企業の業務プロセス改革を支えるCelonisの野望とは–最高収益責任者のミラノ氏

今回は「企業の業務プロセス改革を支えるCelonisの野望とは–最高収益責任者のミラノ氏」についてご紹介します。

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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 企業の業務プロセス改革を推進する技術として「プロセスマイニング」への注目が高まっている。この技術を活用したソフトウェアを展開するドイツのCelonis(セロニス)が存在感を高めつつある。同社のソリューションは企業の経営やビジネスに何をもたらすのか。CRO(チーフレベニューオフィサー:最高収益責任者)を務めるMiguel Milano(ミゲル・ミラノ)氏が来日したのを機に取材の機会を得たので聞いてみた。

 「『セロナイズする』という言葉を広めていきたい」――まずは、Milano氏が今回の取材の中で幾度も話していたことを挙げておこう。同席した日本法人 代表取締役社長の村瀬将思氏によると、「日本語では『セロる』と表現している」とか。社名のCelonisから来る言葉で、例えば、情報検索することをGoogleから引用して「ググる」と表現するのと同じ使い方だ。

 「セロナイズする」とは、端的に言えば、「業務プロセスの無駄を取り除いて改善を図る」ことを指す。その背景は後ほど説明するとして、両氏の話を聞いていて筆者が印象深く感じたのは、自らのソリューションを広く普及させていかなければとの使命感ともいえるエネルギーの強さだ。そこには、同社が提供するソリューションこそが、企業の業務プロセス改革を推進するスタンダードなプラットフォームだという確固たる自負とともに、その実現に向けた大いなる野望があるようだ。

 Celonisのソリューションとは、どのようなものか。キーワードは「プロセスマイニング」、そして、それを活用した同社の独自ソフトウェア「Execution Management System(EMS)」である。

 プロセスマイニングとは、企業におけるさまざまな業務活動のログデータを取得、分析し、業務プロセスを可視化することによって現状を把握し、業務改善につなげる手法のことだ。2010年頃にドイツの大学などで理論や手法が考案され、その後、製品化されて欧州で広がり、2010年代後半には北米にも広がっていった。日本ではこれから本格的な普及が期待されている。

 Celonisは、そのプロセスマイニング技術の研究の第一人者でアーヘン工科大学教授のWin van der Aalst(ヴィル・ファン・デル・アールスト)氏の理論を基に、2011年に創業。Aalst氏は、今も同社のチーフサイエンティストとしても活動している。そうした経緯から、同社はこの分野の草分け的存在となっている。

 その同社が、プロセスマイニング技術によって業務プロセスの非効率な部分を自動的に排除して改善につなげるソフトウェアを開発し、2020年に市場投入したのがEMSである。あらゆる業務プロセスに適用できるため、つまりはあらゆる産業および業務が対象となる。Milano氏は、「EMSはエンタープライズソフトウェア分野において新たなカテゴリーとなるものだ」と強調した(図1参照)。

 同氏は、同社のCROとして、EMSのグローバルでのビジネス全般において陣頭指揮を執っている。これまでおよそ30年にわたってエンタープライズソフトウェア分野に携わり、CelonisではCo-Owner(共同経営者)の一人でもある。

 そんなMilano氏に、EMSの特長についてビジネスの観点から端的に挙げてほしいと頼んだところ、次のような答えが返ってきた。

 「3つ挙げよう。1つ目は、グローバルでビジネスを展開し、それぞれの業界をリードする大手のお客さまの多くに採用していただいていることだ。2つ目は、その業界も特定の分野でなく、ほぼ全ての産業分野にわたっていることだ。顧客社数は現時点で大手を中心におよそ2000社。これだけ広がってきたことから、幅広い産業分野における業務プロセス改革のさまざまなノウハウもかなり蓄積されてきた。そうした知見が、私たちのさらなる存在感を高める原動力になっていくと確信している」(図2参照)

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