輸出可能な商品を一覧表示–小林順蔵商店、日本酒の輸出見積もりを支援する新システム
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大阪市に拠点を置く小林順蔵商店は2月9日、日本酒の輸出の見積もりを支援するシステム「Quick SAKE Quote」の提供を開始したと発表した。
同サービスでは、日本酒の輸入を検討している世界中のバイヤーが自国に輸入可能な商品を検索し、商品を選ぶと見積結果を素早く取得できる。同社は、問い合わせから見積提案までの期間を短縮することで、成約率の最大化を目指している。既に30以上の酒蔵が登録を検討しているという。
同社は、世界各国のバイヤーに日本酒の海外輸出を行っている。日本酒に興味を持つバイヤーの数は増加傾向にあり、日本の商品を取り扱ったことがないバイヤーも興味を持つようになっているという。
だが、多くのバイヤーから「他の業者とは異なる魅力的な商品を輸入したいが、どの商品を自国に輸入できるか分からない。誰に聞けばよいかも分からない」という声を受けていた。また、日本側でも既に取り引きがある国への新規提案は制限されることがあるため、バイヤーへの提案に時間がかかってしまうことがあった。その結果、バイヤーが興味を失ったり、事務手続きで時間がかかって成約を逃したりするケースがあったという。
こうした背景から、小林順蔵商店はQuick SAKE Quoteを開発した。同サービスは、3つのステップで見積もりを取得できる。
ステップ1では、所属国、会社名、住所、電話番号、会社のウェブサイトなどバイヤーの基本情報を入力し、希望する輸送方法やインコタームズ(貿易取引の条件)などを選択すると、バイヤーが自国に輸入可能な商品が一覧表示される(図1)。これにより、バイヤーはどの商品が輸入可能かを迷うことがなくなる。
ステップ2では、一覧表示された商品の中からバイヤーが輸入したい銘柄と数量を選択する。特にFOB(バイヤー負担の運賃・保険料)やCIF(輸出車負担の運賃・保険料)などは一度に輸送する物量によって価格が変動するため、物量のすり合わせに何度もやりとりが発生する。同サービスでは、興味のある銘柄と想定物量をバイヤー自身が決めて見積もりを依頼できるため、素早く結果を取得することが可能となる。
ステップ3では、商品銘柄と数量、顧客の基本情報を確認し、情報に間違いがなければ見積申請ボタンを押す。送信された見積依頼は自動的に小林順蔵商店へ情報共有され、基本的には3営業日以内に担当者がメールで見積提案を行う。
同サービスは現在、全国の酒蔵が無料で登録することができる。「酒蔵概要登録フォーム」「商品概要登録フォーム」に自社の酒蔵に関する基本情報や商品情報を記入し、写真などを共有すると登録が完了する。酒蔵概要登録フォームには「輸出可能国」いう項目があり、自社商品を輸出できる国、あるいは既に取引先が存在しており、新規輸出が不可能な国を記入すれば、輸出可能な国のバイヤーのみに自社商品を表示できる。
バイヤーからの見積依頼後、取り引きへ入る前に同社の担当者が酒蔵にバイヤー情報を共有し、取り引きへ進めてよいかを確認するため、トラブルを未然に防げるとしている。同社は今後、日本酒だけでなく日本産の食品や周辺機器のメーカーにも登録してもらうことを目指している。