NTT Com、オンラインコミュニケーション用SDK「SkyWay」正式版を提供

今回は「NTT Com、オンラインコミュニケーション用SDK「SkyWay」正式版を提供」についてご紹介します。

関連ワード (ソフトウェア等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は1月31日、音声や映像でリアルタイムにやり取りできるコミュニケーションの機能を企業が独自にアプリケーションやウェブサイトに実装できるソフトウェア開発キット(SDK)「SkyWay」のリニューアルを発表した。同日から提供を開始した。

 同社 SkyWay推進室長 大津谷亮祐氏は「数十行のコードで手軽にオンラインコミュニケーションのアプリケーションを作れるサービス。社会変化やテクノロジーの変化、ニーズの変化を踏まえて新SkyWayを用意した」と説明している。

 SkyWayは、ブラウザの機能だけでリアルタイム通信が可能な技術であるWeb Real Time Communications(WebRTC)のAPIなどで構成。2013年12月から試験運用を開始し、2017年9月から商用サービスを開始したオンラインコミュニケーション基盤である。

 一般的なコミュニケーションツールは、それぞれのメーカーが用意したユーザーインターフェース(UI)の利用を前提としているが、SkyWayはNTT Comが用意したAPIを呼び出して、ユーザー企業独自のアプリケーションやウェブサイトで音声通話やビデオ通話が可能になるフルマネージドサービス。

 以前から「SkyWay Beta」の名称で公開してきたが、今回の発表に伴い正式版に繰り上がった。同社によれば現在2万社以上が利用し、ウェブアプリケーション用のJavaScript、iOS用、Android用の3種類を用意する。

 新SkyWayは従来最大20人だった同時通話人数を最大100人まで拡大した。NTT Com 担当課長 加藤宏樹氏は「コロナ禍でリモートワークが増え、部署単位のミーティングや大規模なウェビナーとなると20人では収まらない」と拡大させた理由を説明している。

 SkyWayは、NATやファイアウォール越しの通信を補助する通信プロトコルであるTraversal Using Relay around NAT(TURN)サーバーを日本、米国、台湾、ドイツの4拠点に設置して通信品質の安定性を高めてきたが、新たに一つの映像を複数の別品質で送信するサイマルキャストを採用した。

 昨今の視聴環境は4Kディスプレイを備えたPCから、高解像度ながらもディスプレイサイズが小さいスマートフォンまで多岐にわたる。そこに同一品質の映像や音声を配信すると、ネットワーク帯域の無駄な消費や視聴環境の劣化につながってしまう。加藤氏は「ウェビナー講師が受講生に配信時に活用できる」と説明した。

 サイマルキャストの実装は端末負荷の軽減につながるが、同種の改良として「Pub/Subメッセージング」モデルがある。SkyWayのケースに当てはめると、映像や音声の配信側がパブリッシャー(Pub)、視聴者側がサブスクライバー(Sub)となり、利用環境やネットワーク帯域に応じて受け取る内容を取捨選択できる。

 利用者に認証や権限を付与するSkyWay Auth Tokenにも正式対応。例えば、参加者を限定したオンライン会議の開催やウェビナー参加している視聴者のマイク音声やカメラ映像の送受信可否を制御できる。

 サービスメニューは無料版の「Free」と有料版の「Enterprise」の2つのプランを用意。Freeプランは無料で開発、検証できるが、月間の接続回数が50万回、TURNの通信量が500GB、Selective Forwarding Unit(SFU)の通信量が500GBと制限がある。

 Enterpriseプランは月間の基本料金11万円に加えて使用量に応じた課金が発生する。接続回数や通信量の制限がない。

 NTT Comは通信品質などSkyWayの機能向上を継続しながら、IoTやメタバースといった多岐にわたる利用シーン拡大を目指す。

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