「物流の2024年問題」をサステナブルな社会への変革と捉えよ
今回は「「物流の2024年問題」をサステナブルな社会への変革と捉えよ」についてご紹介します。
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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
「物流の2024年問題」が間近に迫り、企業は対応を急いでいる。そうした中で、サプライチェーン管理分野に注力するパナソニック コネクトが、この問題解決に向けて新たな技術を開発した。この機に、物流の2024年問題について一言もの申したい。
物流の2024年問題とは、働き方改革関連法が施行され、トラック運転手の時間外労働に年間960時間の上限が課せられることにより、人手不足が慢性化している物流業界が十分な運転手を確保できず、安定的な長距離輸送が困難になる懸念があることだ。同法が2019年に施行された際にトラック運送業への適用が特例で猶予されていたが、2024年3月末で終了するため、喫緊の対応が迫られている。
そうした中、パナソニック コネクトがこの問題解決に向けて新たな技術を開発し、このほど発表した。倉庫業務を効率化してトラックの荷待ち時間を大幅に削減できる「タスク最適化エンジン」と、ロボット制御やセンシング、AIなどの技術を組み合わせて一元制御できる「ロボット制御プラットフォーム」がそれだ。
発表会見での説明内容については関連記事をご覧いただくとして、本稿では物流の2024年問題の根本的な捉え方について考察したい。
パナソニック コネクトの会見では、同社 現場ソリューションカンパニー 現場サプライチェーン本部 エグゼクティブコンサルタント/エバンジェリストの一力知一氏が、物流の2024年問題に代表されるサプライチェーンの本質的な課題として、「倉庫作業の人手不足やコストの増加」および「倉庫内トラックの待機時間」の2つを挙げた(図1)。
特に倉庫内で発生する待機時間については、「荷待ちがあるトラック1運行あたりの平均拘束時間は全体で12時間余りのうち、荷待ちと荷役で3時間以上にもなる」(一力氏)とのこと。今回、同社が発表した新技術は、こうした課題を解消しようというものだ(図2)。
パナソニック コネクトのデジタル技術を活用した取り組みが、物流の2024年問題への対応策として大きな効果を生み出していくことを期待したい。
そこでこの機会に、この問題の捉え方について、以下に筆者の意見を述べたい。