南アフリカの自動車サブスクリプション会社Planet42がカーボンニュートラルを目指す理由

今回は「南アフリカの自動車サブスクリプション会社Planet42がカーボンニュートラルを目指す理由」についてご紹介します。

関連ワード (Planet42、カーボンニュートラル、中古車、二酸化炭素、南アフリカ、電気自動車等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、TechCrunch様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


UberやBoltのような配車サービス企業が交通業界の在り方を覆して以来、彼らの悩みの種となってきたのは交通渋滞と公害だ。調査によると、自家用車よりも配車車両による移動の方が排出量が多いことが示されている。

二酸化炭素排出量を削減して後者の問題を解決するべく、両社はライドシェアリングや、自転車やスクーターのシェアリングサービスといった他の交通モデルの構想を打ち出してきた。また、公共交通機関のスケジュールに合わせたサービス提供や、ドライバーに電気自動車への切り替えを促すインセンティブの提供などにも取り組んでいる。しかし、これらのモデルはほとんど成功していない。

2018年、Lyftはさらに一歩踏み込んで、カーボンニュートラルの実現を宣言した。Atlanticによると、Lyftはサンフランシスコに拠点を置くサステナビリティ企業3Degreesからカーボンクレジットを購入することで、その取り組みを実行する計画を立てた。

Lyftは2019年の一年間で、240万エーカーの木を植樹するのに匹敵する量の炭素を削減したと発表した。同社は206万2500トンのカーボンオフセットを購入してこれを達成したが、2020年には従来の路線に回帰している。

このプログラムによってLyftはカーボンニュートラルを実現したものの、これはコストのかかるプロセスだった。同社は、配車サービスによって排出される正味の炭素排出量は長期的に見て引き続き増加するだろうと主張した。そのためLyftは2030年までに乗車の提供を電気自動車に限定すると宣言した。これは世界中の大半の自動車会社と同じであり、各社とも将来的に電気自動車を通じてカーボンニュートラルを達成することを約束している。

一方、南アフリカに拠点を置く自動車会社Planet42は、カーボンニュートラルを将来的にではなく今現在達成することを目指している。だがPlanet42は配車サービス会社ではない。ディーラーから中古車を購入し、サブスクリプションモデルで顧客に貸し出すサブスクリプションサービスを展開している。

関連記事:Polestarが2030年までに温暖化ガスの排出量をすべて見直して初の「クライメートニュートラル」なEV開発を目指す

Marten Orgna(マルテン・オルグナ)氏とEerik Oja(エリック・オジャ)氏によって設立されたPlanet42は、新興市場の個人をターゲットにしているが、その事業展開はアフリカに限定されている。同社はこれまでに南アフリカで3000台近くの車を調達しており、今後数年間で10万台に増やし、2025年までに全世界で100万台にする計画だ。

こうしたことからPlanet42は、配車サービスを提供しておらず、本来ならクルマを所有していない人々にクルマを提供するという点で社会的に大きなプラスの影響を与えているにもかかわらず、そのクルマから生じる排出ガスによって、限定的ではあるが環境上マイナスの影響をもたらしている。

多くの自動車会社はカーボンニュートラルになることに無気力になっているようだが、Planet42は間接的にどのように排出量に貢献するかを検証し、2020年行動に踏み切った。

「カーボンニュートラルになるという目標は価値がないと主張する人はほとんどいないと思いますが、世界はカーボンニュートラルに向けて十分な速さで進んでいないように感じました」とオジャ氏はTechCrunchに語った。「そこで私たちは、2040年までにカーボンニュートラルになるといった空虚な大構想を打ち出すのではなく、現時点でカーボンニュートラルを実現することを決断しました」。

画像クレジット:Planet42

電気自動車はアフリカではほとんど普及しておらず、植林にはコストがかかるが、同社はどのように取り組んでいるのだろうか。

Lyftの植林プロジェクトを支援する前に、3Degreesはいくつかの風力発電所の事業に関わり、また埋立地プロジェクトから温室効果ガスを回収した。Planet 42は風力発電所事業によるカーボンニュートラルの実現を選んだが、この取り組みに向けては南アフリカの現地企業と協力している。

