コンカー、「承認レス」を実現するAI不正検知サービス「Verify」を来春展開
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コンカーは9月17日、経費精算・管理クラウド「Concur Expense」向けのAI不正検知サービス「Verify」を2025年春に国内展開すると発表した。代表取締役社長の橋本祥生氏は「承認ワークフローの自動承認機能が唯一のミッシングピースだった」と会見で強調し、3年間で200社の導入を目指しているとした。
Verifyは、経費精算プロセスを自動化して、監査担当の経費チェックを効率化する経費監査ソリューションである。米犯罪学者のDonald Cressey氏が提唱する「不正のトライアングル」理論は、経費を含む企業内不正行為に用いられてきた。ソリューション統括本部ソリューションマーケティング部部長の舟本憲政氏は「経費精算の不正は起こりやすく、目視だけで見抜くのは難しい。AIで不正検知する仕組みが必要だが、この課題を解決するのがVerifyである」と説明した。
2022年から米国本社で先行展開しているVerifyだが、ガバナンス強化は100%、生産性は50%向上。別の調査会社によれば、不正における経費精算の損害金割合も14%軽減するという。AIのチェックに加えてConcur Auditorで担当者が目視チェックする体制を整えており、より精度の高い監査ができる仕組みになっているという。
米国版Verifyは30種類以上のチェック項目に対応し、「泊まり込みで3日かかった繁忙期の経費精算もなくなり、(担当者は)通常の生活を送れるようになった。非常に喜ばれている」(舟本氏)ものの、日米では業務を取り巻く環境も異なる。それでも、同社では「例えば(列車で)グリーン車の利用有無や、領収書に事業者登録番号が記述されているかなど、国内固有のチェック機能を準備中」であるという。
Concur Expenseには、ほかにもAI機能が強化されている。AIが市場平均価格を自動的に計算して、出張の事前申請業務を省略する「Request Assistant」や、煩雑なホテルの領収書をConcur Expenseにインポートもしくはスマートフォンで撮影し、経費精算レポートを自動作成する「ホテル領収書明細化」も2025年に提供する予定である。舟本氏は「Request Assistantは組織の規定や過去の履歴を反映されるなど精度アップを図る予定」だと説明した。
AIの利用は多方面にわたり、海外出張の手配や管理を効率化する「Concur Travel」では、「Co-pilot Joule」を用いた対話型の出張手配機能を2025年に提供する。個人の趣味や好みに沿ったフライトを提案し、会社の規定との整合性の確認も行う。
請求書管理の「Concur Invoice」でも、自社独自のAI-OCR機能を2024年内に実装する。さらに管理者が利用するサポートポータルに生成AIで、解決手順をリアルタイムに作成して負担軽減を目指す機能を2024年冬以降に実装予定だ。
舟本氏は「今後全てのサービスに(AI機能が)搭載される予定」だと述べる。また、橋本氏は「AI技術を活用するには膨大なデータが必要だが、われわれは全世界で経費にかかるデータを最も持っている。データ活用で新しい顧客価値を提供したい」と全体的な方向性を示した。