企業向けバーチャルコミュニケーションプラットフォームのRocket.Chatが約20億円調達、米海軍そしてイスラム国も利用

今回は「企業向けバーチャルコミュニケーションプラットフォームのRocket.Chatが約20億円調達、米海軍そしてイスラム国も利用」についてご紹介します。

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本記事は、TechCrunch様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


Slackのようなチャットプラットフォームは、ビジネスユーザーが仕事上のコミュニケーションから何を求め、何を期待するかという点で、従来の流れを変える役割を果たしてきた。統合されたオープンソースに狙いを定めた会社が米国時間2月3日、その成長を加速するための資金調達を発表した。

Rocket.Chatはオープンソースのプラットフォームを手がけるスタートアップで、銀行、米海軍、NGO、その他大小さまざまな組織が、同社のサービスを活用して1つの場所から安全性の高い各種のバーチャルコミュニケーションサービスをセットアップし、運営している。チームチャットに加えて、顧客サービス、スタッフや外部パートナーをカバーするコラボレーションプラットフォーム、学校の教室、会議などにも対応する。このRocket.Chatが1900万ドル(約20億円)を調達した。

同社は今回調達した資金を、さらなる顧客の拡大に充てるとともに、セキュリティ機能の強化、ブロックチェーンアーキテクチャ上での連携、マーケットプレイスのアプリ、ボットのオプション、ソーシャルメディアとオムニチャネルの顧客サービスの統合、バーチャルイベント向けの設備拡充など、プラットフォームの機能を拡張するために活用する予定だ。

ビジネス上のやり取りがますますバーチャル化していく中、バーチャルコミュニケーションプラットフォームを構築するRocket.Chatのような企業がより多くの機能を実装する道が開かれてきている。

シリーズAの資金調達ラウンドはValor Capital Groupが主導しGreycroft、Monashees、NEAによる強力な支援の他、e.ventures、Graphene Ventures、ONEVC、DGFの参加も得た。ブラジルのポルトアレグレを拠点とするこのスタートアップ(デラウェア州で法人化)は、現在までに2700万ドル(約28億円)を調達している。

「私たちはGabriel(ガブリエル・エンゲル氏、Rocket.Chatの創設者兼CEO)とRocket.Chatのことを数年前から知っており、彼らのオープンソースプラットフォームには非常に感銘を受けています。どのような組織でも、カスタマイズされたルックアンドフィールで独自のチャットツールを安全に管理することができます」 とValor Capital Groupでパートナーを務めるAntoine Colaço(アントワーヌ・コラソ)氏は述べている。「彼らは国際的な顧客ベースを通じて自社のプラットフォームの価値を証明しました。これには世界的な大企業や政府機関がクライアントとして含まれています。今回のラウンドの後も、同社の強力な顧客と開発者の成長が世界中に広がっていくことを期待しています」 。

Rocket.Chatは今回のラウンドでの評価額を明らかにしていないが、2020年の顕著な成長を反映していることは確かだ。同スタートアップは現在、1600万人の登録ユーザーを150カ国に擁しており、そのうち800万人が月間アクティブユーザーである。この1600万人のうち1130万人は過去6カ月内に同サービスに登録したユーザーだ。同社によると、現在約84万5000のサーバにインストールされており、1500人以上の開発者が同社のプラットフォーム上で開発を行っているという。

Rocket.Chatは、オープンソースプラットフォームへの大規模な取り組みの一環として、資金調達とビジネス拡大を進めている。

エンタープライズITの世界でオープンソースが約束しているのは、対象となる組織が必要とする用途に合わせてサービスをカスタマイズするプラットフォームを提供すると同時に、ビジネス環境でのセキュリティや拡張性などの面で十分に堅牢であることを確保するためのツールを備えていることだ。

ここ数年にわたって、これは大きなビジネスチャンスにつながるものとなっている。企業がITサービスに期待し、必要とするものがより洗練されてきていることから、既製のアプリケーションが必ずしも要求を満たすとは限らない場合もあるからだ。

Rocket.Chatはあらゆる通信ニーズに対応するオールインワン型の大型店舗のような存在であり、各組織はそれぞれの目的に合った方法でサービスを組み合わせている。

顧客自身がホストして管理することもできるし、クラウドベースのSaaSとして利用することもできる。料金は、顧客がどのサービスを利用したいか、ホストされているかどうか、およびプラットフォームの毎月の使用量によって異なり、無料(最小限のセルフホスティングサービスの場合)からユーザー1人当たり月額4ドル(約420円)、あるいはそれ以上となっている。

