「ChatGPT」は投資の意思決定にも有益–ソウル大学校研究者らが発表
今回は「「ChatGPT」は投資の意思決定にも有益–ソウル大学校研究者らが発表」についてご紹介します。
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「ChatGPT」はプログラムやテキストの記述を含むさまざまな技術分野で優れた能力を示している。そして新たに公開された論文では、投資においても秀でている可能性が明らかにされている。
投資関連の意思決定は、資産の分散/配分方法を左右するさまざまな要素を考慮する必要があり、それら全てが成果を手にする上で重要になるという点で、あまりにも大変な作業だと感じる人もいるだろう。
このため、ポートフォリオを管理する上で専門家に助言を求める人も多い。このような人たちにとって、ChatGPTを頼りにできるという今回の調査結果は朗報となるだろう。
ソウル大学校の研究者らは、ChatGPTがポートフォリオの管理、特に資産の分散と配分において、質的方法論を利用することで効果的な支援を提供できるかどうかを調査した。
研究者らは、ChatGPTが選択したポートフォリオと、金融商品管理の知識がない、あるいは乏しい人が適当に選んだような無作為に選択されたポートフォリオを比較することで、同チャットボットの有効性を評価するための一連の実験を実施した。
その結果、ChatGPTの資産選択は無作為に選択されたポートフォリオよりも多様性に富んでおり、かつ資産同士の類似性が少ないことが示された。これらはいずれもポートフォリオのリスクを低減させる上で重要な要素だ。
最小リスクポートフォリオと接点ポートフォリオを評価する別の実験においても、ChatGPTが選択したポートフォリオは双方とも、無作為に選択されたものよりも優れた結果となった。
これらの実験結果から、ChatGPTは投資を決定する際の財務アシスタントとしても利用できると結論付けることができる。ただ、株価など今後の動向を予測をすることはできない。
この論文(査読は実施されていない)には「結論としてChatGPTは、金融分野の『預言者』ではなく、投資家やポートフォリオマネージャーの『アシスタント』あるいは『副操縦士』だと言える。ある種のフレームワーク内で適切に用いられた場合、ChatGPTはアセットアロケーション(資産配分)の実務に革命をもたらす可能性を秘めている」と記されている。
金融関連の意思決定を支援するというChatGPTの能力は、金融教育や、ポートフォリオ管理の一般化、あらゆる人々が気軽に投資できるようにすることに貢献するという点でとても重要だ。
また、同分野で仕事をしている人たちはこのチャットボットを活用することで、多様な資産の選択について支援を受けながら、より重要なタスクに注意を振り向けられるようになるはずだ。