最初のプロジェクトは南アフリカのノーザンケープ州にある風力発電所で、カーボンオフセットクレジットからの資金により、Planet 42はこの発電所に何カ月にもわたって資金の提供をすることができた。風力タービンから発電される電力は、石炭を燃やしたり、低炭素世界経済を支えるなど、他のより有害なエネルギー生産方法を相殺する。

「当社が及ぼすマイナスの影響を相殺するため、当社が事業を展開している市場でカーボンオフセットプロジェクトに投資しています。言い換えれば、当社がカーボンニュートラルに投資することは、自ら課した税に相当します。当社が率先して取り組むことで、アフリカやその他の地域の企業が追随してくれることを願っています」。

融資と株式で2000万ドル(約22億円)を調達した同社が最初にローンチしたときは、カーボンニュートラルを達成することは将来的な構想でさえもなかった。しかし今では、Natural Capital Partnersによってカーボンニュートラル企業として認定されただけでなく、投資家たちがこのプロジェクトに大きな関心を寄せている。

オジャ氏によると、同社の次の目標は、究極的には電気自動車によってカーボンニュートラルを達成することだが、その実現性は十分にあるだろう。アフリカにおける電気自動車の導入は、米国、欧州、さらにはその他の新興市場が抱える問題とは異なる別の問題に直面している。まず電力料金が高く不安定な電力供給が行われているという深刻な燃料上の問題がある。さらに、税制上の優遇措置、補助金、政策が全般的に欠如しているということ、そして平均的なアフリカの自動車所有者には高価すぎるという事実があげられる。

例えば、米国では100万台以上、英国では31万7000台以上の電気自動車が走っているが、Planet42の主要な市場であり、アフリカでトップの電気自動車市場である南アフリカではその数は約1000台にとどまっている。したがって、電気自動車が主流になるまでは、風力発電は同社のカーボンニュートラルへの取り組みに欠かせないものとなる。

「理想的には、私たちが実現を目指しているのは当社の車が電気自動車になることであり、それこそが私たちが将来に向けて計画していることです。そうすることで日々のオフセットは必要なくなりますが、私たちはまだそこに至っていません。最終的には電気自動車が理想的であることを誰もが理解しています。しかし、その未来は手元にあるものではないため、今すぐ行動していく必要があります」とCEOは語っている。

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画像クレジット:Planet42


【原文】

Since ride-hailing companies like Uber and Bolt disrupted the transportation industry, one of the thorns in their sides has been traffic congestion and pollution . Research has shown that trips from ride-hailing cars have more emissions than those from personal cars .

To reduce their carbon footprint and solve the latter problem, both companies have floated the idea of ridesharing and other transportation models, like bike and scooter-sharing services . They also have toyed with integrating public transportation scheduling and providing drivers with incentives to switch to electric cars . However , these models have found little or no success.

So in 2018, Lyft decided to go a step further by promising to attain carbon neutrality. According to The Atlantic, the company planned to execute this by purchasing carbon credits from 3Degrees , a sustainability company based in San Francisco .

In 2019, Lyft said it had eliminated the amount of carbon that would take 2.4 million acres of trees to remove in a single year . It achieved this by purchasing 2,062,500 metric tons of carbon offsets, but the company reverted to its old ways in 2020 .

But while the program made Lyft rides carbon neutral, it was an expensive process. The company claimed that net emissions from its rides would still increase in the long run. So Lyft promised to offer rides only in electric vehicles by 2030. This is the same with most car companies worldwide, each promising to attain carbon neutrality via electric cars in the future .

However , Planet, a car company based in South Africa wants to achieve carbon neutrality now, not later . But Planet42 isn’t a ride-hailing company. It offers a car subscription product that buys second-hand cars from dealerships and rents to customers via a subscription model .

Founded by Marten Orgna and Eerik Oja, Planet42 targets individuals in emerging markets but has a presence only in Africa . The company has bought nearly 3,000 cars in South Africa and plans to increase this number to 100,000 in the next few years — and 1 million cars globally by 2025 .

