NTTデータグループ次期社長が語った「実現したい企業像」とは

今回は「NTTデータグループ次期社長が語った「実現したい企業像」とは」についてご紹介します。

関連ワード (CIO/経営、松岡功の「今週の明言」等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉を幾つか取り上げ、その意味や背景などを解説している。

 今回は、NTTデータグループ 代表取締役副社長執行役員(6月18日付で代表取締役社長に就任予定)の佐々木裕氏と、日本IBM テクノロジー事業本部 watsonx製品主幹の張重陽氏の「明言」を紹介する。

 NTTデータグループは先頃、代表取締役副社長執行役員の佐々木氏が6月18日付で代表取締役社長に就任するトップ人事を発表した。同氏の冒頭の発言は、発表に伴って行われた会見で、「NTTデータグループをどんな企業にしていきたいか」と問われて答えたものである。

 佐々木氏は1965年9月生まれで東京都出身の58歳。東京大学大学院工学系研究科 機械系工学専攻の修士を修了。1990年にNTTデータ通信(現在のNTTデータ)に入社し、大規模プロジェクトのプロジェクトマネージャーとして複数のプロジェクトの責任者を経験した後、2016年に執行役員に就任。その後、ソリューション事業部門の責任者や製造インダストリー事業の責任者などを歴任した。

 直近では、2021年から2年間、NTTデータ常務執行役員コーポレート統括本部長として、NTT Ltd.との海外事業統合や2023年7月に設立した国内事業会社の設立などに従事。事業戦略室長も兼務し、2022年からスタートしたNTTデータグループの中期経営計画の策定にも携わった。2023年からNTTデータグループの代表取締役副社長執行役員との兼務でNTTデータの代表取締役社長に就任。NTTデータグループにおいて日本リージョンの事業を所掌するとともに、最高技術責任者(CTO)を務めてきた。NTTデータの代表取締役社長は引き続き兼任する。

 佐々木氏は今回のトップ人事について、「私がグループ社長に指名されたのは、本間洋社長(6月18日付で相談役に就任予定)のリーダーシップの下、グループ形態を再設計する役目を務めてきたので、設計したからにはその内容を責任もって遂行せよとの指示だと理解している」との認識を示した。さらに、「グループとしての売上高が4兆3000億円を超える規模になり、ITサービス企業としてグローバルで5、6位のポジションを占めるようになってきた。これからさらに上位争いをしていけるだけの準備が整ってきた段階にあると考えている」との決意を示した。

 今後、グループ社長として取り組んでいきたいことについて佐々木氏は、「組織能力を継続的に向上させる」「戦略的な投資を引き続き推進する」「NTTグループとしての総合力を発揮する」といった3つを挙げた。とくに3つ目については、「グローバルで競合するITサービス企業を見ると、テレコム企業の傘下にあるのは当社だけだ。その『つなぐ力』を強みとしてしっかりと戦っていきたい」と、グローバル競争への意気込みを示した。

 会見の質疑応答で「NTTデータグループをどんな企業にしていきたいか」と問われた佐々木氏は、「私どもの財産は人材だ」と前置きした上で、「今、とても面白い時代になってきたと感じている」と述べ、その理由と人材について次のように話した。

 「ITサービス企業はこれまでお客さまの要望に基づいたシステムを実現してきたが、今はそれだけでなく、お客さまの会社、さらには社会の変革にプロアクティブに動いていける時代になってきた。そんな面白い時代を社員一人一人が楽しんでいける会社にしたい」

 冒頭の発言はこのコメントの最後の部分を取り上げたものである。軽妙な語り口が印象的だ。その経営手腕に引き続き、注目していきたい。

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