登大遊氏、日本は「超正統派」のICT人材を育成すべき。そのために、自由な試行錯誤を許容するインチキネットワークの普及に取り組む(中編)。JaSST'22 Tokyo

今回は「登大遊氏、日本は「超正統派」のICT人材を育成すべき。そのために、自由な試行錯誤を許容するインチキネットワークの普及に取り組む(中編)。JaSST'22 Tokyo」についてご紹介します。

関連ワード (会社、感動、数十万等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、Publickey様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


2022年3月10日と11日の2日間、ソフトウェア業界のテスト技術力の向上と普及を目指すイベント「ソフトウェアテストシンポジウム JaSST’22 Tokyo」がオンラインイベントとして開催されました。

イベントの最後には、招待講演として登大遊氏による講演「世界に普及可能な日本発の高品質サイバー技術の生産手段の確立」が行われています。

この記事ではその講演の内容をダイジェストで紹介します。記事は前編、中編、後編の3つに分かれています。いまお読みの記事は中編です。

正統派と超正統派

今日お話するのは、「正統派」と「超正統派」という概念です。

正統派というものは人の作ったクラウドを使う。これはもう十分に育成できると思います。

そして超正統派、クラウドの技術を作る、セキュリティやインターネット技術を作る、という方を増やさないといけないというのが明らかに今ある国全体の問題です。

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この看板にあるように、Google、Amazon、マイクロソフトとか、オープンソースもたくさんあります。こういうものを超えるものを日本人も作れるようになりたいと。この中ではRuby以外は日本人の作ったものはあまりないのではないですか。

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やっぱり船で言うと、まさに国と国の間の通信をサポートするのがルータで、これもシスコ、Junper、ファーウェイ。このようなものを超えるものを、日本人も作れるようになりたい。昔は作っていたのですが、いまは作れるところがなくなってきている。

ではなんでアメリカなんかはうまいことやっているのか。

これは、けしからんいたずらみたいなのをコソコソやってるっていうのがその1と。

その2はそれと同時に、猛烈にいろいろな面白分野の勉強してるというのがその2です。

その1をまず述べます。

マイクロソフトもAppleもインターネットも、インチキから始まった

マイクロソフトはMS-DOSの前にXenixというインチキOSとかをやったんです。

Appleも同じです。AT&Tの電話をハッキングする機械を発売しようとして、うまく売れずに、代わりにこれで勉強した知識を用いてコンピュータを作ったということであります。

大企業では、さっきのけしからんパケット通信を否定するAT&Tは、その4年後の1969年にインターネットの基礎となるUNIXを発明するんですね。

その理由は何かというと、仕事をせずに勝手にスペース・トラベルというゲームをコンピュータで自作して遊んでたトンプソンさんとか何人かの社員が、会社がそのコンピュータを撤去しそうになったので、他のコンピュータにゲームを移植しようとして。

移植するためにいちいち苦労すのはいややから、移植性のあるOSとプログラミング言語を作ってしまおうということで、UNIXとC言語というのができてしまったのであります。

これは重要なことです。

Googleも同じであります。大学の隅っこにサーバとかをバーッと並べて作っておったんです。

正統派と超正統派は共存関係

こう考えると、コンピュータの分野っていうものの正統派と超正統派、というのが存在すると思うのです。

日本でも歴史を見ると、平和な公家みたいな正統派がいて、実際に歴史を変えていくのは武士や幕府が創意工夫を凝らしていろんなことをやる。変な武器を作ってみたり鉄砲を作ってみたりするのは、超正統派の方であります。

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両者は共存関係で、おそらく組織を長く維持するためには正統派の方が必要ですし、維持できなくなって新しいものを発明しないといけなくなると超正統派が必要なんだと思われます。

コンピュータで見ると、左側は真面目なコンピュータ。だいたいコンピュータの仕事で大企業やら役所に入所しますと、まず左のことをやらされて、一生これやるのかと。

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しかし圧倒的に人材が不足しているのは超正統派の方です。そして超正統派というものは、やっぱりインチキなやり方をやらないと生まれないのです

今でもそういうやり方が生き残ってるところはいろんな日本にもあるんです。

左上の写真は日本のWIDEプロジェクトで、インターネットの本当の中心です。本当に本物です。聖地の写真です。

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右下がNTT東日本の某所にある、フレッツ部門のフレッツ光開発部門の中心地であります。

