Snowflakeのマーケティングはいつも顧客が中心–D・ピアソンCMO

今回は「Snowflakeのマーケティングはいつも顧客が中心–D・ピアソンCMO」についてご紹介します。

関連ワード (CIO/経営、トップインタビュー等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 Snowflakeは9月8日、プライベートイベント「Data Cloud World Tour Tokyo」を都内で実施。同イベントに合わせて来日した最高マーケティング責任者(CMO)のDenise Perrson氏に、同社の成長を支えるマーケティング戦略などを聞いた。

 Perrson氏は、20年にわたって急成長企業でテクノロジーマーケティングに携わってきた人物。Snowflakeに入社する前は、API基盤を提供するApigee(2016年にGoogleが買収)でCMOを務めていた。

 コラボレーションソフト企業のGenesysでキャリアをスタートさせ、同社ではグローバルマーケティング組織を構築・指揮。また、同社の成長に大きく貢献し、IPOを成功させて他社から買収を受けるまでに導いた。2016年にSnowflakeのCMOとして着任し、米国での急成長を支えてきた。

–Snowflakeのマーケティングの特徴や戦略を教えてほしい。

 まず、当社全体のユニークな点は、顧客の成功に焦点を当てていることだ。顧客を第一に考えることをコアバリュー(中核的な価値観)としており、地球上で最も顧客中心のテクノロジー企業だと考えている。

 サービスの提供を開始して間もなくすると、当社の製品で大きな成功を収めた顧客から口コミでどんどんと評判が広まっていきた。つまり、われわれの顧客が最高のマーケターになってくれたというわけだ。そうした顧客が数百から今では数千に増えた。例えば、「Data Cloud World Tour Tokyo」(9月8日開催)のコンテンツのほとんどは顧客によるものだ。

 繰り返しになるが、われわれのマーケティング戦略は顧客に参加してもらうことである。イベントを企画する時はいつでも顧客の声を届ける必要がある。マーケティング施策で最も大切にしているのは、常に顧客のストーリーを取り上げるということだ。

 また、当社が急成長している理由の一つは、パートナーエコシステムにある。われわれは単独で市場に参入するのではなく、パートナーや顧客と協力してサービスの提供を目指している。

 顧客はデータ戦略のためのソリューションを必要としており、われわれだけでその全ての問題を解決できるわけではない。Snowflakeの実装を支援するシステムインテグレーター(SIer)も必要になる。Snowflakeはクラウドベースの製品なので、簡単に使い始められる。なので、われわれの言葉を信じてもらうよりも、まずは使ってもらうことで信頼を得たいと考えている。

 Snowflakeは、使用量に基づく従量制の価格設定を採用している。つまり、顧客の成功がなければ、われわれは利益を得ることができない。そのため、顧客の成功にとても意欲的だ。売り切り型のソフトウェア企業とは違い、われわれは顧客の成功のためにサービスを使ってもらうことが大切になる。

–Snowflakeでは、どのようにマーケティングにデータを活用しているのか。

 当社のマーケティングは全てデータに基づいて行われている。(顧客データなど)全てのデータにリアルタイムにアクセスでき、チームの施策の中で何がうまくいっていて、何がうまくいっていないのかを分析して、いつでも調整することができる。これによって、マーケティングの無駄を最小限に抑えている。なぜなら、ほとんどの企業にとって最大の課題は、プログラムが終了するまで何が効果を上げているのか分からないことだからだ。重要なのは、リアルタイムにデータを取得できることである。

 これを実現するには、まず全てのデータを一カ所に集めること。マーケティング分野には非常に多くのエンゲージメントシステムがあり、それぞれがサイロ化している。これでは何が起こっているのか全体像をすぐに把握することはできない。

 全てのデータを1カ所に集め、データのサイロを解消することで、キャンペーンレポートや効果測定をリアルタイムに実行できるようになる。また、今は誰もがAIの活用について考えているが、生成AIをはじめとするAI戦略を進める前にデータ戦略が必要になる。

 例えば、コンタクトセンターに記録された大量のデータをAIで処理することで、顧客のニーズを理解する助けになるだろう。生成AIによってますます多くの人がデータにアクセスできるようになるが、データへのアクセスが民主化するにつれて、ガバナンスやプライバシーの確保が必要になる。そのためにもデータ活用を支えるインフラとしてデータ基盤の整備が重要だ。

 マーケティングチーム内でデータの知識を持つことも非常に重要である。当社では、全社向けにAIモデルの構築を担当するデータサイエンティストのほかに、部門内にもデータサイエンティストを配置している。彼らはチームの課題を深く理解し、それを解決に導くためのテクノロジースキルを持っている。

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