これからのデータ保護に必要なソリューションは何か–キーワードは「BSMA」
今回は「これからのデータ保護に必要なソリューションは何か–キーワードは「BSMA」」についてご紹介します。
関連ワード (松岡功の一言もの申す、経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
デジタル社会の進展に伴ってサイバー攻撃が増加する中、企業がしっかりとデータを保護していくためのソリューションとして何が求められるか。セキュリティ分野ではそれを表すさまざまなキーワードがあるが、筆者も「BSMA」という独自の造語を提案したい。どういう意味か、背景とともに説明しよう。
呼び名は「バスマ」としよう。BSMAとは、「Backup」「Security」「Management」「Automation」の頭文字を並べたもので、今後ますます激しくなりそうなサイバー攻撃からデータを保護するためのソリューションとして必須の4要素を挙げた。セキュリティによる防御をはじめ、データを守るためのバックアップ、データガバナンスのためのマネジメント、そしてAI技術などによる最適な形でのデータ保護のオートメーション(自動化)といった意味で、企業がこれからデータ保護をしっかりと行っていくためには、これら4つの取り組みに注力していく必要があるとの意図を込めた言葉である。
このBSMAは独自の造語ではあるものの、その4要素は筆者の独創ではなく、実は「サイバープロテクション」と呼ぶソリューションを手掛けるスイスのAcronisの事業戦略から発想を得たものだ。その元になったのは、次のような話からだ。
Acronisの日本法人であるアクロニス・ジャパンが先頃、パートナー向け年次イベント「Acronis #CyberFit Summit Japan 2023~サイバープロテクションの未来~」を都内ホテルで開催した。同社が言うサイバープロテクションとは、バックアップとセキュリティを融合したソリューションのことだ。
同社のサイバープロテクションソリューション(ブランド名は「Acronis Cyber Protect」)は、現在150カ国を超える75万社以上に利用されており、とりわけ2万社を超えるサービスプロバイダーとのパートナーシップを通じて、多くの中堅・中小企業で使われているという。その内容をはじめ、グローバルでの事業方針、さらに今最もサイバー脅威となっているランサムウェア対策については、2022年12月22日掲載の本サイトのトップインタビュー記事「バックアップが原点だから言えるランサムウェア対策–アクロニスCEO」にまとめたので参照していただきたい。
筆者がBSMAの発想を得たのは、上記のイベントでのアクロニス・ジャパン 代表取締役社長の川崎哲郎氏およびAcronis APJ(アジアパシフィックジャパン)&MEA(ミドルイーストアフリカ)セールス・グローバルチャネル担当シニアバイスプレジデントのPasha Ershow(パーシャ・エルショフ)氏のスピーチからだ(写真1、写真2)。
まず、川崎氏が図1を示しながら、「当社が掲げるサイバープロテクションは、バックアップとセキュリティ、さらにはそれらを統括するマネジメント、最新技術による自動化を目指すオートメーションといった企業のデータ保護に必要な機能を1つのソリューションとして提供しようというものだ」と説明した。バックアップとセキュリティの融合については認識していたが、マネジメントとオートメーションも加えた同氏の説明にピンと来た。これがBSMAを発想したきっかけである。