ぐちゃぐちゃで、これも聖地です。こういうところが本物であります。

もしも綺麗なデータセンター、そこを会社訪問だとかで見せられたとしたら、あなたはニセの場所を案内されてるのです。本当はこういうところでしか技術開発ができないのです。

この本当の技術開発が③の超正統派だとすると、正統派というのは、ゼロリスクの方に引っ張る力で、①であります

①が引っ張る対象は②のカオスであります。世の中はほっとくと破綻する方向に行くので、②にならないように、破綻しないように引っ張るんですけれども。

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問題はこの③がいなければ他の組織よりも進歩せずに、相対的に価値がなくなって破綻するのです。

大変重要なことは、①だけでも破綻するという意味です。ですから、③が絶妙な力で上方向に引っ張らないといけないのです。

これが超正統派の役割であります。

この③が強くなりすぎて①が消滅するとその組織は非常に不安定になるんですが、今の日本企業はそんなことを心配する必要はないんです。

③を復活させる必要があります。

超正統派システムソフトウェア開発能力に必要なこととは?

もう一つのカギは、インチキなことをやっているだけでは駄目で、インチキな方々、さっきのUNIXとかWindows、Google、Apple、シスコ、ジュニパー、ファーウェイの中にいる人たちは何をやってるかというと、ここがまさにこの本日の会議の議題であります。

超高品質な、高度に抽象化されたプログラム構造の設計と実装をやる必要があります。

日本のハードウェアは非常に高品質なのにソフトウェアがやばいです。

ところが、Googleとかを見るとハードウェアはインチキで、ソフトウェアがすごい。

何が違うのか。これは生産手段を示した図であります。

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①は工業製品を生産する例で、炉に原材料を投入して、複雑な反応をし、生成物があります。

②の方がICTで、炉に相当するものは頭脳であります。

この炉に投入する原材料が重要ですが、なんと日本の正統派の人たちは、日本じゃなくても正統派というのは、オレの仕事はこれやと、自分の仕事の領域はやるんですけれども、他のことは関係ないから、サラリーマンとして関係ないからあんまりやらないのです。

それでは超正統派、いいものをたくさん作る人たちの秘密は何かというと、他のところも広く浅く、面白がって読むという読書人であるということであります。

これは非常に重要で、例えばコンピュータの中の概念で言いますと、マルチスレッドプロセスとか、仮想メモリとか、通信スタック、セキュリティ機構とかファイルシステムですとか、クラウドのVMですとか、コンテナですとか、全部抽象化された仮想的な取り扱いであります。

よくできているOSなんかは抽象化がうまいんです。

その抽象化のアイディアは、仮想メモリをひとつとっても、そのヒントは学問領域です。哲学とか法律とか社会制度の方の領域をうまく参考にして作っています。

例えばユーザーモードやカーネルモードや特権とか、プロセス管理ですとか、プライベートメモリ領域とか。これらはまさに国の政治経済の仕組み、国家と市民の関係をそのままコンピュータの方に思いついて入れたら、それができたということです。

また、正統派は楽をしたいので、問題から目を背けて、できるだけ目を背けた状態で何年生きられるかみたいな変なゲームをやっているのです。

一方、超正統派は、進んで問題の中に立ち行って、頭脳を使って本質を解決しようとする。非常に苦労をするのが超正統派です。

しかし長期的に見ると、楽になるのは超正統派です。その理由は、最初に投資をしたら、後になって長年動く仕組みが作れるからです。

今、楽をしたければ正統派を選択するのが良く、長期的に楽をしたければ超正統派を選択するのが良いというのが、入社したときの日本の組織にいる若い人材の選択するべき二つの分岐点であります。

正統派から超正統派への質的跳躍が重要

その超正統派を目指そうとすると難しいことを考えなければなりません。

実は超正統派をやりたいんだという人は、正統派の中に5%ぐらいいるんだと思います。

超正統派人材は日本企業の中で埋もれているので、我々が今後やらないといけないことは、埋もれている人たちをちゃんと、遊びをしてもいいですよと、物理的な環境も制度も正統派から一時的に分離して、自由にできるネットワークなんかを各組織に作るということが、これから日本では重要になってきます。

つまり正統派から超正統派への質的跳躍というものが生じることが重要だということです。これは必ず今から述べる方法で可能だと思われます。

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我々の超正統派的環境はどうやって作ったか

我々は、このインチキVPNみたいな超正統派的環境をどうやって作ったかということを簡単に説明しますと、手作りでやっております。外注業者やお金をかけることはやってません。自分たちで数十万円で作っています。

