「ソーシャルイノベーション企業」を目指すNTT東日本社長の熱い思いとは
今回は「「ソーシャルイノベーション企業」を目指すNTT東日本社長の熱い思いとは」についてご紹介します。
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本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉を幾つか取り上げ、その意味や背景などを解説している。
今回は、東日本電信電話 代表取締役社長の澁谷直樹氏と、ベリタステクノロジーズ 常務執行役員の高井隆太氏の発言を紹介する。
東日本電信電話(以下、NTT東日本)は先頃、プライベートイベント「NTT東日本グループ Solution Forum 2023」を都内の同社関連施設およびオンラインのハイブリッド形式で開催した。澁谷氏の冒頭の発言はその基調講演で、NTT東日本グループの目指す姿を述べたものである。
澁谷氏は講演の冒頭でまず、「当社はこれまで発足以来、20年にわたって光ブロードバンド通信を日本中に広げてきた。今やその人口カバー率は99%を超え、この取り組みはほぼ完了した。これからは、その世界最先端の通信アセットを最大限に活用しながら、地域の未来を支えるソーシャルイノベーション企業を目指したい」と、これまでの固定通信会社からの大変身に挑むことを強調した。
「ソーシャルイノベーション企業」とは何なのか。澁谷氏は次のように説明した。
「私たちが考えるソーシャルイノベーションとは、地域が持つ魅力やアセットといった価値にICTやデジタル技術を活用し、新たな産業や雇用を生み出すとともに、循環型社会の仕組みをつくっていくことだ」(図1)
「私たちは地域通信事業者として、全国津々浦々に数多くのエンジニアやデジタル人材を配置している。また、電話局や光ファイバーなどの膨大なアセットを持ち、地域に根差した活動を行っている。これらのアセットを最大限に活用し、地域のデジタルデータをつないでいく。衰退の危機にある一次産業の再生、地域文化の継承、循環型の街づくりといった取り組みに向けて、デジタル技術を活用して新たな価値の創造に貢献していきたい」
「その実現に向けて、さまざまな現場に出て地域の皆さまと一緒に汗をかき、地域に寄り添い、共に未来を築いていくという『共感型のデジタルトランスフォーメーション(DX)コンサルティング』のスタイルを磨いていきたいと考えている」
澁谷氏はさらに、地域の価値創造に向けた同社の貢献として、「最高品質のネットワーク」「地域の価値を伸ばすデジタルソリューション」の提供とともに、新たな取り組みとして「地域循環型ミライ研究所」を設立したことを明らかにした(図2)。
「地域循環型ミライ研究所では、食や文化、自然などの地域の魅力を調査し研究する。そして、同じ思いを持って地域の未来を切り開こうとされている自治体や企業、ベンチャー、地域住民の皆さまと手を取り合い、地域の魅力を再発見し、長期的な視点に立って新たな価値創造を目指していきたい」と説明した澁谷氏は、最後にこう力を込めた。
「私は『未来は、誰かの幸せを思う人たちが集まり、力を合わせて行動することで実現する』と確信している。地域を愛する多数の社員が働き、地域の通信を24時間365日支え続けるオンリーワン企業。そんなNTT東日本グループの社員が心を込めて、皆さまを下支えさせていただきたい」
この澁谷氏の熱演ぶりが、大変身に挑む同社がまさしく正念場を迎えていることを映し出しているように感じた。今後の変身ぶりに注目していきたい。