アプリケーション開発における最適な手法の選び方–後編
今回は「アプリケーション開発における最適な手法の選び方–後編」についてご紹介します。
関連ワード (ソフトウェア等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
前回は、これまで一般的なアプリケーション開発手法であったハイコード開発と、市販のアプリケーション採用によるパッケージ開発について説明しました。今回は、デジタルトランスフォーメーション(DX)推進における新たな手法として期待されているノーコード/ローコード開発について説明します。
ノーコードプラットフォームでは、プログラミング言語を知らないビジネスユーザーが1行もコードを書くことなく、アプリケーションを開発することができます。その代わりにフォームや設定、シンプルな入力ツールに頼って、アプリケーションの使い勝手を管理します。
ノーコードソリューションは、開発者の注意を他のプロジェクトから引き離すことなく、ウェブページなどのコンテンツやアセットを更新するなど、基本的な部分の問題を個別に解決するのに適しています。またノーコード開発では、実際に業務に携わるユーザー自身がアプリケーションを作成するので、業務の仕様を思い通りに反映させることができる上に、ハイコードなどに比べて短期間で開発できるため、大幅なコストの削減につながることも大きなメリットです。
しかし、大規模なイノベーションを起こしたり、新しいプラットフォームを構築したりするには、ノーコードツールでは限界があります。
一般的にノーコードは、あらかじめに用意されているパーツを組み合わせるようなものであり、ユーザーが求める機能などの拡張が難しく、それをしようとすれば、コストもかかります。また、セットアップや使用までにかかる期間は短いのですが、柔軟性や機能性に制限があることが多々あります。
さらにノーコード活用の注意点としては、適切な管理体制を持たずにユーザーが何の考慮もなくアプリケーションを開発することで、「シャドーIT」(組織的に適切な管理がなされていないIT資産などを指す)が発生する可能性があります。セキュリティ上の懸念、コンプライアンスの問題、連携の不具合、リソースの乱用、技術的負債の増大が見込まれます。
アプリケーション開発に着手する前に、ユーザーフレンドリーなインターフェースによるビジネスプロセスの自動化をあらゆる角度から検討できるよう、技術的ノウハウを習得しておくことが重要です。セキュリティ面では、特に機密性の高い企業データや顧客データ、規制の対象となるデータを扱うために開発されたアプリケーションですと、情報漏えいなど会社に多大な影響を及ぼす危険性があり、注意が必要です。