IPAの未踏プロジェクトの予算で300万円を昔もらったのですが、そのうち数十万で、コンピュータとかを買います。

300万の予算でそれなりに良いものができまして、SoftEtherができましたら経済産業省がお金を出してくれたんです。

しかしこれが出来たら、配布停止しろという指令みたいなのが来ました。

VPN機能が強力すぎて、自治体のファイアーウォールを貫通したとかいろいろ自治体の方から文句が来たのです。

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それでSoftEtherを使わせないように、自治体のネットワークとインターネットを完全分離してしまったんですね。自治体は全部それで、インターネットなんかできないからみんなえらい苦労するんです。

とにかく配布停止をした。

そしたらすぐに表彰するって言われまして、ちゃんと表彰状ももらいました。これが表彰状の写真です。

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小さいところからやるのが重要

我々、だいたいコンピュータはさっきの予算で買えるだけでは不足してるので、こういうゴミ拾い大会で拾ってくるんです。

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それを繋いで遊んでいたら、57ページ目はへんな国のプロジェクトも手伝ったという話。

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58ページ目は、しばらくして村井研っていうさっきのぐちゃぐちゃがSFC(慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス)にあるってことで夜中に見に行ったら感動しまして。

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同じようなものを調べて買って、大学でも使っていました。

そしたらIT担当大臣が偶然来まして、それで部屋を広くしてもらいました。

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つまり手作りでだんだん育てているから、こういう偉いさんがきても、よろしい、みたいに言われるのです。

ですから小さいところからやるのが重要であります。

物理的なネットワーク設備に接触することも重要

そして物理的なネットワーク設備に接触することは非常に重要であります。筑波大の環境の例を示します。

ここはだいぶ特殊なんですけれども、似たようなことは、規模が普通の組織でもできると思います。

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筑波大は写真のように非常に広大で、モナコ公国と同じ広さがあるんですが、ここでハムスターを飼ってたんです。

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するとハムスターを飼うのを禁ずると大学事務に掲示されまして、ところが実験動物を除くとありましたので、実験動物だと言い張るためにIPアドレスをハムスターに貼りました。

このIPアドレスでハムスター中継をライブストリーミングをやってましたら、当時、2003年頃はライブストリーミングなんか他になかった。YouTubeも何もないんですね。ハムスターしかない。

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それでみんなハムスターを見て、性能不足で大学のファイアウォールがダウンすると文句ばっかり言われました。

ファイアウォールが性能不足でどうしようもないので、それを超えるために屋上にLANケーブルを張っておりましたら、今度は大学の先生から学生が屋上にLANケーブルを履くのというのは、大変危ないからやめなさい、光ファイバーにしなさいと言われまして。

それで光ファイバーを買ってきまして、この光ファイバーを引いて大学のファイアウォールの外につないで実験をしておりました。

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地下道で見つけた光ファイバーの先が見たい

SoftEtherのいろんな実験をしていると、悪用する人がごく稀にいまして、それで大学の方に警察からの捜査の礼状みたいなのがくるんです。

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そうするとだいたい総務部の人にそれが行きまして、また変なのがきたので研究やめてくれへんか、みたいに言われます。

研究をやめさせらるのはけしからんので、このけしからん総務部が学長室の横にあるんですけど、そこに謎の地下道から入れるって噂がありまして、この地下道は大学の学生紛争があったときに逃げられるようになっているという噂があってですね。

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そこから逆に総務部に飛び込んでいって、わーって言えば、もう研究をやめてくれなんて言ってこなくなるんではないかと、学生何人かでこの地下道に入りました。

探索すると本当に非常に広大な地下道がありました。合計14kmの地下道がありました。

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地下道の中には光ファイバーケーブルがたくさんありまして、ここに一緒に光ファイバーを通そうとしたら、もうNTT東の光ファイバーがあるんです。

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これは面白いなってことで今、NTT東の光ファイバーを追っていくと、一番南の洞窟の先に行っていて、この洞窟の穴は狭すぎて人が通れないんです。

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これは大学がここまでで、これより先は市の管みたいのがあって、この先を見たいんやと。

もうさっきの総務部の話はどうでも良くなくて、この先を何とかして見ようということで。

この先はNTTの電話局繋がってるんやってことが分かりましたので、NTTの電話のおじさんに言いましたら「東京に行きなさい」と言われて。

NTT本社へ行き、ダークファイバで独自ネットワーク構築

東京の初台ってところにあるNTTの本社に行きましたら、よろしいと言われまして、それで電話局の中に自前のいろいろな実験的な電気通信設備を作るための光ファイバーやスペースを借りる方法を教えてもらって。

