AIが生成した作品は著作権で保護されない–米裁判所が判決

今回は「AIが生成した作品は著作権で保護されない–米裁判所が判決」についてご紹介します。

関連ワード (CIO/経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 クリエイティブな領域における人工知能(AI)との争いにおいて、人間が1つの勝利を収めた。米連邦裁判所判事は先週、AIが生成した作品は著作権で保護されないとの判決を下した。

 Beryl Howell連邦地裁判事は判決文の中で、「人間の手にまったく導かれることなく動作する、新しい形態の技術によって生成される作品を保護するほど、著作権法が範囲を広げられたことはない。人間の創造物であることが基本要件だ」と述べた。

 特に、米映画俳優組合(SAG-AFTRA)がストライキに入ってから100日間以上が経過し、AIを利用して脚本を制作するという概念が勢いを増す中、AIが生成した作品が法的保護を受けないという考え方は、クリエイティブな分野に携わる人々にとって朗報だ。

 著作権は時代に適応していくものだが、「人間の創造性が新しいツールを経由したり、新しいメディアとして実現したりしても、人間の関与が著作物性の根幹に不可欠だという一貫した信念」が存在すると、判決文には記されている。

 ただし、この考え方は以前から存在する。ある米地方裁判所は2018年、サルが撮影した自撮り写真をめぐる裁判で、同様の判決を下した。その自撮り写真は人間が撮影したものではないため、著作権で保護されないとの判断だ。

 Howell判事は、カメラを例に挙げて、その判決に言及した。例えば、カメラは確かに画像を生成するが、それを行うのは、人間がまずその画像を考案し、シーンと照明を設定し、カメラのパラメーターを調整するなどした後だ。AIは、プロンプトの作成などにおいて人間の関与が存在するが、実際の作品はすべてコンピューターによって生成される。

 今回の判決は、コンピューターサイエンティストのStephen Thaler氏が、自身が開発したAIソフトウェアによって生成された画像が、著作権で保護されるべきだとして訴えた裁判に対するものだ。

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