イオンリテール、約350店舗に「AIワーク」と「MaIボード」を展開–より働きがいのある職場を実現へ
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イオンリテールは、同社の推進するデジタルトランスフォーメーション(DX)の一環として「従業員体験価値」(EX)を高める取り組みを進めている。同社は7月25日、関東・北陸・信越・東海・近畿・中国・四国の「イオン」「イオンスタイル」約350店舗に、勤務計画の自動作成システム「AIワーク」とチーム内の情報共有ツール「MaIボード」を展開すると発表した。
AIワークは、チームの勤務計画を自動で起案するシステムで、パナソニック コネクトのSaaS型業務アプリケーション「CYTIS Shift for Retail」をカスタマイズして開発した。従業員の計画業務時間を低減するほか、勤務希望の提出と勤務シフトの確認を携帯端末からいつでも行える。
AIワークでは、まず従業員一人一人の勤務パターンをシステムに入力し、モデルを作成する。その後、実際の勤務希望と月間労働時間を基に、人工知能(AI)が自動で適切な勤務計画を起案する。勤務パターンだけでなく、一人一人の職能もデータ化することで、チームの課題を把握しやすくなり、補充人員の確保や技能教育などを、よりスムーズに行えるという。今後、時間帯ごとの作業割り当ての実装を予定している。
6月に約60店舗で試験導入した結果、利用部門の勤務計画の作成時間が70%低減されたほか、勤務希望の申請や勤務計画の確認を携帯端末上でできるようになったため、勤務計画に関わる紙の使用量を90%削減した。
MaIボードは、連絡ノートや掲示板などのアナログな情報共有ツールに替わり、デジタルサイネージでチーム内の情報共有を行えるツールである。こちらも、パナソニック コネクトのデジタルサイネージソリューション「AcroSign」の技術をベースに新たに共同設計・開発した。
MaIボードでは、画面から業務連絡や作業の確認ができ、コミュニケーションを円滑にする。また、営業数値やチラシ情報のほか、近隣店舗との比較や好調商品など、店舗運営における「改善のヒント」となる情報も常時更新される仕組みだ。
こうした情報をミーティングで共有することで、チームメンバーから改善プランが生まれやすくなり、自分たちで考えたプランが成果に結び付くと、「やりがい」にもつながるとしている。
イオンリテールがデジタルを活用したEXの向上で目指す姿は、単なる省力化や省人化ではなく、「一人一人が後方業務や単純作業に縛られない“より働きがいのある”職場の実現と、お客さまへの提供価値の向上」であると説明する。
予測精度の高い計画をAIが起案することで、ムダ・ムリ・ムラの少ない適切な人員配置に近づけ、「働いた分きちんと成果につながる」生産性の高い環境へと導くとし、MaIボードによってチームでの改善活動が促進されることで、「自分たちで売場や環境を良くする」機会が増え、「より一層の働き甲斐が感じられる職場になる」とアピールする。