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いわゆるダークファイバーというものを使って素人工事みたいなのを始めました。

これは非常に面白いので、東京にも、銀座、渋谷、丸の内、池袋というところにサーバやルータを置いていって、リングネットワークを作りました。

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また電話局の中に自分らはよく入っていって、インチキ修理の手伝いとか。

フレッツが家にあると光ファイバーを家にいれるのですが、フレッツを電話局にいれると。

フレッツが家にあると光ファイバーを家にいれるのですが、最終的には、「フレッツを家ではなく電話局に引く」というすごい手法を思い付きました。ファイバーが故障で突然切れる原因は電話局と家の間に距離があるためなので、そもそも電話局の中にフレッツを引けば、ファイバーが故障しないので、最も安心してインターネットが使えます。

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電話局の中にフレッツ入れるという頭おかしい奴はいないんだろうと思ったら、他にも数人いまして面白いなと思いました。

NTTでいろいろやってたら、けしからんのでちょっと説明しろと言われまして本社に行きましたら、これは大変素晴らしいことやってるから、では君には電話局の中でNTTの社員にみつかってもばれないようにいるNTTの服をあげようということ、偉いさんからNTTの服ももらいました。

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それでNTTの中でフレッツの速度が遅い部分がありましたので、これはPPoEっていうのがわるいんですけれども、そこを早くするために、IPv6の折り返し通信のためのダイナミックDNSを実現するためにいろいろ工作をしようとしましたら、そういうことはやらせんってことで。

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本社の方でデススターみたいなところがありまして、そこにダース・ベイダーがおるんですけど、そういう人たちが文句言ってやらせてくれないので、談判をやろうということで、その談判資料なんかたくさんかきまして。

談判やってもも駄目なので、電話局をたたえる秘密切手を作りました。

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NTTを支えるフレッツをたたえるアヒル。

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NTTをたたえるシューティングゲームも作りまして。

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それで、これは非常に良いもんやからぜひやりなさいって言われまして、NTTの本物のフレッツ網の中に、自由に使えるダイナミックDNSを作りました。

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これは今、フレッツ網内折返しで10万台ぐらいのコンピュータが、業務で使ってるんじゃないかと思うんです。

NTT東に入社し、シン・テレワークシステム構築

これは非常にいいのでちょっとNTT東に入社しようと思いまして、それで入社をしましたら、シン・テレワークシステムっていうのを一緒に急いで作るようになって。

そのときのRaspberry Piがこの写真であります。

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これらRaberry Piを大量に並べて、これもVPN-Gateで得た技術を使って3週間で作りました。これはC言語で書いてあります。

これは楽しい楽しい構築するときの写真ですね。今でもこんなふうになってます。

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UNIXですとかWindowsとかGoogleとかいうものを作った方々も、最初はこういうのから出てるんじゃないかと思うんです。

これをやらずにいきなり成果物を作れって言うからそれは無理なことで、これが必ず途中で必要になるんだと思います。

こういうふうなことは非常に素晴らしいことだということで、社会的評価を最近いただいておりまして、例えば総務大臣賞、デジタル大臣賞、文部科学省の3つを今年いただきましたのでこういうことはどんどんやらんといかんなと思っております。

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超正統派コンピュータ&ネットワーク環境を日本中に普及

せっかくこういう評価を受けたので、これは正しいことだと思われるので、この正しいことができない組織、大企業、役所、大学がほとんどになってしまったので、これができるような体制をこれから作ろうと。

自分たちはもうとにかく手に入れたけれども、これができずに困っているICT人材の、超正統派になるかもしれない1万人ぐらいの人たちは、1000ぐらいの組織に10人ずつぐらいいるんじゃないかと思っていて。

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その各組織に我々みたいなインチキネットワークを一から作るのはもう無理なので、我々のこのシン・テレワークシステムみたいなどさくさにまぎれて作ったものをどこでも使えるように大開放をしようと。

そうすれば、いつの間にか何かそのネットワークを使ってまたそのネットワークを超える何かを誰かが勝手に作り始めて、UNIXやインターネットに匹敵する新しいものを日本の方が並行して、1万人ぐらい同時に作り出すすと、そのうち100個ぐらいは凄いんじゃないかと思います。

