンジニアリングの歴史と進化
今回は「第1回:ソーシャルエンジニアリングの歴史と進化」についてご紹介します。
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コロナ禍によるリモートワークが増加する中、フィッシングメールも増加している。その状況は、波はあるものの現在も継続しており、件数はいまだに高いレベルで推移している。そして、主にフィッシングで使われるのがソーシャルエンジニアリングの手法である。
ソーシャルエンジニアリングは、人の心理的な隙を突くような手口を利用してターゲットに近づき、サイバー攻撃の中でも特定の標的を狙うスピアフィッシングや不特定多数に向けたフィッシングメールなどに用いられる。
ただし、ソーシャルエンジニアリングは今に始まった手法ではない。インターネットが普及する前は、電話や手紙が使用された。勧誘電話や、いわゆる「不幸の手紙」もソーシャルエンジニアリングといえる。それがインターネット時代を迎え、メールに移行した形である。
インターネットの普及が始まってしばらくは、迷惑メールという形でソーシャルエンジニアリングが駆使された。「あの高級品が格安で買える」「高額くじに当選しました」「あなたのことが好きです」など、受信者の気を引くようなタイトルのメールを送り、詐欺に誘導するものが多かった。それが最近では、受信者を不安にさせ、すぐに対応しなければならないという心理状態に追い込む内容が多く見られるようになった。
「クレジットカードで不審な支払いが発生した」「サービスのセキュリティを強化したのでアカウントのアップデートが必要」といったものだ。近年では、「配達にうかがったが留守だったので持ち帰った」として再配達を申し込ませるものや、高価な商品の購入確認、家族カードによる支払いの確認などが目立つ。これらは、全てサービスなどのログイン情報(IDとパスワードなど)を盗むことを目的としている。