ブラウザーベンチマーク「Interop 2022」–グーグル、MS、アップルなどが協力
今回は「ブラウザーベンチマーク「Interop 2022」–グーグル、MS、アップルなどが協力」についてご紹介します。
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ブラウザーエンジンの開発を手がけているGoogle、Mozilla、Appleとともに、BocoupとIgalia、そして「Chromium」ベースのブラウザーを提供しているMicrosoftが協力し、「Interop 2022」というブラウザーベンチマークを作り上げた。
このベンチマークが軸足を置いているのは15の領域であり、それらの中には「Compat 2021」という取り組みから取り込まれた5つの領域も含まれている。
モバイルアプリ開発者らが最も歓迎するのは、新しいビューポート単位の追加だろう。これらは、ページの最大ディメンション(大きさ)と最小ディメンション、スクロール時における動的なディメンション(モバイルブラウザーはスクロール時にアドレスバーを隠すために必要となる)を特定する。
軸足が置かれている他の領域として、カスケードレイヤー(コンテナークエリーでコンテナーのディメンションを把握可能にしてスタイルを正しく適用できるようにする)や、ダイアログ要素、フォームに対する修正、サブグリッドとともに、「Web Compat」(ウェブの互換性)と名付けられた問題一式などが挙げられる。
Mozillaはブログで、「Web Compatという領域は他とは異なって、特定のテクノロジーに着目するものではないが、既に展開されている機能に関して明らかになっている特定の問題一式に取り組むものだ。これらに関するバグや、標準からの乖離(かいり)によって、エンドユーザー向けサイトが意図されないかたちになってしまうことが頻繁にある」としている。
Compat 2021から取り込まれた5つの領域は、アスペクトレシオ(画面の縦横比)とフレックスボックス(行または列でのレイアウト)、グリッド(格子枠でのレイアウト)、スティッキー(位置を固定するレイアウト)、トランスフォーム(変換)だ。
さらに3つの領域での調査が洗い出されているが、現時点で明確な方向性は見出されていない。
Googleは、「これらは問題を抱えている領域で改善が必要だ。仕様とテストの現状はまだテストの結果を利用して進展をスコア化できるほど十分に適切なものになっていない」と述べている。
「ブラウザーベンダーや関係者がこれらの領域のテストと仕様の改善で協力することで、この取り組みの今後のイテレーションに含めることができるようになるだろう」(Google)
Microsoftはサブグリッドに軸足を置くとしているが、同社のブラウザーはGoogleの描画エンジンに依存しているため、自社のみで困難な作業を遂行することなく利点を享受できるだろう。
各ブラウザーエンジンのスコアはダッシュボードで確認できる。Firefoxが安定版と開発版でリードしている。
スコアのうち10%は、共同での調査領域から導き出されるとされているが、今のところスコアは提示されていないため、ブラウザーメーカーは残る90%の領域をめぐって競うことになる。その90%は、新規領域の60%とCompat 2021の30%に分割されている。
Googleは、「本質的には、ウェブプラットフォームを開発者がより使いやすく、信頼性の高いものにすることで、ブラウザーの互換性に対処するのではなく、優れたウェブエクスペリエンスを構築することにもっと時間をかけられるようにすることが目的だ」と述べている。