社内申請などの書き方をAIで支援、従業員体験を向上–NTTテクノクロス
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NTTテクノクロスは、稟議や申請など社内の事務処理をする際に企業独自のシステムやルールに合わせて書き方や注意事項を自動で提案する新製品「BizFront/SmartUI Decision Manager」を2月8日に発売する。
同社が以前から開発を進めていたAI(人工知能)技術に、NTTアクセスサービスシステム研究所の「UI拡張技術」を組み合わせた新製品で、既存システムを改修せずにユーザーが入力したキーワードを手がかりに社内ルールに適合する書き方や注意事項を提案する。価格は年額で税別100万円から。書類を作成するWindows端末上で動作するソフトウェアとして提供される。
概要を説明した同社 取締役 戦略ビジネス特区 特区長の角隆一氏は、現在同社が注目している分野として「従業員のストレスをなくす“EX(Employee eXperience:従業員体験)ソリューション”」を挙げ、「EXを向上させることで、以前から各企業で課題になっていた少子高齢化社会における人材確保につなげるとともに、コロナ禍以降の新しい働き方における従業員のストレスや不安を解消する。これにより、各企業の業績アップにつながると考えている」とその意義を語った。さらに、EXソリューションの具体例となるBizFront/SmartUI Decision Managerによって「業種・業界を問わず、働く従業員をサポートし、未来の働き方を実現していく」とした。
続いて、詳細を説明した同社 戦略ビジネス特区 イントラプレナーの安田航氏は、新製品の背景として、複雑な社内ルールに起因する“差し戻し地獄”を指摘した。同氏の言う差し戻し地獄とは、稟議や各種申請書などの作成の際に順守すべき複雑な社内ルールが存在するがそれを現場の従業員が熟知しているわけではないことから、書類を出しても管理部門から不備を指摘されて差し戻される、という繰り返しが延々続いてしまうことを指す。
同氏はさらに、「社内ルールが複雑化していくロジックが存在する」と指摘。「社内ルールが複雑過ぎる」「複雑で分かりづらいからミスをする」「再発防止策として新たなルールが増える」という“負のスパイラル”が繰り返されるとした。その上、現在はコロナ禍の影響でリモートワークが増加したことで、「分からない点を気軽に同僚に尋ねる」といった対応もやりにくくなってしまったため、現場の従業員のストレスがさらに高まることになっているという。
BizFront/SmartUI Decision Managerは、「AIが申請時の書き方や注意事項を提案」「既存システム改修不要でコスト削減」「社内ルールの管理/運用が簡単」の3点を主な特徴とする。申請書作成用のウェブフォームなどにユーザーが入力する際に、何の申請なのかを端的に示すキーワードが入力されたら、それを手がかりにAIが適切な記述のひな形を提示したりする。
NTTアクセスサービスシステム研究所のUI拡張技術は、既存のウェブ画面を改造することなく、ユーザーインターフェース(UI)部品(プルダウンリストやラジオボタンなど)を追加し、既存のウェブ画面と連携して動作させる技術で、これとAI技術を組み合わせることでユーザー支援を実現している。
成果として、同社内のワークフローシステムでの検証の結果、「購買や受発注、経費精算などに関わる事務処理の稼働時間を年間約4000時間削減する効果が出ている」という。社内ルールが複雑になりがちな1000人以上の組織を主な対象として、初年度10~20社、5年後には年間10億円の売り上げを目標とする。