DNA検査で犬の健康問題を早期発見するEmbark Veterinaryにソフトバンクも投資

今回は「DNA検査で犬の健康問題を早期発見するEmbark Veterinaryにソフトバンクも投資」についてご紹介します。

関連ワード (DNA、Embark Veterinary、Softbank Vision Fund、ペット、犬、資金調達等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、TechCrunch様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


今や犬も新型コロナウイルスに感染するというが、そんなときでもEmbark Veterinaryは慌てず騒がずちゃんとDNA検査をして発病を防ぎ、次の10年間の犬の寿命を現在の予測よりも3年以上長くしてくれる。

犬の遺伝子治療を行っているこのボストンの動物病院は、このほどシリーズBで7500万ドル(約82億6000万円)を調達し「ペットのスタートアップのシリーズBとしてはこれまでで最高額」と自称している。ラウンドをリードした投資家はSoftBank Vision Fund 2で、これにF-Prime CapitalやSV Angel、Slow Ventures、Freestyle Capital、そしてThird Kind Venture Capitalらが参加している。

Crunchbaseのデータによると、2015年に創業したEmbarkの総調達額はこれで9430万ドル(約104億円)になり、投資後の評価額は7億ドル(約771億3000万円)になると、Embarkの創業者でCEOのRyan Boyko(ライアン・ボイコ)氏はいう。

犬好きのボイコ氏は、生物学と進化にも関心がある。特に彼にとって犬は、品種の多さが関心をそそるという。体重がわずか1kgでも、100kg近くても犬。形やサイズも非常に多様だ。そこで彼は犬の研究に関心を持ち、特に彼らの進化を理解したいと思った。

「健康の問題についても考えるようになりましたが、率直に言って、健康のために遺伝子を上手に利用している点では、犬の体の方が人間より上です。犬は交配によって新しい犬種を生み出すことができますが、交配は犬の健康に貢献すると同時に、健康問題の原因でもあります」とボイコ氏はいう。

Embarkの犬のDNA検査は199ドル(約2万2000円)で、犬の飼い主やブリーダー、獣医は犬のユニークな遺伝子プロファイルに基づいて、治療やケアのプランをそれぞれで作ることができる。これまで350種あまりの犬種を検査し、200種の遺伝子由来の健康問題や身体的特徴を特定してきた。人間の遺伝子を検査する23andMeと同じく、検査によってその犬の犬種や健康や祖先に関する特性を知ることができる。

たとえば検査によって、健康な犬が今後椎間板ヘルニアになりやすい遺伝子を持ってることが、わかったりする。そんな犬には、ケアのメニューに体重管理を重要な要素として含め、ソファーから跳び下りることを禁ずるなどの対応が必要だ。もう1つの、よくある遺伝子リスクが高尿酸尿症だ。尿酸値が高いために犬がミネラルを上手に処理できず、膀胱結石になりやすい。そんな場合、犬の食事を変えることによって、石ができることを防げる。結石は、痛いだけでなく治療費も高額です、とボイコ氏はいう。

同社の検査技術は独自の遺伝子型判定技術を軸とし、これまでに20万以上の遺伝子マーカーを分析している。ボイコ氏によると、それは現在市場にあるどのDNA検査と比べても2倍以上の情報量がある。これによってEmbarkは今や、犬の健康と生物学的情報に関する世界最大のデータベースを持ち、同社はさまざまな状況や条件へのインサイトを可能にして、健康のリスクや特性、また犬種に関する、新たな発見を可能にしている。

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Embarkは犬の飼い主や獣医にとっての、ケアのスタンダードになることを狙っている。同社は2019年から2020年にかけて235%成長し、年商は過去2年間で5倍増した。このような高い成長を支えるために同社は、今度の資金を新たな雇用とデータベースの拡大に充てるつもりだ。ボイコ氏によると、2021年から2022年にかけて100人増やすという。

ボイコ氏によると、米国のペット市場はまだまだ伸び代がとても大きい。実際、American Pet Products Associationによると、2020年のペットへの支出は1000億ドル(約11兆200億円)近くに達し、2019年の957億ドル(約10兆5400億円)と比べて大きく増えている。

またCrunchbaseのデータによると、米国のペット企業に対するベンチャーキャピタルの関心は、栄養食、旅行、ヘルスケアなどすべてを含めて2019年から2020年にかけて 29.5%成長した。Embarkの資金調達だけでなく、2021年はその他のペット関連スタートアップにとっても良い年で、たとえばペット保険のWagmoは1250万ドル(約13億8000万円)を調達し、犬の居場所を本人の首輪からWi-FiやBluetoothで教えるFiは3000万ドル(約33億1000万円)を調達、そしてドッグシッター / ウォーカーのRoverは、SPACという手法による上場を発表している。