その100個ぐらいがGoogleみたいな感じになるんじゃないかと思って。

そこで我々はけしからんIPA独立行政法人とNTT東と、他にもけしからん日本的トラディショナル組織と連携しまして、こういうふうなことを堂々とやろうと。

今がチャンスなんですねこういうの。

この118ページ目は、IPAの高度なサイバー活動を支える裏側を紹介している図面であります。

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だいたいIPAのけしからんWANは、ある一つの建物の中にあるんじゃなくて、電話局とかいろんなところに連携してまして、たくさん余っているダークファイバーも使っているんです。

それで、適切な原価は払うんですけど、非常に安価でネットワークを作っています。40ギガとか80ギガとか100ギガとか、たくさんネットワークを使ってリングも作って。

インターネットとも複数箇所で繋ぎますが、なんとこれはキャリア専用線は一切使っておらず、自作です。

例外は西日本の1カ所で、他は全部自作であります。

自作の方法は119ページ目に述べるような写真で自作しております。

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このやり方を多くの人にどんどん布教するには時間が足らないので、基本的な本とか文章を書こうと思っております。

そしてこのネットワークの下に最近はいろいろな人が何か持ってくるんですね。

高校生、高専生、大学生、社会人、他の大学の先生とかが、ここに持ってくるとええらしいなと噂を聞いて持ってくるんです。

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そこで我々はそういう情報処理の技術を高めるために色々ネットワークの実験したいという方々の持ち込みを許容してまして、例えばBGPやりたいとかIPアドレス直接欲しいとプロバイダを下に入るの嫌やから、独立ネットを作りたいとか、いろいろ、そういう人たちが、そんな人はいないんじゃないかとみんな思ってたんですけれども。

自分の周りだけで100人近くいるような感じが見えるので、日本中には見えないところに実は1000人ぐらいはいるんじゃないかと思います。

ネットワークの超正統派のプロは1000人いれば十分なので、そういう方々を育成しないといけません。

そのうち我々ところには10数件を繋いでありまして、実はインターネットっていうのも、ソフトウェアで動いていて、プロバイダ間をつなぐソフトウェアがBGPというのですが、その、プロバイダ単位の免許番号みたいなやつがASというのですが、それをみんな個人でとることはは普通なかったんですけども。

これは普通はBGP上流トランジット回線という法人向けプロバイダしか提供しておらず、AS番号を取るためにはトランジットと呼ばれる上流回線2社以上と契約しないといけないので、めっちゃお金かかるんです。30万円が毎月かかりますから個人ではできないんですが、それだと技術研究ができないので、我々のところに来ていただければ無料でできるんです。

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それで、我々はそれを手に入れたけれども、それを持ってない人が95%ぐらいだから、それがもうお金をかけずに使えるように、何とかこれを開放するというのが2022年の活動の予定であります。

中学生にもこういうことが好きな人は多い

だいたい中学生にもこういうことが好きな人たちは多いのであります。

我々は教育委員会と連携してつくば市でグローバルIPアドレス、NATもファイアウォールもない無添加の純粋な自然派のグローバルIPアドレスというものに若いうちから触れ合うことが重要だということで、古い学校の校舎にサーバ置き場を作りまして。

中学生の人たちが年に10人、このサーバをおいてもう6年やってますから、60人ぐらいが触っています。

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我々が1990年代ぐらいまで自分の家とかでやってたことを、今の若い方々ができるようにしなきゃいけないという使命でやっております。

これが最後であります。

この超正統派ネットワーク試行錯誤環境というものを、日本のいろんな大企業、役所、地方、自治体、研究所の組織を維持したまま、これらの組織の資源を活用して試行錯誤環境を作ることで、1万人ぐらいの超正統派ICT人材を並列して 生み出すことができるのではないでしょうか?

そうすることで、日本は自然かつ正当な世界一のICT技術国になるための賢さをかなりの人が既に持ってるんですが、そこで唯一足りないのはこれなんじゃないかと。

そして、自由な試行錯誤をやってきた他の全ての産業領域は、日本は1868年の明治のときからもう150年経ちまして、全ての産業領域でトップになることに成功しました。

しかし、ICTだけはまだできておりません。ICTでもこのように自由な環境を作れば、同様にトップになる能力が、これから日本で確実に発揮されることになると思われます。

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以上で、世界に普及可能な日本発の高品質サイバー技術の生産手段の確立のプレゼンテーションを終了いたします。

≫後編に続きます。後編では質疑応答を通して、登氏による超正統派に関するある種の哲学のような考えが吐露されます。

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