ジザイエ、タワークレーンの遠隔操作に「IOWN API」を利用–建設業界の労働環境改革に
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ジザイエは、タワークレーンの遠隔操作に関する実証実験で、違和感のない操作性や作業効率・安全性を確認したと発表した。タワークレーンは大阪府堺市の西日本機材センターに設置された竹中工務店の提供するタワークレーンで、東京でリモート操作を行った。
ジザイエは、2022年11月に創業した東京大学発のスタートアップ。リモートワークの恩恵を受けていない人たちの遠隔就労を実現するリアルタイム遠隔就労支援プラットフォーム「JIZAIPAD」の開発を手掛けている。
実証では、NTTが提供するネットワーク技術である「IOWN APN」を活用。これとジザイエが提供する、高解像度・高フレームレートかつ低遅延を実現する独自の圧縮技術を組み合わせ、現場の建設機械と遠隔操作システムを接続して実施された。遠隔操作システムは、竹中工務店と鹿島建設、アクティオが共同開発した「TawaRemo」を活用した。
IOWNは、ネットワークだけでなく端末処理まで光化する「オールフォトニクス・ネットワーク」(APN)、サイバー空間上でモノやヒト同士の高度かつリアルタイムなインタラクションを可能とする「デジタル・ツイン・コンピューティング」、それらを含むさまざまなICTリソースを効率的に配備する「コグニティブ・ファウンデーション」の3つで構成される。
APNは、ネットワークから端末、チップの中にまで新たな光技術を導入することにより、これまで実現が困難であった低消費電力、高品質・大容量、低遅延を達成する。1本の光ファイバー上で機能ごとに波長を割り当てて運用でき、インターネットに代表される情報通信の機能や、センシングの機能など、社会基盤を支える複数の機能を互いに干渉することなく提供できる。
現場と離れた距離にある建設機械の遠隔操作は、従来の4G/LTE回線を利用した場合、時間帯や場所によってネットワーク接続が不安定になりやすいという。そのため、遅延にゆらぎが発生したり、映像が途切れてしまったりするなどの問題が発生していた。
同実証では、約500kmの東京から大阪の長距離区間において、ジザイエ独自の映像圧縮技術とAPN技術の組み合わせにより、高画質で低遅延かつ遅延時間が確定された映像をリアルタイムに届けられることが確認できたという。