オブジェクトストレージの利用拡大とその背景を考察する

今回は「オブジェクトストレージの利用拡大とその背景を考察する」についてご紹介します。

関連ワード (ITインフラ等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 過去10年間で、クラウドと仮想化技術は、情報技術の分野において多くの投資、リソース、そしてそれに伴う進歩を遂げてきたといっても間違いありません。特にこの5年間、その進歩の多くはプライベートクラウドにパブリッククラウドと同様のメリットをもたらすことに重点が置かれてきました。その中心となっているのがストレージ、特にオブジェクトストレージです。

 オブジェクトストレージはクラウドにとって最適なストレージプラットフォームです。Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platform(GCP)などの幅広いサービスで採用されており、現代のクラウドワークフローに必要不可欠な要素となっています。API駆動型のアプリケーションやインフラストラクチャ―、運用性の高さ、スケーラビリティー、堅ろうなセキュリティ、耐障害性などが挙げられます。

 APIは、最新のアプリケーションとインフラストラクチャーを連携させるために必要であり、全てのワークフローで中心的な役割を担ています。これによってアプリケーションはインフラストラクチャーに対して宣言的なリクエストを行うことができます。宣言的コマンドでは、アプリケーションは何がどのように行われるかを命令的に記述するのではなく、単に何が行われるかを要求することができます。まるで、自分で食事を作るのではなく、ウェイターに食事を持ってきてもらうのと同じようなイメージです。

 宣言的な操作には、アプリケーションの開発とインフラストラクチャーのデプロイがより速くなるという利点があります。オブジェクトストレージプラットフォームの中には、REST APIをネイティブにサポートしているものもあります。REST APIはウェブベースのワークフローにおいて事実上の標準APIです。REST APIでクラウドベースのワークフローを駆動させることにより、アプリケーションの開発とインフラストラクチャーの運用が大幅に効率化されます。クラウドワークフローとインフラストラクチャーを採用する上で、これは最も重要な要素となるでしょう。パブリッククラウドやプライベートクラウドはこうした恩恵を享受できるわけです。

 APIは、ストレージの設定/管理、アプリケーションからの透過的なストレージの読み書き、ストレージ容量の拡張に至るまで、ストレージのあらゆる面にメリットをもたらします。 パブリッククラウドはストレージの容量拡張が簡単ですが、最新のオブジェクトストレージプラットフォームの中には、プライベートクラウドにも同様のシンプルさをもたらしているものがあります。オブジェクトストレージの自前管理が進むにつれ、容量の追加はサーバーを増設してマウスクリックだけで簡単にできるようになります。

 最近のオブジェクトストレージプラットフォームの多くは、パブリッククラウドと同じように使いやすく、運用しやすいように設計されています。多くのグローバル企業は、組織全体にサービスを提供するために複数のデータセンター、多くの場合は複数の国にオブジェクトストレージサーバーを設置しています。このストレージサーバーのネットワークはシングルネームスペースのストレージとして構成され、組織のどの部門あるいは世界のどの地域でも適切な認証情報を持っている人であれば、誰でもストレージにアクセスして利用することができます。

 まるでパブリッククラウドのように聞こえるかもしれませんが、より安全なプライベートクラウドであり、その利用は単一の企業に限定されます。ただ、本質的には同じものであり、企業のさまざまな部門に安全性の高いストレージの「バケット」を割り当て、各バケットには個別のサービス品質、アイデンティティーとアクセス管理のスキーム、暗号化と圧縮の設定、課金設定などが提供されます。実際、多くの企業がこのような「共有サービス」を全社的に提供しており、パブリッククラウドのように各部門に利用料金を請求することで、企業はIT部門をコストセンターからプロフィットセンターに変えることができます。

 では、プライベートクラウドとパブリッククラウドが同じものであれば、なぜパブリッククラウドを利用しないのでしょうか。プライベートクラウドのストレージコストはパブリッククラウドの何分の一かに過ぎないからです。ほとんどのパブリッククラウドのストレージサービスは、データを保存するために一見妥当な価格が請求されますが、データにアクセスしたり内部ネットワークを介して送信したりした場合には、非常に高い料金が請求されます。

 その他の大きな理由としては、セキュリティとパフォーマンスが挙げられます。実際、IDCの調査によると、85%の企業が2019年の1年間でワークロードをパブリッククラウドからプライベートクラウドに戻し始めたと回答しており、さらに驚くべきことに平均的な企業では、今後2年以内に現在パブリッククラウド上にあるワークロードの50%近くをオンプレミスに移行すると予想されています。

 プライベートクラウドでは、サイバー攻撃などのセキュリティ上の脅威からデータを保護するだけでなく、オブジェクトストレージの広範なデータ保護メカニズムにより、故障したディスクやサーバー、データセンター全体の障害などからデータを保護し、最大99.999999999999% のデータ回復力を提供することができます。

 また、オブジェクトストレージプラットフォームの中には、日本政府や金融機関が認めているFIPSやコモンクライテリアなど、世界各国の政府や金融機関が求める高いレベルのセキュリティを提供するものもあります。ランサムウェアなどのサイバー攻撃が日本のみならず世界的に急速に拡大している中、オブジェクトストレージはデータの不変性というユニークなソリューションを提供しており、企業は内部の管理者であっても決して改ざんや削除ができない企業データのバックアップコピーを作成することができます。

