コロナ禍で拡大したIT・ビジネスサービス市場、2023年も堅調の見込み–IDC
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調査企業IDCの予測によると、IT/ビジネスサービス分野における世界全体の売り上げは、世界的な不況が続く中にあっても2023年末まで成長を続けていくという。そして企業が開発者を十分確保できない状況の中、ITサービス企業の利用は開発スキルを獲得するための方法の1つとなっている。
IDCの予測によると、同分野における売り上げの成長率は2022年に5.7%、そして2023年に5.2%になるという。また、向こう5年間の年平均成長率(CAGR)は、以前の2022年4月時点における予測である4.9%から現時点では5.2%に増加しているという。
同社は、2022年前半における同市場のベンダーの業績が、売り上げと受注、仕掛中ともに期待を上回っており、パンデミックに端を発するハイブリッドワークプレイス導入とクラウド採用の成長もみられる点から、同市場セグメントについて引き続き「慎重ながらも楽観している」と述べている。
IDCの「Worldwide Services Tracker」担当プログラムディレクターであるXiao-Fei Zhang氏は「世界の主要経済圏での経済状況はここ数カ月で悪化しているものの、サービスベンダーの堅調な売り上げや受注、その他の先行指標を見ると、世界のサービス市場は現在のペースで成長を続けていくと考えられる」と述べた。
とは言うものの同氏は、このトレンドがITサービス企業における容易な人材確保を意味するわけではないとし、「また、BBレシオ(受注/出荷比率)が1.1ないし1.15以上、人員損耗が25%強、利用率が90%近くに上昇すると、ベンダーの真の懸念は供給面に関するものになる可能性があり、何かをあきらめなければならなくなるだろう。しかし経済の減速により、労働市場のひっ迫が緩和され、より迅速に受注を売り上げに変えられるようになる結果、ベンダーにとって追い風が吹く可能性もある」と述べた。
IDCによると、パンデミックがほぼ一夜にして世界規模で数十億人のデジタルユーザーを増やし、「利用可能なソフトウェア開発者の人材プールを世界的に消費している」中、アプリはマネージドサービスの成長に向けた主な原動力であり続けているという。また、クラウドとハイブリッドワークプレイスが力強い成長を見せるとともに、ワークプレイス関連の、そしてインフラ関連のアウトソーシング市場の展望も若干上方修正されているという。
Gartnerのフェローアナリストは米国時間10月19日、2022年の成長が2021年に比べると緩やかであるにもかかわらず、世界のエンタープライズIT支出が「経済減速の影響を受けていない」と述べた。Gartnerは、クラウドへの投資を含む、ソフトウェアに対するIT支出が最も力強くなるだろうと予測している。
一方IDCは、一部のプロジェクトが遅延するか、無期限に延期されると予想している。これによってビジネスコンサルティングに負の影響が及ぶにもかかわらず、同分野の支出は今後の数年で6〜8%の成長が見込めるとしている。また同社によると、マネージドサービスは基幹サービスであるという点で景気後退の影響を受けにくいと考えられる一方、アプリケーション管理や、ワークプレイスおよびインフラのアウトソーシング、サポートサービスはある程度の成長が見込まれているという。
IDCにおけるEuropean Services Groupの上級リサーチマネージャーであるMilan Kalal氏は、「これまでのところ欧州のサービス市場は、混乱の嵐をうまく切り抜けてきているため、2022年前半の市場のパフォーマンスは堅調なものだった」と述べ、「需要は欧州組織のデジタル化への取り組みの加速とともに、クラウドへの移行に向けた継続的な意欲によって後押しされている」と続けた。