日本テラデータ、国内事業や製品戦略を紹介–モダンデータスタックなどとの連携強化

今回は「日本テラデータ、国内事業や製品戦略を紹介–モダンデータスタックなどとの連携強化」についてご紹介します。

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 日本テラデータは8月2日、報道機関向けに開催した説明会で国内事業の動向や製品戦略などを明らかにした。

 代表取締役社長の髙橋倫二氏はまず、米Teradataが米IDCに委託して実施した最新の調査結果に触れ、世界各国の経営幹部900人のうち80%近くは生成AIが自社の将来のサービスや業務に活用されることかなり高い割合で確信しているとした。また86%は生成AIのインサイトの品質と完全性を保証するために、ガバナンスの強化が必要であることに同意し、66%は生成AIのバイアスや、AIによる偽情報の作成の可能性について懸念しているとのこと。

 加えて、同氏は「生成AIの登場により、データ活用が進化する」といい、「Descriptive(記述的、何が起きたのか」「Diagnostic(診断的、なぜ起きたのか)」「Predictive(予測的、何が起きるのか)」「Prescriptive(処方的、何をすべきか)」というデータ活用のそれぞれの段階においての有用性を示した。

 その上で髙橋氏は、同社が「信頼できるAIを本番運用するためのデータ基盤を提供している」と強調し、直近では「Azure Machine Learning」や「Amazon SageMaker」「Vertex AI」「Dataiku」といった人工知能/機械学習(AI/ML)関連のツール/サービスと連携を強化していると語った。

 2023年上半期の国内事業については、既存システムのクラウド化や既存顧客の新規システム構築、製造会社や金融機関の新規顧客の獲得などに支えられ、引き続き好調を維持している。「Amazon Web Services」(AWS)に加え、「Microsoft Azure」や「Google Cloud」をシステム基盤に選択する顧客が増えているとした。

 データ統合基盤やAI/ML運用基盤としてのニーズやパートナー協業案件の増加なども後押しとなっており、アプライアンス型の競合製品からクラウド移行する際の選択肢にもなっているという。

 製品戦略については、執行役員 テクノロジーセールス事業部 事業部長の小永井崇氏が説明した。

 同氏によると、同社の主力製品である「Teradata Vantage」は現在、(1)データサイエンティスト/開発者による新たな分析ワークロードの対応、(2)データレイク+データウェアハウスによるデータプラットフォームのモダナイゼーション、(3)アジリティーに必要となるユーザーエクスペリエンスの強化、(4)増加し続ける各種データの取り込み/アクセス課題への対応、(5)財務ガバナンスの欠如がもたらす予算超過リスクの低減――という5つを軸に機能の強化と拡充を図っている。

 会見では、特に「モダナイゼーションの加速化とデジタル変革(DX)の実現」を支援する複数の機能が紹介された。

 小永井氏はまず、業界で主流となっているモダンデータスタックとの連携強化について説明。モダンデータスタックとは、クラウド上でデータソリューションを構築する際に、データ&アナリティクスのコミュニティーが一般的に使用するツールセットを指し、最新のデータスタックツールとTeradata Vantageを統合することで、企業の迅速なイノベーションを実現可能にするという。

 今回新たに、データレイクやデータウェアハウス上のデータを移動なしに変換するデータ変換ツール「dbt」、アプリケーション/データベース/APIからデータレイクやデータウェアハウスへのデータ移動を可能にするオープンソースのELTツール「Airbyte」、トランザクション処理用のさまざまなAPIをつなぎ合わせて自動化するiPaaSツール「MuleSoft」との連携が強化された。

 次は「Teradata Vantageコネクテッド・データストア」で、全てのストレージ層にまたがるデータをシームレスかつ透過的にアクセスしてデータの結合を可能にする。また、「Native Object Store」「QueryGrid」を活用することで外部データソースをネイティブテーブルのように扱える点も強みだという。

 小永井氏は続いて、クラウド環境の財務ガバナンスに課題があると指摘。クラウドは必要に応じてリソースを柔軟に変更可能である一方で、コストの予測が立てにくかったり、予算超過が発生したり、想定以上にコストが跳ね上がったりといったケースがある。

 こうした課題に対応するのが「VantageCloud Lake Console」で、利用状況の一元的な管理/監視を可能にするウェブコンソールになる。部門別の消費量を表示する透明性の確保やコスト超過の抑制、支出パターンに基づく予測と異常コストの検出などが可能になるとしている。

 最後に同氏は、Stemma Technologiesの買収によってデータカタログの機能強化を図っている点も強調した。

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