IT企業に影響を及ぼす2024年の上位トレンド10選

今回は「IT企業に影響を及ぼす2024年の上位トレンド10選」についてご紹介します。

関連ワード (CIO/経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 ガートナージャパンは2月9日、2024年にテクノロジープロバイダーに影響を及ぼすという10のトップトレンドを発表した。バイス プレジデント アナリストの桂島航氏は、「テクノロジー/サービスプロバイダーのビジネスは、生成AIなどのデジタルテクノロジーと共創などによる顧客企業との新しい関係性により、破壊的な変化の時期を迎えている」と指摘する。トレンドは、企業成長を阻む新たな摩擦、マーケティング/セールスの新たなアプローチ、顧客企業との新たな関係性などテクノロジー/サービスプロバイダーが知っておくべき重要な影響要因だという。各トレンドの内容は以下の通り。

 過去10年間のIT支出の大幅な伸びは、ハイテク企業に恩恵をもたらした。ハイテク企業は、その恩恵を享受するためにコストを十分に評価することなく成長を追求(「費用がいくらかかっても成長する」戦略)し、安定成長が続く前提でプロダクト、組織、雇用を計画した。しかし、マクロ経済情勢が購買者に不確実性をもたらし、資本コストの増大が投資家の焦点を利益成長へシフトさせる、ハイテク企業は効率的な成長を重視する傾向に変わってきている。現在の利益率と将来の収益機会を強化しながら成長することを重視している。

 ビジネスにおけるテクノロジー需要の高まりにより、企業のIT部門はより多くの領域について、より深いレベル、より速いペースでカバーしなければならならくなったが、IT部門のキャパシティーおよびケイパビリティー要件と現状との間に大きなギャップが生じている。テクノロジープロバイダーの製品のリーダーは、企業のIT部門だけでなくビジネス部門に対してもプロバイダーとしての役割の拡大、ビジネス成果にフォーカスしたプロバイダーと企業の関係、企業全体の戦略的アライアンスなど、新たな関係と収益機会を創出する傾向にある。

 サステナビリティー(持続可能性)とESG(環境、社会、統制)の管理は、これまで内部リスクの軽減とコンプライアンスの確保に重点が置かれてきた。製品のリーダーは、サステナビリティー目標を達成するため、ダブルマテリアリティーの考え方(企業活動が与える財務的な影響と環境・社会的な影響)と組織全体での先端技術の活用を取り入れて進化する必要がある。

 生成AI技術の急速な発展は、コンテンツの出所やハルシネーション(ねつ造された回答)などの問題への対処法を巡る議論に拍車をかけている。製品のリーダーは、モデルの透明性、トレーサビリティー、解釈可能性、説明可能性などのAIの安全性の原理原則を組み込んだソリューションを構築する必要がある。

 過去3年間にわたりテクノロジープロバイダーは、時代遅れの「Go-to-Market」モデルが新しい購買者の行動と合わず、営業成績に悪影響を及ぼすことが増えていることを見てきている。この原因となっている購買者の悲観論を察知し、それに対応するために営業とマーケティングのアプローチを適応させなければ、テクノロジープロバイダーは、自社のGo-to-Marketの業務が社内外の観点からも衰退していくのを目の当たりにするだろう。

 汎用モデルは、幅広い生成AIアプリケーションでうまく機能する一方、ドメイン固有のデータを必要とする多くの企業ユースケースでは実用的でないケースもある。テクノロジープロバイダーは、利用可能なリソースをより効率的に使用し、特定のユーザー要件に適合可能な業界特化型モデルを探求する必要がある。これを怠ると、モデル活用でコストと複雑さが増す。

 デジタルマーケットプレースが専門的でニッチなニーズにも対応できるようになると、ソリューションの調達、導入、統合で購買者が向き合わなければならない複雑さが大きく軽減される。そのようなパーソナライズされたデジタルマーケットプレースを活用しないと、ターゲット顧客にとって見つけにくいサービスになってしまう。2025年までにサプライヤーやバイヤー間のBtoB(法人間取引)セールスインタラクションの80%がデジタルチャネルで行われるようになる(Gartnerの予測)。

 サービスプロバイダー、ハイパースケーラー、サードバーティーの独立系ソフトウェアベンダー、SaaSプロバイダーは、プロバイダーの成長を促進する顧客成果を実現するために、業界固有のソリューションに目を向けている。2027年までにテクノロジープロバイダーの50%以上(2023年は5%未満)がインダストリークラウド(業界別クラウド)プラットフォームを使用するようになる(Gartnerの予測)。

 「プロダクトレッドグロース」は、プロダクトユーザーに価値を示すことに重点を置き、Go-to-Marketチームが見込み客の発見に利用できるシグナルを作成する。しかし、プロダクトレッドグロース Go-to-Market戦略を採用しているほとんどの企業は、100%セルフサーブ型のGo-to-Marketアプローチが不十分であることに気づき始めている。案件を成約するには、どこかで売り手が関与する必要があるためになる。ビジネス価値と成果の正当化が求められている買い手のニーズに応えるため、バリューマネジメントと実現に向けたイニシアチブとプロダクトレッドグロースを融合させたハイブリッドGo-to-Marketが重要になる。

 生成AIやデジタルコマース、メタバースなどは、テクノロジープロバイダーのマーケティングやセールス手法を変えつつある。新しい技術を活用した高精度のアプローチを採用できないテクノロジープロバイダーは、既存顧客におけるプレゼンスの低下や成長の鈍化により、全体的な取り引きの質が低下すると予想される。

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