Java採用企業はどう使用しているのか–New Relicがオブザーバビリティから分析
今回は「Java採用企業はどう使用しているのか–New Relicがオブザーバビリティから分析」についてご紹介します。
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New Relicは、同社のオブザーバビリティ(可観測性)で監視を行っているJavaの利用状況を分析した報告書の日本語最新版「2024年 Javaエコシステムの現状」を公開した。企業が採用しているバージョンや開発環境、稼働環境、データベースなどの現状を報告した。
報告書は今回で4回目を数え、同社のオブザーバビリティで監視を行っている数十万のJavaアプリケーションに関するデータから、Javaエコシステムの実態を分析している。
現在のJavaは、Oracleが半期ごとに最新バージョンをリリースしており、2024年6月上旬時点の最新バージョンは「Java 22」、企業利用が多い長期サポート(LTS)は「Java 21」となる。LTSについては、2023年9月に「Java 11」のサポート期限が2032年1月に延長され、その他のLTSの期限は「Java 17」が2029年9月、Java 21が2031年9月までとなっている。
New Relicによると、Java 21はリリースから6カ月間での採用率が1.4%に達し、このペースはJava 17での0.37%を上回ることが分かった。また、Java 17の採用率は、2023年では約9%だったが、現時点では約35%に上昇しており、Java 11でのペースを大幅に上回る状況だという。
開発環境の「Java Developer Kit」(JDK)では、Amazonの利用が2020年の2.2%から2023年には約31%に増加したものの、2024年は約18%に減少した。一方で、コミュニティーベースの「Eclipse Adoptium」の利用が2023年の約12%から2024年は約18%に上昇した。Oracleの利用は、首位だった2022年に約34%だったが、2023年では約29%、2024年では約21%に減少した。New Relicは、「コミュニティー管理のEclipse Adoptiumは、OracleやAmazonよりも頻繁に更新される傾向にある」と指摘している。
メモリー管理コンポーネントのガベージコレクター(GC)については、Java 11以降で「Garbage-First」デフォルトになったことにより、現在はNew Relicユーザーの約43%が採用しているという。
Javaアプリケーションが稼働する環境のCPUとメモリーの利用状況は、CPUでは論理プロセッサー数が1~4コアで最も多く、利用率が2023年の57.7%から2024年は68.0%に上昇した。「Java Virtual Machine」(JVM)のメモリー使用量では調査対象アプリケーションの約68%が1GB以上で、約32%は1GB以下だった。
フレームワークやライブラリーの状況は、まずロギングでは「Log4j」が76%で最も多く、「JBoss Logging」(61%)や「Logback」(52%)が続く。また、Java開発者の83%が「SLF4j」を用いており、アプリケーション実装に影響することなく任意のロギングフレームワークに切り替えられる点が評価されているとする。
また、Javaアプリケーションの41%で暗号化ライブラリーが使用され、「Bouncy Castle」(17%)や「Spring Security」(16%)、「Jasypt」(6%)が上位だった。なお、採用率が0.09%だった「Amazon Corretto Crypto Provider」は、ベンダー統合を検討する企業や開発者が増えており、近い将来に多くのJavaアプリケーションで使用される可能性が高いという。
データベースの利用率では、「Oracle Database」が17%で最も多く、「PostgreSQL」(14%)や「MySQL」(13%)が続いた。Oracle Databaseは、拡張性と大量データの効率的な管理、充実した企業向けサポートが好まれているといい、PostgreSQLはオープンソースで複雑なクエリーの管理に適していること、MySQLもオープンソースで特に読み取り専用クエリーの処理を安定かつ高速に実行できる点が評価されているという。