画像クレジット:Rocket.Chat

ここに示したモックアップからわかるように、基本的なプラットフォームはSlackに少し似ている。しかし、たとえば顧客サービスのためのオムニチャネル通信に使用している場合、顧客との通信に使用される可能性のある他のプラットフォームからの通信を組み込むことができるプラットフォームをRocket.Chat内に構築することが可能だ。

同社のワークコラボレーションプラットフォームは基本的なチャットインターフェイスからスタートするが、定期的に使う他のアプリやビデオ通話などへのアラートやリンクを統合することもできる。Rocket.Chat上に構築されたこれらの機能やその他の機能は別に使うこともできるが、顧客サービスのチケットを社内の技術サポートチームに渡すなど、相互にやり取りすることもできる。

つまり、組織自身がホストして管理できるバージョンを提供することで、組織の電子的なメッセージングに対するプライバシーと管理を強化できるということだ。

同社の何千もの顧客は、まさにそれを実現するソリューションを求めているわけだが、興味深い組織が顧客に名を連ねている。

CEOで創設者のGabriel Engel(ガブリエル・エンゲル)氏がTechCrunchに語ったところによると、そのリストには米海軍を含む軍事および公共部門の組織の他、クレディ・スイスのような金融サービス企業、コーネル大学、カリフォルニア大学アーバイン校、ビーレフェルト大学などの教育機関、ドイツ鉄道輸送網など、多数の民間企業が名を連ねているという。かつての顧客にはシティバンクやアリゾナ州も含まれている。

しかし、この柔軟性が常にRocket.Chatの有利に働くとは限らない。議論の余地はあるが、このリストには、メッセージを特定の利用者に限定したいと考えている対極的な種類の組織も含まれているようである。イスラム国もまた、メッセージ配信のためにRocket.Chatをホストし、運用していることが判明している。

エンゲル氏は、これは同社がサポートしているものではなく、当局と協力してこのようなユーザーを可能な限り排除しているものの、サービスの構築方法がもたらした結果だと説明する。

「彼らが独自のRocket.Chatサーバーを運用している場合、利用状況を追跡することはできません」と同氏はいう。「米海軍がRocket.Chatを使うのには理由があります。それは私たちが彼らが何をしているのかを追跡できず、知ることができないからです。良くも悪くも、いかなる外的影響からも切り離されています」。また、違法な組織がSaaSバージョンを使用している場合、当局と協力してそれらを削除するポリシーを同社は持っているとつけ加えた。「しかし、Linuxと同様に、Rocket.Chatを自分のコンピューター上でダウンロードして実行する場合は当然ながら私たちの手の届かないものとなります」。

意図的にプライバシーを確保して構築されたプラットフォームが悪用される可能性があると聞くと、悪用を防ぐ手立てはほとんどないように思われ、その利点の一部は打ち消されてしまうように見える。この倫理上の問題、およびテクノロジーがそれを解決できるかどうか、あるいはそれが政府当局に委ねられるかどうかは、Rocket.Chatだけでなく私たち全員にとっての問題であり続けるだろう。

そうした中で、それを必要とするグループに代替案を提供することに投資家たちの関心が集まっている。

「今日の環境において、組織は、チームを内部的に関与させ、顧客やパートナーと外部的に通信し、安全な利害関係に基づくコミュニティと接続するための安全な通信プラットフォームを持たなければなりません」とGreycroftでパートナーを務めるDylan Pearce(ディラン・ピアース)氏は声明の中で語った。「Rocket.Chatの世界クラスの経営チームとオープンソースコミュニティは、イノベーションにおいて業界をリードし、地球上のすべての人にサービスを展開できるコミュニケーションプラットフォームを提供するものです」。

画像クレジット:Rocket.Chat


【原文】

Chat platforms like Slack have been game-changers when it comes to what business users want and expect out of their work communications. Today, a company that’s aiming to move the goalpost again with an integrated, open-source alternative is announcing some funding to fuel its growth.

Rocket.Chat, a startup and open-source-based platform of the same name used by banks, the U.S. Navy, NGOs and other organizations big and small to set up and run any variety of secure virtual communications services from one place — they can include not just team chat, but also customer service, collaboration platforms covering your staff and outside partners, school classrooms, conferences and more — has raised $19 million.

The company plans to use the funding both to continue adding more customers, but also expanding the platform’s functionality, including more security features, a way to use the service over federated blockchain architecture, apps for marketplaces, options for bots, and more social media and omnichannel customer service integrations, and potentially facilities for virtual events.

As more business interactions have gone virtual, it has essentially opened the door for companies like Rocket.Chat building virtual communications platforms to build in an increasing number of features into what it does.