So despite not being a ride-hailing company and having a huge positive social impact because it gives cars to people who otherwise would not have them, there is a limited negative environmental impact Planet42 has due to the emissions produced by its cars .

While most car companies seem lethargic toward becoming carbon neutral, Planet42, studying how it indirectly contributes to emissions, decided to act last year .

“Few people would argue that becoming carbon neutral is not a worthwhile goal, but it seemed to us that the world is not moving towards carbon neutrality fast enough,” Oja told TechCrunch . “So instead of introducing a vacuous grand plan of becoming carbon neutral by 2040 or something like that, we decided to become carbon neutral now .”

Image Credits: Planet42

Because there are hardly any electric vehicles in Africa for mass consumption and planting trees can be costly, how has the company gone about it ?

Before helping Lyft embark on its tree-planting project, 3Degrees engaged in a couple of wind farms and captured greenhouse gases from landfill projects . Planet42 chose to neutralize its carbon emission through the former; however, it works with local companies in South Africa to reach this.

Its first project is a wind farm in Northern Cape, South Africa; with the money from carbon offset credits, Planet42 has been able to finance the farm for months . The power produced from wind turbines offsets other, more harmful energy production methods like burning coal and supporting a low carbon global economy .

“We are offsetting this negative impact by investing into carbon offset projects in the markets we operate in . To put it another way, the investments we make into carbon neutrality represent a self-imposed tax . We are leading by example and hope that companies in Africa and beyond will follow us.”

When the company, which has raised $20 million in debt and equity, first launched, attaining carbon neutrality wasn’t even an afterthought . But now, not only is it certified as a carbon-neutral company by Natural Capital Partners, its investors feel enthused about the project .

Oja says what’s next for the company will be to achieve carbon neutrality via electric cars ultimately . However , that might be a reach. The adoption  of electric vehicles in Africa faces additional problems different from what the U.S., Europe and even other emerging markets face . Top of mind is the dire power situation where unreliable power supply is provided at high electricity prices . Then there is a general lack of tax incentives, subsidies and policies, and the sole fact that they are too expensive for the average African car owner .

For instance, there are more than a million electric vehicles on U.S. roads and over 317,000 on U.K. roads. In South Africa — Planet42’s main market and Africa’s top electric car market, this number is just about 1,000. So, until electric cars become mainstream, wind farms will remain vital to the company’s carbon-neutral efforts .

“ Ideally, what we could be doing is for our cars to be electric, and that’s what we’re planning for the future. When we do that, there wouldn’t be any need for offsets on a day to day side but we’re not there right now. Everyone understands that ultimately electric cars will be ideal; however, that future is not now and we need to act right now, ” the CEO said.

(文:Tage Kene-Okafor、翻訳:Dragonfly)

COMMENTS


37862:
2021-05-31 17:48

【南アフリカの自動車サブスク会社の取り組みは?】 Planet42は中古車を顧客に貸し出すサービスを展開する会社。 事業で排出してしまうCO2の問題に対し、カーボンニュートラルへ間接的に貢献するために、風力発電所などカーボンオ…

37865:
2021-05-31 17:18

南アフリカの自動車サブスクリプション会社Planet42がカーボンニュートラルを目指す理由

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2021-05-31 17:11

南アフリカの自動車サブスクリプション会社Planet42がカーボンニュートラルを目指す理由

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2021-05-31 10:53

南アフリカの自動車サブスクリプション会社Planet42がカーボンニュートラルを目指す理由 (2021-05-29 12:00 PM)chCrunchJP

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2021-05-31 10:43

南アフリカの自動車サブスクリプション会社Planet42がカーボンニュートラルを目指す理由 (2021-05-29 12:00 PM)chCrunchJP

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2021-05-31 10:41

最新コメント10件(05/29 13:20) 南アフリカの自動車サブスクリプション会社Planet42がカーボンニュートラルを目指す理由 | TechCrunch Japan|ナウティスニュース

37866:
2021-05-31 10:17

南アフリカの自動車サブスクリプション会社Planet42がカーボンニュートラルを目指す理由 | TechCrunch Japan

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2021-05-31 09:47

南アフリカの自動車サブスクリプション会社Planet42がカーボンニュートラルを目指す理由

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