HashiCorp、「Terraform 1.7」を一般提供–テストワークフレームのモック機能を追加
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HashiCorpは米国時間1月17日、「HashiCorp Terraform 1.7」の一般提供を発表した。
Terraform 1.7は現在、ダウンロードが可能で、「Terraform Cloud」でも利用できる。Terraform テストワークフレームのモック機能やリソースを状態から削除する新しいメソッドを搭載するほか、config-driven importの強化なども図られている。
「Terraform 1.6」では、Terraformコードの単体および結合テストをHashiCorp Configuration Language(HCL)を使って実行するためのネイティブオプションとして、Terraformのテストフレームワークが導入された。Terraform 1.7では、これに複数の改良が加えられており、その中にはモック機能が含まれるとHashiCorpは述べる。
プロバイダーコールのモックを使うことで、より高度な状況をモデル化することが可能になり、インフラストラクチャーを実際に構成したり、クレデンシャルを要求したりすることなくテストを実行できる。データベースや高レベルのプラットフォームサービスといった、プロビジョニングに時間を要するようなクラウドリソースを使用する場合に効果的だと同社は説明する。
テストモックは、モックプロバイダーとオーバーライドという2つの機能を追加し、強力な柔軟性をモジュールのテストに与える。
Terraformテストでモックされたプロバイダー/リソースは、基盤となるプロバイダーAPIが通常は提供する計算された属性全てに対し、擬似的なデータを生成する。エイリアスを使うことで、モックプロバイダーと本物のプロバイダーを一緒に使用し、柔軟なTerraformテストスイートをモジュールのために作成できる。モックプロバイダーの定義にはmock_providerが使われ、同ブロック内では、リソースやデータソースの計算された属性の値を指定できる。
プロバイダー全体をモックすることに加え、リソース、データソース、モジュールの特定インスタンスをオーバーライドできる。オーバーライドブロックはTerraformテストファイルのルートに置いて全テストランに適用することも、個々のrunブロックに配置することもできる。また、モックプロバイダーと本物のプロバイダーの両方で利用できる。オーバーライドの一般的なユースケースは、プロビジョニングに時間がかかるリソースのテスト実行時間短縮などがあるという。
Terraform 1.7で加えられたテストフレームワークに関する他の強化としては、変数を参照し、テストプロバイダーブロックで実行を出力する、変数ブロックとプロバイダーブロックでHCL関数を使用する、テスト用変数値を*.tfvarsファイルからロードするなどがある。
Terraform 1.7では、config-driven removeが追加された。インフラストラクチャーライフサイクルにおいて、リソースの状態を修正することが必要になる場合がある。「Terraform CLI」は状態操作に関連したコマンドが幾つかあるが、これら全てには、一度の一つだけのリソースに対してのみ動作する、状態やクレデンシャルに直接アクセスしてローカルで実行する必要がある、状態をすぐに変更するといった同様の課題があるという。
これは、構成と状態が同期していない状態にし、リソースを誤って変更してしまう可能性があるため、リスクがある。このような理由から、「Terraform 1.1」ではmovedブロックによりconfig-driven refactoringの概念を導入し、それに続いて「Terraform 1.5」ではconfig-driven importを利用可能にした。config-driven removeはこの概念を再び拡張するものだという。
リソースを破棄せずに状態から削除する必要がある理由としては、ワークスペース間でリソースを移動する、適用失敗後での状態のクリーンアップ、リソースの手動変更によるリフレッシュの失敗、プロバイダーの廃止とアップグレードなどを同社は挙げる。removedブロックは、terraform state rmコマンドの代替として、これらの課題全てに対応するという。movedやimportブロック同様に、状態の削除を一括で計画的に実行できるようになったため、状態を変更する前に、操作が意図した効果をもたらすことを確信できるという。
Terraform 1.7では、config-driven importも強化されており、for_eachループを使ってimportブロックを拡張できる。これまで、importブロックのto属性でリソースの特定のインスタンスをターゲットにできたが、個別のimportブロックに対して各インスタンスを記述する必要があった。これが単一のimportブロックで実現できるようになった。これは、複数のモジュールインスタンス間でインポートを拡張するにも使用できる。