 従来のデータ保護スキームでは、新たなランサムウェア攻撃の猛威に追い付けず、これらの保護スキームが重要になってきています。攻撃を受けた企業の85%は既に最新のエンドポイント保護を利用しているといわれており、攻撃者が侵入して本番システムにマルウェアを設置した場合でも復元できる不変性を有するコピーを作成することが重要になってきています。

 要約すると、セキュリティ、コスト、パフォーマンスは、日本や世界の企業がパブリッククラウドストレージに代わる/補完するものとして、プライベートクラウドでオブジェクトストレージを利用するようになってきている最大の理由です。言い換えると、オブジェクトストレージの利用により、重要な要素であるセキュリティ、コスト、パフォーマンスの各要素が最適化されることになります。結果として、パブリッククラウドとプライベートクラウドのギャップを感じることなく、オンプレミスにあるオブジェクトストレージの利用拡大につながります。

プロトスター株式会社 | 挑戦者支援インフラを創る

プロトスターは“挑戦者と共により良い世界を創る“べく集ったチームです。スタートアップや起業家、企業の新規事業推進者などの“挑戦者“を支援する多様なサービスを展開しています。

ルネサス、20年12月期営業利益は10倍の651億円 インフラ …

ルネサスエレクトロニクスは10日、2020年12月期の連結営業利益(国際会計基準)が前年の10倍となる651億円だったと発表した。利益率の高い産業・インフラやIoT(モノのインターネット)向け事業での増収や、固定費の削減が寄与した。

twitter.com

詳細の表示を試みましたが、サイトのオーナーによって制限されているため表示できません。

米、インフラ整備で対中競争 大統領「打ち負かされる ...

バイデン米大統領は11日、与野党の上院議員らと面会し、大規模なインフラ整備を巡って「動かなければ、中国に打ち負かされる」と述べ、投資拡大への協力を要請した。積極…

日本図書コード管理センター – Japan ISBN Agency

日本出版インフラセンターでは、新型コロナウイルス感染症対策のため、テレワークを実施しています。 そのため、当面の間、電話対応を停止させていただいておりますので、ご了承願います。

アルミ複合板多機能建材パネル-アルポリック(ALPOLIC)

三菱ケミカルインフラテックのアルミ複合板(多機能建材パネル)であるアルポリック(ALPOLIC)を日本語で紹介するページです。

令和元年度補正「災害時に備えた社会的重要インフラへの自衛 ...

 · 2020.04.28 令和元年度補正「災害時に備えた社会的重要インフラへの自衛的な燃料備蓄の推進事業費補助金(災害時に備えた社会的重要インフラへの自衛的な燃料備蓄の推進事業のうち中小企業・小規模事業者自家用発電設備 ...

一般社団法人次世代自動車振興センター

CEV、EV・PHV用充電設備、水素ステーション、サポカーの補助金交付を行う一般社団法人次世代自動車振興センター。環境・エネルギーに優れた自動車の普及を促進しています。

令和元年度補正・令和2年度 災害時に備えた社会的重要インフ …

 · 災害時に備えた社会的重要インフラ への自衛的な燃料備蓄の推進事業費補助金 トップページへ 本年度の 事業について 申請の手引き 業務方法書・細則 資料・様式の ダウンロード Q&A ※本年度は開催しません。 ※A3横で印刷ください ...

東芝通信インフラシステムズ株式会社

東芝通信インフラシステムズ株式会社 トップページです。 本文へ移動する メニューへ移動する サブメニューへ移動する ここからメニューです。 ここから本文です。 バックナンバー 2020年4月16日 東芝グループ 4月の営業日短縮につい ...

COMMENTS


Recommended

TITLE
CATEGORY
DATE
エヴァ新劇場版の名せりふ、海外ではこうなる 11言語による名場面集をYouTubeで公開
くらテク
2021-08-13 19:05
「Google Glass」法人向けモデルが日本でも 17万8000円で8月発売
企業・業界動向
2021-07-16 00:28
セールスフォース、Slackを統合した「Slack-First Customer 360」の機能やビジョン
IT関連
2021-08-19 23:21
NTTデータ、法人ビジネスを改組
IT関連
2023-03-29 08:03
第57回:経理システムに触れないひとり情シス
IT関連
2022-10-21 23:06
ランサムウェア攻撃で190万人分の医療情報が流出のおそれ–米債権回収会社で
IT関連
2022-07-16 10:16
アバター作成スタートアップGeniesがNFT人気に乗じて約71億円調達
ブロックチェーン
2021-05-05 06:45
NECら、スマホを出さずに“顔パス”でポイントたまる新サービス–複数店舗で導入
IT関連
2023-10-04 05:14
日本パープル、アドビの電子サインサービスと契約書管理「ConPass」を連携
IT関連
2022-07-05 20:37
乃村工藝社、国内グループ7社の基幹システムを刷新–連結決算業務の効率化・早期化に寄与
IT関連
2021-06-24 20:46
機械学習は「最も利用すべき技術」–だが実利用には至らず
IT関連
2022-07-27 12:37
「Power Apps」を使ってSharePointリストでキャンバスアプリケーションを作る
IT関連
2022-01-19 19:30
Appleは蔓延するアプリの評価詐欺を根絶するよう開発者に迫られている
ネットサービス
2021-02-15 18:18
Google CloudのJavaランタイムにEclipse Temurin採用へ、GoogleがEclipse Adoptiumに参加を発表
Eclipse
2022-10-24 16:08