ターンキー宇宙サービスを目指すPhantom Spaceが衛星プログラムのStratSpaceを買収しさらに前進
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本記事は、TechCrunch様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
2021年の打ち上げ回数は新記録になる勢いだが、需要は急速に伸びている。Phantom Space Corporation(ファントム・スペース・コーポレーション)のような会社は、これまで宇宙産業で見たことのない量産技術を使ってその需要を満たそうとしている。このほど同社は、衛星プログラムのデザインと管理を行うStratSpace(ストラトスペース)を買収したことを現地時間5月25日に発表した。これは、宇宙輸送・製造のターンキーサービスを構築するための重要な一歩である、とPhantom Spaceの共同ファウンダーであるMichal Prywata(マイケル・プライワタ)氏がTechCrunchに話した。
「StratSpaceは、宇宙船を運行するために必要なノウハウ、ツール、衛星構成、通信システムをすべてもっています」と同氏は説明した。「これは当社にとって極めて重要です。なぜなら私たちはスタートからフィニッシュまであらゆる宇宙サービスをカバーする最初の企業になろうとしているからです」。買収の条件について会社は公表を拒んだ。
Phantom Spaceの狙いは、ロケット量産戦略に買収を組み合わせることで「ワンストップショップ」となり、宇宙へのアクセスをコストダウンすることだ。同社は最大450kgの貨物を低地球軌道に運ぶ専用打ち上げを400万ドル(約4億4000万円)で提供することを目指している、とプライワタ氏は語った。
「私たちは年間何百、もしかした数千回という話をしています」、と会社の目標打ち上げ回数についてプライワタ氏は語った。「現時点で、市場は間違いなく年間数百回の打ち上げを支えています」。
まだロケットモデルの飛行テストすら始めていない会社としては壮大な願望だ。Phantom Spaceは、同社がエンジンや航空電子機器など開発に何年もかかるような部分を外部調達していると語った。その他の部分やサービスについては、買収戦略を利用するつもりだ。
「買収に非常に積極的なのはそれが理由です。今こそ必要なテクノロジーと企業を1つの傘の下に集め、アイデアを採用して宇宙へ持っていくことのできる会社の総合インフラストラクチャーを作り始めるチャンスだと思っています」と彼は言った。そこには衛星の開発、統合、打ち上げ、データ通信が含まれている。「私たちは全方位をカバーすることを目指しています。そうすることで宇宙に持ち込みたいと思っているアプリケーションをもつ他の会社を助けることができます。そのために必要な要素を私たちはすべて持っているからです」。
Phantom Spaceは、2023年第1四半期に、2段式ロケットDaytona(デイトナ)を最初に打ち上げることが目標で、ステージレベルのテストは2022年に開始予定だ。同社の「働き手」となる打ち上げ機であるDaytonaは、高さ18.6mで、8基のエンジンを使って450kgを低地球軌道に運ぶことができる。Daytonaは完全に使い捨てだが、同社の大型モデルのロケットLaguna(ラグナ)は再利用する計画だ。
会社はカリフォルニア州ヴァンデンバーグ空軍基地の第5発射施設に入る権利を取得しており、ここが最初の打ち上げの場所になる可能性が高い。同社は最近アラスカ州のパシフィックスペースポートコンプレックスとの契約にも署名した。そこではAstra(アストラ、こちらもロケット量産を目指している企業)が打ち上げを行っており、最終的にフロリダ州のケープ・カナベラル宇宙基地と打ち上げ契約を結ぶ計画だ。
しかし、仮に飛行テストが順調に進んだとしても、年間数百、数千もの打ち上げを行うことは、この国の宇宙基地の数を考えると現状では不可能だ。
「打ち上げを米国内で行うだけでは十分ではありません、なぜならこれら3カ所だけで年間数百回に到達することは不可能だからです」とプライワタ氏はいう。そこでPhantom Spaceはスウェーデン北部、オーストラリア北部、およびブラジルで発射場所を探している。同社は米国の連邦航空局とも、水平打ち上げに限定されている宇宙基地で垂直打ち上げを可能にするライセンスについて交渉している。
Phantom SpaceによるStratSpaceの買収は、数多い買収の始まりにすぎない、とプライワタ氏は述べた。「私たちはまだ小さいので、成長するために貪欲になろうとしています」と彼はいう。「そのために、小さいけれども私たちの全体戦略を可能にする非常に重要な買収から始めています」、
画像クレジット:Phantom Space Corporation
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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Nob Takahashi / facebook )
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