SoftBank Investment AdvisersのパートナーであるLydia Jett(リディア・ジェット)氏は、ペット関連の投資はこれが初めてだが、Embarkはこの分野に進歩をもたらそうとしており、それは、どんなことをしてもペットをできるかぎり長生きさせたいという、飼い主の願いにも応えるものだ、と語っている。

ジェット氏によると、同社の経営がDNA分析を軸としていることには将来性があり、ペットに対して遺伝子分析の大きな市場を初めて開き、ペットに対する愛情とその長寿のための技術を結びつけたことの市場性はとても大きい。

「同社は変化を推進しています。私たちは消費者市場への投資企業として世界最大ですが、消費者のプライオリティと選択に関する弊社のポートフォリオとEmbarkが目指すものは完全に一致しています。それは、とても大きなトレンドであり、しかもペットのための個体化は、まだまだ初期の段階です」とジェット氏はいう。

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画像クレジット:Olga Gimaeva/EyeEm/ Getty Images


【原文】

Now that you have that COVID dog, Embark Veterinary wants to help him or her be in your life for a long time by offering DNA testing with the goal of curbing preventable diseases and increasing the lifespan of dogs by three years within the next decade.

The Boston-based dog genetics company raised $75 million in Series B funding in what the company is calling “the biggest Series B for a pet startup to date.” SoftBank Vision Fund 2 was the lead investor and was joined by existing investors F-Prime Capital, SV Angel, Slow Ventures, Freestyle Capital and Third Kind Venture Capital.

The new round boosts Embark’s total funding to $94.3 million since the company was founded in 2015, according to Crunchbase data. It also gives it a post-money valuation of $700 million, Embark founder and CEO Ryan Boyko told TechCrunch.

Boyko has been a dog lover all his life, and also interested in biology and evolution. Dogs, in particular, are fascinating to him because of their variety: they can be bred to be two pounds or 200 pounds, and come in all shapes and sizes. His interest led him to study dogs in order to understand their evolution.

“I began to think about health problems, and honestly, dogs are a better system for using genetics to better their health than humans,” Boyko said. “You can breed them, so genetics has as much power to cause health problems as it can improve quality and life.”

Embark’s dog DNA test retails for $199 and enables dog owners, breeders and veterinarians to personalize care plans based on a dog’s unique genetic profile. It can test for over 350 breeds and 200 genetic health risks, as well as physical traits. Similar to a 23andMe test, test users can learn characteristics about breed, health and ancestry.

For example, the test could show that a healthy dog may have a gene that predisposes them to slipped discs. If the dog has that, then weight management would be an important factor in their care regime, as would not allowing them to jump off the couch. Another common genetic risk is HUU, or Hyperuricosuria, which is elevated levels of uric acid in urine that could lead to bladder stones due to the way dogs process minerals. By changing the dog’s diet, it could reduce the risk for developing the stones, which are painful and expensive to treat, Boyko said.

The test’s technology revolves around proprietary genotyping technology that analyzes more than 200,000 genetic markers, currently two times more information than any other dog DNA test on the market, Boyko said. This gives Embark the world’s largest database of canine health and biological information, enabling the company to provide insights into certain conditions and make new discoveries about health risks, traits and breeds.

Embark aims to become the standard of care for dog owners and vets. It grew 235% between 2019 and 2020 and saw five times the sales over the past two years. To support that growth, the company intends to use the new funding to bring on key hires and expand its database. Boyko anticipates adding more than 100 employees between 2021 and 2022.

Boyko said the opportunity in the pet startup space is huge. Indeed, U.S. spending on pets reached nearly $100 billion in 2020, up from $95.7 billion in 2019, according to the American Pet Products Association.

At the same time, venture capital interest in U.S. pet-focused companies, from nutrition to travel to healthcare, grew 29.5% from 2019 and 2020, according to Crunchbase data. In addition to Embark’s funding, 2021 was good to other pet startups as well, including pet insurance company Wagmo, raising $12.5 million, connected pet collar company Fi received $30 million and Rover, which announced plans to go public via SPAC.

Lydia Jett, partner at SoftBank Investment Advisers, told TechCrunch that this was her first pet-based investment, and what Embark is doing brings advances to a category right now where people care about their pets enough that they want to do something that will expand their value of life.

Jett said the management team being dedicated to DNA-based analytics is the future, and Embark is starting this big curve when it comes to pets and the convergence of real emotional ties to pets and the ability to improve their lives.

“This company is a driver of change to happen,” she added. “We are the largest consumer investor in the world, and Embark is very much aligned with what we are seeing across our portfolio that consumers are revisiting priorities and choices. That is a major trend, but still early in the cycle of personalization for their pets.”

 

(文:Christine Hall、翻訳:Hiroshi Iwatani)

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