The Series A round of funding was led by Valor Capital Group, with Greycroft, Monashees and NEA giving strong backing and e.ventures, Graphene Ventures, ONEVC and DGF also participating. The Porto Alegre, Brazil-based startup (which is incorporated in Delaware) has now raised $27 million to date.

“We’ve known Gabriel and Rocket .Chat  for several years now and have been very impressed by their open-source platform, which allows any organization to securely manage its own chat tool with customized look-and-feel,” said Antoine Colaço, Partner at Valor Capital Group, in a statement. “They have proven the value of their platform through an international customer base, which includes some of the largest global corporations and government agencies as clients. We’re excited for the company to continue its strong customer and developer growth around the world after this round.”

Rocket.Chat is not disclosing its valuation with this round, but it indeed comes on the back of some significant growth in the last year. The startup now has 16 million registered users across 150 countries, with eight million of them monthly active users. Of that 16 million, 11.3 million users registered for the service in the past six months. It’s currently installed on some 845,000 servers, the company said, and has over 1,500 developers building on its platform.

Rocket.Chat’s funding and expanding business comes as part of a bigger focus overall for open-source platforms.

The promise of open source in the world of enterprise IT has been that it provides a platform to customise a service to fit with how the organization in question wants to use it, while at the same time providing tools to make sure it is robust enough in terms of security, extensibility and more for use in a business environment.

Over the years, it has become a big business opportunity, in line with organizations getting more sophisticated in terms of what they expect and need out of their IT services, where off-the-shelf apps may not always fit the bill.

Rocket.Chat positions itself as something of an all-in-one superstore for any and all communications needs, with organizations putting their own services together in whatever way works for their purposes.

It can either be hosted and managed by customers themselves, or used as a cloud-based SaaS, with its pricing ranging between free (for minimal, self-hosted services) to $4 per user per month, or higher, depending on which services customers want to have, whether its hosted and how much the platform is being used each month.

Image Credits: Rocket.Chat

As you can see in the mock-up here, its basic platform looks a little like Slack. But if you are using it for omnichannel communications for customer service, for example, you can build a platform within Rocket.Chat where you incorporate communications from any other platforms that might be used to communicate with customers.

Its work collaboration platform starts with Rocket.Chat’s basic chat interface, but also allows you to integrate alerts and links to other apps that you regularly use, as well as video calls and more. These and other functions built on Rocket.Chat can then be made to interact with each other — for example handing tickets off in customer service to internal tech support teams — or separately.

The idea is that by providing a version that can be hosted and managed by organizations themselves, it gives them more privacy and control over their electronic messaging.

Its thousands of customers reflect an interesting mix of the kinds of organizations that are looking for solutions that do just that.

Gabriel Engel, the CEO and founder, tells me the list includes several military and public sector organizations including the U.S. Navy, financial services companies like Credit Suisse, as well as the likes of Cornell, UC Irvine, Bielefeld University and other educational institutions, the Deutsche Bahn transport network and a number of private companies. Former customers have also included Citibank and Arizona State.

That flexibility does not always play to Rocket.Chat’s advantage, however. Controversially, it seems that the list also includes the other end of the spectrum of organizations that want to keep their messages limited to a very specific audience: Islamic State it turns out also hosts and runs a Rocket.Chat to disseminate messages.

Engel says that while this is not something that the company supports, and that it works with authorities to shut down users like these as much as it can, it’s a consequence of how the service was built:

“We are not able to track usage if they are running Rocket.Chat servers of their own,” he said. “There’s a reason why the U.S. Navy uses Rocket.Chat. And that’s because we cannot track and know what they’re doing. It’s isolated from any external influence, for better or worse.” He added that the company has policies so that if an illicit organization is using its SaaS version, these get taken down in cooperation with authorities. “But just as with Linux, if you download and run Rocket.Chat on your own computer, then obviously it’s out of our reach.”

Hearing about how a platform built with privacy by design can be abused, with seemingly little to be done about it, does seem to offset some of the benefits. The ethics of that predicament, and whether technology can ever solve it, or whether it will be up to government authorities to address, will continue to be a question not just for Rocket.Chat but for all of us.

In the meantime, investors are interested because of the alternative it provides to those groups that need it.

“In today’s environment, organizations must have a secure communication platform to engage teams internally, communicate with customers and partners externally, and connect with safe interest-based communities,” said Dylan Pearce, partner at Greycroft, in a statement. “Rocket.Chat’s world-class management team and open-source community lead the industry in innovation and provide a communications platform capable of serving every person on the planet.” 

(文:Ingrid Lunden、翻訳:Dragonfly)

COMMENTS


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